「お下がり」を巡るパパママの本音を徹底調査 あなたは「顔見知りがイイ派」?「イヤ派」?
子育て中のパパママに「お下がり」への意識調査を実施。ベビー服、子ども服、ベビーカーや哺乳瓶、チャイルドシート、制服などのお下がりをもらってモヤモヤしたことや嬉しかったことなど、パパママの本音を紹介。
【▶画像】無資格アラフォーママが「スキマバイト」に挑戦してみてわかったこと「育児用品のお下がり」をもらったことのあるパパママは多いのではないでしょうか。
近年SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」が浸透してきたこともあり、リサイクルやリユースに注目が集まっています。個人間取引アプリの台頭により、気軽にリサイクル品を売買できるようになったのも意識の変化の理由のひとつです。
環境省の調査によると、ベビー・子ども用品の市場規模は推計で約181億円。ほかの品目のリユースと比べて、知り合いに譲る「お下がり」が多いのが特徴とされています。今回のコクリコラボはそんな育児用品のお下がりの実態に迫ります。
アンケート概況:コクリコラボアンケート「AnyMaMa(エニママ)」登録者およびコクリコメルマガ会員を対象に 2025年6月2日~13日インターネット上で実施。有効回答数は137件。
お下がりをもらった経験のあるパパママは95.6%
コクリコラボアンケート
子育て中のパパママに、育児用品や子ども服のお下がりをもらった経験があるか聞いたところ、95.6%が「はい」と回答しました。ほとんどの方が、お下がりをもらった経験があることがわかります。
もらったお下がり品について聞いたところ、ベビー服や子ども服、レイングッズ、靴類などの衣類がもっとも多く、おもちゃや絵本、チャイルドシートやベビーカー、抱っこ紐、おむつなどが挙げられました。
「顔見知りがイイ派」「イヤ派」に二分
「育児用品や子ども服のリサイクルやリユースに関してどう考えていますか?」という設問には好意的な意見が多く寄せられました。
乳幼児の衣類は着る期間が短いので、状態のよいものをリユースすることに抵抗はないです。どんどん活用したいと思います。特に学童品。学校によっては算数セットなども学校内で使い回すところもあるらしく、羨ましいです。
季節のもののスノーウェアはメルカリで安く購入できて嬉しいです。ワンシーズンに1回しか使わないで、大きくなってしまうので助かります。また安くメルカリに出そうと思います。
衣類は下着や衛生用品以外なら可、きれいな状態のものは歓迎、などの意見が多かったです。また使用期間の限られる学用品や季節品はお下がりを活用するママが多数。SDGsやサステナビリティを理由に挙げている人もたくさんいました。
また、お下がりはもらうほうも、あげるほうも、顔見知りがイイ派と顔見知りはイヤ派に二分。価値観の違いが顕著に出る結果となりました。
知っている人からのお下がりや、リサイクルショップで購入するのは気にならないが、メルカリなどでネットで個人相手に購入するのは相手がどんな人かわからないから購入しない。よほどの関係性がない限り、直接お下がりするよりもフリマアプリやセカンドハンドショップに売ったほうが後腐れがなくていい気がする
お下がりをもらってモヤモヤ
物の状態に対する判断、衛生観念、前の使用者の顔が見えるのがよいかどうかなど、お下がり品はあげる側ともらう側の価値観が違うと、モヤモヤが発生しやすくなります。パパママが感じたモヤモヤをご紹介します。
自分では買えないブランドの子ども服をいただいたことは嬉しかったです。ただ、母が同僚からおさがりの子ども服を大量にもらってきたのですが、ヨレヨレでシミと毛玉だらけで、ほぼゴミだったので処分に困りました。
もらって嬉しいお下がりがある一方、ゴミ同然の衣服をお下がりをもらってモヤモヤしたという声がもっとも多く寄せられました。
使いづらく、自分の好みではない服だったことがあった。
このように趣味の合わないお下がりをもらったという声や「綿のものを着せたかったので、化繊のものは困った」など、素材に触れた意見もありました。
上の子がいるママ友から大量のお下がりをもらったのですが、服のほとんどにシミや毛玉が……。しかも渡されたときに「気にしないよね? 育児中って何でも助かるよね!」と、やんわり断る隙もなくてモヤモヤ。「ありがたい」と思いたいのに、内心「これは雑巾行きでは……」と感じてしまう自分にも罪悪感。
断れなかった自分への後悔、価値観の違うママ友に対して思わず出てきてしまった自分のブラックな一面に気づいた瞬間……どちらも深く共感できます。
柔軟剤の匂いがキツかったです……。申し訳ないと思いながら処分しました。
最近は「香害」という言葉もあり、柔軟剤の香りには賛否がありますよね。
返却すべき? 問題。お下がりをくれた人の妹が出産したので、一応返しました……。汚してしまったのもあったので、どうしようか悩んだのですが、こちらで捨てるのもなんだか申し訳ないし、どうしよう……みたいなモヤモヤがありました。
大型の育児用品は返却すべきか、こちらで処分していいものか、悩みます。さらに「もらったものをメルカリで売ってもよいのか」という悩みもありました。そして実際に本人から返却を要求されたママも。
甚平をもらったが、後日「思い入れがあるものなので使い終わったら返してほしい」と言われた。抱っこ紐をくれた別の友人も、「ほかに使いたそうな人がいるから返してほしい」と1年以上あとに言われて戸惑った(すでに手放したあとだった)。
1年以上経過して返却を要求するのは、さすがにあげる側のマナー違反なのでは、と思ってしまいました。
モヤモヤしたものは、夫の母が送ってくれた、夫が子どものときに読んでいた本やおもちゃです。自宅で保管していたため、絵本は湿っぽいにおいがして天日干ししてから使わせました。しかし子どもは絵本が気に入ったようで、複雑な心境。またおもちゃも汚れや傷みが激しく、捨てたものが多いです。
夫の母にとっては思い入れもあり、孫に使わせたかったのでしょうが、おそらく20年以上経過した育児グッズだと使えないものも多くありそうです。
嬉しかった!という声も
写真:graphica/イメージマート
前章ではモヤモヤばかりを集めましたが、嬉しかった! という声も多くありました。
1回しか使わないようなお食い初め用の和服ロンパースなど、行事に合わせた洋服をもらえて嬉しかったです!
入学式のお洋服セットや浴衣、季節のものをきれいなままでいただけると嬉しかった!! お母さんとの好みも近しく、デザインも好みだったので大切に着用させていただきました!!
このように育児のセレモニー系で使うグッズが嬉しかったという声がありました。入学式の洋服のお下がりについては以下の記事でも取り上げられています。
プール用オムツは水が苦手な子だったので、プールに連れていきたい気持ちはありつつ、買えていなかった。そんなときもらえて、プールチャレンジする決心がついた。
無駄になってしまうかも……と購入に踏み切れないものをいただけるのはありがたいですよね。
おもちゃは、意外に自分が選ばないものをもらえたので、子どもが気に入ったのでよかった。
食いつくかわからないおもちゃは、パパママが購入するにはハードルが高いもの。お下がりだと意外な好みが発見できることもあります。
パパが幼いころ、3兄弟で遊んでいたレゴを、数十年大事にとっておいてくれた義母さん。ちょうど我が子も男兄弟なので、とてつもなく重宝しています!
モヤモヤで取り上げた義母からのお下がりですが、喜びの声もあります。
友人から、ベビーベッド、赤ちゃんのお布団、哺乳瓶と哺乳瓶をチンして除菌するセットやゲート、お洋服など一式を貰いました。一式そろえるとお金もたくさんかかるのでとっても助かりました。新生児用の抱っこ紐は限られた期間しか使わないので本当にありがたかったです。
新生児期や限られた赤ちゃん期にしか使わないグッズは、特に嬉しいという声が多かったです。「抱っこ紐は何種類もあると場面で使い分けできて助かる」という声もありました。
(前略)引っ越しで転園した際に会社の同僚のお子さんの幼稚園グッズをすべてお下がりでくれて非常に助かった。
転勤族だと制服を使う期間が短くもったいないという問題。お下がりで一式もらえるのは本当に助かりますよね。
SDGsは大歓迎だけどモヤモヤも… お下がり実態
子育て中のほとんどのパパママにお下がりの経験があり、もはや育児用品のリユースは当たり前だという実態がわかりました。そしてお下がり品の状態や衛生観念などの価値観の違いから、モヤモヤが多数生まれている実態も見えてきました。
一方でお下がりが嬉しい場面は必需品以外のイベント関連グッズ、短期間しか使わないものなどであることもわかりました。みなさんは育児グッズでどのようなお下がりをいただいたことがありますか?
※基本的にアンケート回答の原文をそのまま記載しています。ただし文字数の都合上、一部抜粋や主旨を損なわない範囲の要約・編集を行っている箇所があります。(明らかな誤字等は修正のうえ記載)
コクリコとAnyMaMa LIFESTYLE.Labが協働で、子育て課題解決×読書文化を目指すプロジェクト「コクリコラボ」。
ママの社会復帰を支援するサービス「AnyMaMa(エニママ)」で活躍するママたちのリアルな声を集めながら、新たなサービスや取り組み、ライフスタイルのアイデアを生み出していきます。