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大田区池上の新たな風物詩・マルシェ「池上日和」。“頑張りすぎない”がキャッチフレーズのイベントでのんびり過ごす日曜日を

さんたつ

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2025年の12月に開催10回目となった、池上本門寺で開催されるマルシェ「池上日和」。毎回地元客でにぎわい、大田区在住の私も楽しみにしている。イベントらしくない名前に、“頑張りすぎないマルシェ”というキャッチコピー……。いろいろ気になるところがあるイベントだ。

バラエティ豊かな出店が楽しいマルシェ

寺町である池上本門寺周辺の休日は、法事に訪れる人々や散歩をするご近所さんで人通りはまあまあだ。しかし、この日は人が多く感じる。池上本門寺の総門を入ったところにある広場で「池上日和」が開催されているのだ。お祭りのようなムードでワクワクする!

2025年12月の開催は雨上がりにもかかわらず、開催時間の10時に合わせたくさんの人が集まっていた。

「池上日和」は、池上地区商店会連合会主催の定期イベントで、年に4回開催されるマルシェだ。ホームページによると、池上本門寺を起点に商店街でお店を営んでいる人や住民、区外からの来街者が交流し合い、人と人、人と街とがつながり街ににぎわいが生まれるイベントを目指しているという。

フォトスポットにもなっている手描きの看板が開催の目印だ。

広場の両脇にはたくさんのテントが並び、とてもにぎやかな雰囲気だ。入り口近くで配布されているチラシにはその日の出店者が紹介されているので、それを見ながらさっそくお店を巡ってみる。ふむふむ、おいしそうなものがたくさんありそう。出店者がどこから来ているのかも書いてある——池上を中心とした大田区内のお店だけでなく長野や兵庫、高知からも!? さまざまなところから出店者が集まっている。

地元・池上の乾物屋さんからはあれこれと試食をすすめてもらった。
地元アーティストの店では「池上」の名前が入ったステッカーを思わず購入。

食べ歩きできるようなホットドッグやバインミー、お酒やコーヒーもあってとても楽しい! 飲食の店だけでなく、子供も楽しめるワークショップのブースや手作りの雑貨が並ぶ店、アーティストの作品を扱う店もあり、バラエティに富んでいる。

お散歩ついでにお昼ごはんも……といった雰囲気の人や、がっちりお買い物をしている方、みんな楽しそうだ。私は歩き回っている間に、知り合いや友人とばったり。おしゃべりをしたり、買ったものを見せ合ったり。つい長居して、お財布の紐が緩んでしまう。

久しぶりに会った友人に、買ったばかりのリンゴをおすそ分けしてもらった。

遠くから出店されている方に、なぜこの「池上日和」に出店したのか聞いてみた。

兵庫から来たという播州織(ばんしゅうおり)の生地で手作りした服や小物を売る作家さんは、近隣に住むお子さんを訪ねた際に東京での出店機会を探していたところ、このイベントを見つけたのだという。

また、高知の生姜や柚子を販売する方は、池上に住む方から紹介されたのがきっかけで申し込んでいるそうだ。そのほか、「久しぶりに本門寺にお墓参りに来た際に、「池上日和」が開催されていたので、これは縁がある! と思って出店した」という方もいた。

どの出店者さんも「のんびりしていてお客さんもいい方ばかりなんですよ」と一様に言うのがとても印象的だった。

未来へつなげていくために、持続可能な“頑張りすぎないマルシェ”を

それにしても、ポスターにある“頑張りすぎない”というフレーズが以前から気になっていた。

開催が近くなると掲示されるポスター。かわいらしいデザインとタイトルと、気になるキャチコピー「頑張りすぎない」とは?

「頑張りすぎるとなんか続けられなくなっちゃう気がして。頑張りすぎずに続けたいっていう気持ちのキャッチコピーです」と話すのは、池上地区商店会連合会の事務局で池上日和実行委員の藤田さんだ。なんと、「頑張りすぎない」は運営する自分たちへのメッセージだった。

「池上日和」の前身には、コロナ禍で中止となった「本門寺朝市」というイベントがあった。ファンの多いイベントだったが、準備などは運営側の負担が大きく、「頑張らないとやれなかった」と、藤田さん。池上地区商店会連合会事務局長の深川さんも「コロナ禍で中止になるってなったとき、正直うれしいと思ってしまった」と口にする。

コロナ禍が落ち着き、街の人から朝市の開催を再び望む声があがった際には、そうした訳でなかなか再開に踏み切れなかったという。商店会の中でも意見が分かれた。話し合いを重ねていく中でイベントを立て直すことを決め、第1回の開催まで1年かけて「イベントを継続すること」を前提に仕組みづくりをしたそうだ。

池上日和は、今回が10回目の開催となった。実行委員会は池上地区商店会連合会の若手メンバー。会長さんをはじめとする商店会の役員さんたちは、実行委員にこのイベントの運営をまかせて、「手伝い」に徹しているのだという。

開催10回記念のガラポンは全員が交代でお手伝い。

「スタートする時は大変だったけど、続ける仕組みを最初にしっかりつくったから、いまは負担を感じずにやれています」と、藤田さん。

キーワードは“のんびりムード”

運営側の負担を減らして運営しているという「池上日和」だが、開催ごとに出店者さんから意見を聞き、出店者さんには気持ちよく、お客さんには楽しんでもらえるようアップデートを重ねているという。

「各地のものが集まる道の駅みたいにしたいと思って。ここに立ち寄ってもらって、さらに街を回遊してもらうっていうイメージ。ここに来ればなんかおもしろいもの買えるよねっていうマルシェにしたかった」と言う藤田さん。そんな気持ちが伝わっているのか出店の希望は多く、毎回抽選での決定となっているそう。

「池上日和」というイベントの名前は、「池上っぽさを出すためにカタカナは入れずに、ひらがなか漢字にしよう」と案を出しあっていたところ、ふとした雑談の中から生まれたそうだ。

若手の運営について、先輩方はどんな風に思っているのか。池上地区商店会連合会会長の村石さんに声をかけたが、「全部任せてるからね、みんなに聞いて」と照れくさそうに笑う。

「以前の朝市とさ、流れを変えたけど、いまのはやっぱり活気があるよね」と言うのは副会長の岩田さん。「実行委員は大変だろうけど、分担できるようになったから楽になったね。うまく続けていく仕組みができたから、やっぱり若い人の考え方で正解だなと」

岩田さんに、「池上日和」のイメージを聞いてみた。「そうだね、ぷらっと立ち寄る感じ? のんびりムードが大事かなあ」という言葉が返ってきた。

カラフルなパーカーでお揃いの池上地区商店会連合会のみなさん。

商店会連合会のみなさんに話を聞いた後、あらためてお店を巡ってみた。バインミーを食べようと思っていたが、早々に売り切れてしまったようだ。残念だったけど、出店者はどうやら近所に最近オープンした店らしい。今度食べに行ってみようか。

イベントが終わっても、のんびりムードの「池上日和」は日常にもつながっている。

お客も出店者もそれぞれのスタイルで「池上日和」を楽しんでいた。

年4回の頑張りすぎないマルシェ「池上日和」

開催日:3・6・9・12月の第3日曜
開催時間:10:00〜15:00
開催場所:池上本門寺(総門内広場)
公式HP:https://ikeshoren.jp/ikegamibiyori/

取材・文・撮影=ひびのさなこ

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