映画『きみの色』山田尚子監督が語る〈サイエンスSARU〉の“強み”とは?世界規模のアニメ作家たちが化学反応を起こす最新作
「けいおん!」山田尚子監督 最新作『きみの色』間もなく公開
アヌシー国際アニメーション映画祭長編コンペティション部門入選など国内外問わず高い評価を受けた大ヒット作『映画 聲の形』(2016年)の監督・山田尚子の最新作『きみの色』が、8月30日(金)より全国公開。
些細な日常を瑞々しく鮮やかに描く稀有な映像センスと、小さな心の揺れ動きさえ表現していく繊細な演出で知られる山田尚子。本作は、いまや世界から脚光を浴びるアニメーション監督の一人となった山田監督が放つ、完全オリジナル長編アニメーション映画だ。
そんな山田監督と近年タッグを組んでいるのが、気鋭のアニメ制作会社<サイエンスSARU>。TVアニメ「映像研には手を出すな!」や映画『犬王』で海外でも高い評価を得ているサイエンスSARUは今回『きみの色』で、どんな化学反応を起こしてみせたのだろうか? 山田監督自身がその魅力を明かすコメントが到着した。
山田監督「これからも世界中に向けて、たくさんのアニメーションを作っていけたら」
『きみの色』の脚本を務めるのは、スタジオジブリや京都アニメーションの数々の大ヒット作品を手掛け、山田監督とは「けいおん!」シリーズ以降、幾度となくタッグを組む吉田玲子。音楽は『映画 聲の形」『リズと青い鳥』(2018年)など山田監督作品のほか、話題作「チェンソーマン」(2022年/テレビ東京系)のサウンドトラックを担当する作曲家・牛尾憲輔だ。
声の出演には、日暮トツ子役に鈴川紗由、作永きみ役に髙石あかり、影平ルイ役に木戸大聖と、いま注目の若手俳優たちが参加。3人を導くシスター日吉子役を新垣結衣が務める。
先日フランスで行われた第49回アヌシー国際アニメーション映画祭では、本作鑑賞後の観客から絶賛の声が。続く第26回上海国際映画祭では金爵賞アニメーション最優秀作品賞を受賞した。これは日本作品としては5年ぶりの快挙となり、授賞式に出席した山田監督は檀上でトロフィーを受け取ると、「アニメーションは素晴らしい力を持っていると思います。これからも世界中に向けて、たくさんのアニメーションを作っていけたらと思っています」と受賞の喜びを語った。
そして7月3日に行われたジャパンプレミアでは、声優を務めたキャストらと山田監督が夏らしく浴衣姿で登壇。観客を前に、国内初上映を迎えた喜びや自身の演じたキャラクターの注目ポイントなど、本作の魅力をたっぷりと語りつくし、大いに盛り上がりを見せていた。
「映像研には手を出すな!」「ダンダダン」話題作の絶えないアニメ制作会社
サイエンスSARUは、2013年にアニメーション制作会社として設立。2017年公開の『夜明け告げるルーのうた』でアヌシー国際アニメーション映画祭長編部門グランプリ・クリスタル賞など、国内外の映画賞を多数受賞した。
直近では、『犬王』(2022年)で米国ゴールデングローブ賞最優秀長編アニメーション映画賞にノミネート、本作『きみの色』では上海国際映画祭金爵賞アニメーション最優秀作品賞受賞など、日本だけではなく世界で高い評価を得ている。
また、TVアニメでは、「映像研には手を出すな!」や今年10月放送開始の「ダンダダン」などの挑戦的で熱い注目作を手掛けており、ファンの期待を超えるクオリティの高さが定評となっている。
山田尚子監督が語る<サイエンスSARU>の“強み”とは?
山田尚子監督とサイエンスSARUの初タッグは、2022年TVアニメ「平家物語」。2024年リリース予定のオリジナルショートアニメ「Garden of Remembrance」のほか、本作『きみの色』でも再びタッグを組んだ。
山田監督は「SARUの皆さんは、すごくいい意味で天真爛漫といいますか、アイデアに溢れているんです。作品を作ることって凄く、心がすり減るし、体力面でもいろいろ擦り減っていくんですが、それを覆す体力やアイデア、チャレンジ精神がずっと衰えない。常に元気に前向きで、凄い心強いチームだなと思いました」と、サイエンスSARUの魅力である“強み”を明かしている。
本作『きみの色』では、「平家物語」から引き続き、脚本の吉田玲子、音楽・音楽監督の牛尾憲輔、キャラクターデザイン・作画監督の小島崇史らが再集結。精鋭クリエイターたちの手によって、少女たちそれぞれが向き合う自立、葛藤、恋模様がまるで絵画のような美しい映像で描かれる。
“音楽×青春”をテーマに描かれる本作で、山田尚子監督×サイエンスSARUの化学反応を劇場の大スクリーンで体感しよう。
『きみの色』は2024年8月30日(金)より全国東宝系公開