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東京二期会、2022-2023シーズン オペラ・ラインアップを発表 創立70周年記念公演シリーズを締めくくる、継承と進化へ

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2019年『天国と地獄』公演 

東京二期会は、2022年9月から2023年7月に開催予定となる2022-2023 シーズンのオペラ・ラインアップを公開した。

二期会は、2022年に創立70周年を迎える。それにちなんで、記念の年を中心に2021年から2023年にかけての3か年のオペラ公演を《二期会創立70周年記念公演シリーズ》と銘打ち、二期会のみならず日本のオペラ文化の継承と進化となるような公演活動を行っている。

■2022年9月 ≪東京二期会オペラ劇場≫
オペラ『蝶々夫人』
【全3幕 日本語字幕付き原語(イタリア語)上演】

2014年『蝶々夫人』公演   撮影:三枝近志

2014年『蝶々夫人』公演   撮影:三枝近志

シーズンのオープニングは、長年にわたり日本のオペラ界に功績を残してきた栗山昌良演出の『蝶々夫人』。栗山が二期会で最初に『蝶々夫人』を手掛けたのは1957年。そして、栗山『蝶々』の決定版として新制作された本プロダクションは2003年に二期会初演され、以来5回の再演を重ねてきた。装置、衣裳のみならず歌手の細やかな仕種にも宿る「日本の美」を追求している。

栗山昌良

指揮はアンドレア・バッティストーニ。2012年ヴェルディ『ナブッコ』で鮮烈な二期会および日本デビューを飾って以来、『リゴレット』『イル・トロヴァトーレ』『蝶々夫人』そして、今年8月のヴェルディ「レクイエム」と二期会公演に登場を重ねてきた。その間、東京フィルハーモニー交響楽団首席指揮者にも就任し、この度、日本デビュー10周年を迎える。

指揮:アンドレア・バッティストーニ メッセージ

アンドレア・バッティストーニ

私を最初に日本に招聘してくださった東京二期会にはいつも感謝をしています。2012年以来、日本の多くの才能豊かなアーティストや音楽家と協働する可能性を私に開いてくださいました。私たちの関係は、とても深い芸術的な絆へと発展しています。 日本デビューとなった『ナブッコ』、2018年の『アイーダ』でのツアー、高田賢三氏が手掛けた豪華な衣裳による『蝶々夫人』、パンデミックで困難な時期でのヴェルディ「レクイエム」など、ご一緒した多くのオペラ公演、 演奏会が、 私の記憶の中で大切な宝物となっています。
東京二期会にとって成功に満ちた新シーズンとなることを願っています。そして、二期会の歌手、合唱団、そして献身的なスタッフの方と協働し、力の限り最高にスリリングでワクワクするオペラを聴衆の皆様にお届けすることを楽しみにしています。
心からの感謝をこめて

バッティストーニは、2022年4月に〈東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ〉『エドガール』を、加えて『蝶々夫人』の直前である8月にも九州交響楽団にて『外套』を指揮する。イタリアオペラの真髄を聴かせるマエストロが日本で集中して取り組むプッチーニ作品の公演に期待しよう。

■2022年11月 ≪東京二期会オペラ劇場≫ NISSAY OPERA 2022提携
オペレッタ『天国と地獄』
【全2幕 日本語訳詞上演(歌唱部分のみ日本語字幕付き)】

2019年『天国と地獄』公演   撮影:三枝近志

2019年に好評を博したフレンチオペレッタのプロダクション。演出は2004、2010、2016年に読売演劇賞最優秀演出家賞を受賞し日本の演劇界の第一線で活躍を続ける鵜山仁。これまでにも東京二期会で『ラ・ボエーム』『ナクソス島のアリアドネ』の演出を手掛けてきた。『天国と地獄』では、とりわけフランス文学に造詣が深い鵜山が自ら日本語台本を書き下ろしている。

鵜山 仁

原田慶太楼

指揮は原田慶太楼。本公演が二期会デビューとなる。2014年『チャールダーシュの女王』三ツ橋敬子、2020年『メリー・ウィドー』沖澤のどか、2021年『こうもり』川瀬賢太郎と、これまでにも日生劇場での東京二期会のオペレッタ公演で、日本の若手指揮者が登場してきた。原田は、2020年アメリカジョージア州サヴァンナ・フィルハーモニックの音楽&芸術監督、2021年4月東京交響楽団の正指揮者に就任 NHK交響楽団との共演を果たすなど今もっとも勢いに乗るフレッシュな才能の一人。心躍るフレンチ・オペレッタの音楽をいかに奏でるか期待したい。

■2023年2月 ≪東京二期会オペラ劇場≫
ジュネーヴ大劇場とマンチェスター国際芸術祭との共同制作
オペラ『トゥーランドット』 《新制作》
【全3幕 日本語字幕付き原語(イタリア語)上演】

ジュネーヴ大劇場とマンチェスター国際芸術祭との共同制作で、3都市を股にかける当シーズン最大のプロダクション。
2022年6月ジュネーヴでワールドプレミエが開かれ、翌年2月に東京二期会公演を迎える。演出はイングリッシュ・ナショナル・オペラの元支配人ダニエル・クレーマーで、今回が日本初演出となる。

ダニエル・クレーマー

当公演の注目のひとつが、国際的に大きな評価を受けているアート集団チームラボとの協働。これまでのオペラでは見られなかった最先端のビジュアル・テクノロジーを駆使し、チームラボの真骨頂である没入型の劇場体験で観客を魅了することと大きな期待がジュネーヴでも寄せられている。

ディエゴ・マテウス

指揮には、1984年ベネズエラ出身ディエゴ・マテウスが東京二期会初登場。欧州では、近年、アレーナ・ディ・ヴェローナ『アイーダ』、ベルリン州立歌劇場『リゴレット』『セビリャの理髪師』、フェニーチェ劇場『ブリッジ遊び』『青ひげ公の城』のダブルビルなど引く手数多の活躍する新時代のマエストロ。日本でも、小澤征爾からの厚い信頼を得てサイトウ・キネンに登場。その他、NHK交響楽団、読売日本交響楽団で指揮し、高い評価を受けている。

チームラボ代表 猪子寿之 メッセージ

ヨーロッパのジュネーヴで封切りとなるこの素晴らしいオペラのセノグラフィーを手掛けることを非常に光栄に思っています。舞台美術の概念を超越し、光の彫刻空間によってオペラ空間を創り出します。キャストは光の彫刻空間に没入し、一体となり、舞台と観客が境界なく連続する空間を生み出すことを試みます。2017年頃にお話を頂き、プランニングと制作をしてきたものです、是非、楽しみにしていてください。

■2023年4月 ≪東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ≫
オペラ『平和の日』 <日本初演/セミ・ステージ形式上演>
【全1幕 日本語字幕付き原語(ドイツ語)上演】

映像と照明を駆使したセミ・ステージ形式で、楽曲そのものの魅力が堪能できると評価を得ている《東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ》。『ノルマ』『エロディアード』『サムソンとデリラ』『エドガール』に続くシリーズ5作目となる今回は、R.シュトラウスの『平和の日』の日本初演。
全1幕ながら大編成のオーケストラによりR.シュトラウス後期の音楽が凝縮された隠れた名作を指揮するのは、シュトラウスを得意とする世界的名匠、準・メルクル。『イドメネオ』『ダナエの愛』『ローエングリン』に続いて東京二期会に4年ぶり4度目の登場を果たす。

準・メルクル  (C)CH Fotodesign Christiane Hohne 

2021年 東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ 『サムソンとデリラ』公演

■2023年7月 ≪東京二期会オペラ劇場≫
オペラ『椿姫』
【全3幕 日本語字幕付き原語(イタリア語)上演】

2020年『椿姫』公演   撮影:三枝近志

2020年『椿姫』公演   撮影:三枝近志

2020年2月、宝塚歌劇団気鋭の演出家、原田諒を迎え、東京二期会は20年ぶりに新制作による『椿姫』を上演した。大人気オペラを王道とも言える絢爛豪華な演出で魅せた舞台は大好評を博し、今回早くも再演が決定。菊田一夫演劇賞、読売演劇大賞優秀演出家賞、さらには文化庁芸術祭賞優秀賞・新人賞等数々の演劇賞を受賞してきた原田が、名作をさらに魅力ある舞台としておくる。指揮には、 マンハイム国民劇場音楽総監督アレクサンダー・ソディ―。すでにバイエルン州立歌劇場、ベルリン州立歌劇場、ウィーン国立歌劇場でも活躍し、「カルロス・クライバーの再来」と評される才能が、東京二期会公演で満を持して日本デビューを果たす。

原田 諒

アレクサンダー・ソディー

今回発表したシーズンではプッチーニ『蝶々夫人』『トゥーランドット』、ヴェルディ『椿姫』、オッフェンバック『天国と地獄』といった、オペラ、オペレッタの人気ランキングで常に上位に入る名作が続々と登場。二期会は、これからオペラを鑑賞されようとするエントリー層の方にも触れていただきたい作品で、名作の魅力をより多くの人にお伝えし、ひとりでも多くの方が、豊饒なオペラ文化に触れて、人生を豊かなものにしていただけることを願っています、とのこと。

《二期会創立70周年記念公演シリーズ》を締めくくる、オペラ文化の継承と進化へ。 新シーズンの東京二期会に期待しよう。

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