介護は突然やってくる!介護の費用と制度についてFPと考えた
突然おとずれる可能性のある介護。65歳以上で介護が必要になった原因の30%以上は、脳卒中や骨折など「突発的なもの」というデータが。
家計相談歴30年のファイナンシャルプランナー(FP)、波多間 純子さんと共に介護の備えについて考えました。
【介護にかかる費用はどのくらい?】
介護が必要になったらまず頼りたいのが「公的介護保険」。
社会保険の1つで、40歳以上が自動的に加入し、保険料を負担しています。一定の介護状態認定で介護サービスを受けることができ、自己負担は介護サービスのおよそ1割です(所得により2~3割負担も)。
介護サービスを利用するには、まずは要介護認定の申請をし、要介護度を決定します。
要介護度に応じて専門家が作成するケアプランをもとに、介護サービスを利用します。
では、介護にかかる費用はどのくらいなのでしょうか。
まずは、在宅介護の場合。
介護の重さによって、1カ月に利用することができる介護サービスの上限額が決まっています。例えば、要介護5の人の場合、1割負担であれば、3万6千円程が自己負担の上限になります。上限額を超えたものは全額自己負担となりますが、自治体によっては、上限に対する補助もあるそうです。
在宅介護の場合、おむつ代なども入れて、約5万円(1カ月)が介護費用の平均と言われています。
一方、施設に入所した場合。
広島県の民間も含めた老人ホームの相場は、入居金が8万4千円程、月額12万4千円程です。
介護期間を5年間とした場合、在宅介護の場合は約300万円、施設介護の場合は約800万円かかることになり、想像以上の負担がのしかかります。
物価高騰で日々の生活が苦しい、子育て中で介護費用をなかなか貯めることができないという人も多いのではないでしょうか。
【介護制度休業給付】
また、介護にはお金だけではなく、マンパワーも必要となります。
2022年に介護・看護を理由に離職した人は約10万6千人もいます。
「介護離職」をしてしまうと、介護をする人自身の生活が成り立たなくなる可能性があります。そこで知っておいていただきたいのが「介護制度休業給付」。
介護休業と、雇用保険から給付金を受け取ることができる介護休業給付金の二本立てです。
「介護は1人で抱えない」
行政のサービスや、困ったときに頼ることができる窓口もあるので、1人で抱えないでほしいと波多間さんは話します。
いざという時に慌てないよう、まずは住んでいる自治体の制度を調べたり、家族と介護について話をしてみてはいかがでしょうか。
広島ホームテレビ『ピタニュー』(2024年6月11日放送)
ライター:神原知里