松月製菓
夏も近づく八十八夜を迎えて、新茶のお供に美味しい和菓子が恋しくなる季節です。そこで、横須賀きっての老舗和菓子屋さんにお邪魔して参りました!
今日の競馬
あのヴェルニーもお得意様だった?
京急横須賀中央駅から徒歩3~4分。和菓子店『松月製菓』は、米が浜通りの中程に位置しています。
創業は明治後期。
「もっとも、とある資料によるとさらに遡れるようです」とは四代目店主・古川宏明さん。
「知人から明治維新直後の横須賀にまつわる資料ををいただきまして、ほら、ここにキミの店が載っているぞと」。
店内に展示されているその資料を拝見。1877年(明治10年)のもので、現・大滝町に当時あった遊郭の町内地図です。
「松月堂とあるのがうちかと」。
明治10年と言えば、およそ150年前…… 横須賀製鉄所ができた直後であり、フランス人技師ヴェルニーさんも横須賀在住の時代です。
「ただ、ハッキリした確証がないので、祖父を初代とし、私が四代目。創業も明治後半としています」。
なので、明治後期創業説で話を進めます。
松月の二代目を継いだのはお父様。実はかなりのやり手で、市内に支店を8店舗まで増やし、レストランも出店、さらにケーキなどの洋菓子まで扱うようになります。
「挙げ句は小豆相場に手をだして、すさまじい借金を残して私が中学1年生の時に亡くなりました」。
間違いなく松月の大ピンチ。
「そこで立ち上がったのが三代目となった母、昭代(てるよ)です。総勢50名以上の職人、店員を抱えながら孤軍奮闘し、さらに私を含め4人の子供を大学まで出してくれました」。
息子さん曰く、相当な名物店主(?)だったとか。確かにお写真からも凛とした様子が伺えますし、「当時の市長にも一目置かれていました」。
さて、当代古川さん。そうしたお母様の背中を見ながら、大学を卒業、一年半、他店で修行を積み、跡取りとして、実家に戻られますが..... そこからのお話は、また、のちほど。まずは松月のお馴染みお菓子を紹介します。
今やご当地横須賀のレジェンド級銘菓たち
『伯理くろふね饅頭』
松月の代名詞とも言える名物中の名物お菓子。伯理とはあの“ペリー”の漢字表記です。
あんこをこんがりときつね色に焼き上げたカステラ生地で包んでいます。1894年(昭和27年)に制定された神奈川県指定銘菓の映えある第1号品でもあります。
“パリにエッフェル塔があるように横須賀にはくろふね饅頭がございます”。昭和の時代、横須賀市街に流れていた有線放送でお馴染みの、このコピー、三代目!お母様の作です。3個¥840(税込)より。
『媛最中」
古事記にも記されている弟橋姫命(おとたちばなひめのみこと)伝説にちなんだ最中。求肥(ぎゅうひ)入りです。弟橘姫命を祀る走水神社は市内、観音崎近くにある名所です。¥270(税込)
『三笠サブレー』
記念艦三笠をイメージしたサブレー。フレッシュバターたっぷりで、コーヒー、紅茶にもピッタリです。¥130(税込)
和菓子の美味しさを求めての大改革!
再び古川さんのお話です。
外修行から実家の店に戻った古川さんですが、ご両親が積み上げて来た実績、歴史を踏襲しつつ、自身が描く理想的な和菓子店を模索し、邁進されて来ました。
「一番の改革は、数多あった支店を全部整理しました。デパートへの出店もやめたんですよ」。
和菓子に対する時代の流れもありましたが、真の目的は「小規模の製造、販売だからこそ可能となる美味しさをお届けしたいからでした」。
実は松月の菓子類、店舗の壁ひとつ挟んだ裏手の作業所で、ひとつひとつ丹精込めて作られています(写真は息子さんの大地さん)。
「売れ具合を見ながら、少しずつ作って、小出しに店に並べる。あらかじめ決まった個数を工場で作り、店舗に運び並べるのとは、鮮度、美味しさ、明らかに違うと自負しています」。
もちろん、各種、材料は古川さんのメガネに適った厳選もののみ。もう少し詳しくと伺うと、「ちょっと企業秘密が多いんですよ」とニッコリされました。
茶会でも定評ある逸品の美しき上生菓子
古川さんの和菓子愛を持って、日々、作られている松月の商品ですが、その真骨頂とも言える品が上生菓子です。
上生菓子とは、折々の四季の美しさをあんや餅などで表現したもの。茶道のお点前にはなくてはならない和菓子です。
ここでは『練り切り』¥390(税込)の3種類を紹介します。当然ながら、こちらもすべて手作り。正直、食べてしまうのを一瞬、躊躇ってしまうほどの美しさです。各名称も味のうちですね。
「使っているあんこですが、品によって変えています」。ああ、こしあん、つぶあん、とかですね?と筆者。
「いえいえ、うちはこしあんだけでも数種類ありまして、使い分けているんです」。
思わず、恐れ入りましたの筆者でした。季節に合わせて、ちょっとした遊び心を入れられるのも練り切りの楽しさとか。
「クリスマスをイメージしたり、バラを模したりの品も過去、出しました」。
なお、取材は4月下旬。お読みになった時点で、すでに別の練り切りに変わっているかもしれません。ご了承ください。
季節の移り変わりを和菓子で知る
上生菓子だけではなく、菓子全般でも季節感を大切にしている松月。
「例えば草餅。お前んとこは、美味いんだから一年中、売りなよとのお声もあるんですが、その時期にしかうちではお出ししません」。
最近は八百屋の店先でも季節関係なくいろいろな野菜が並んでいますが、「せめて和菓子ぐらいはしっかりと四季の旬を発信していきたいですね」。
そうなると今の時期なら、やはり、柏餅! 当たり前の如く、ありました!
左から味噌あん、つぶあん、こしあんの全3種類・各¥290(税込)。“兜”を形取っている餅が松月流です!
「味噌は高級白味噌を使っています。私個人ではこれが一番好きですね」。
ちなみにイチゴ入りも少し前に販売されていたとか。小ぶりで、酸味が少しあるイチゴが出回った時期だけの、超期間限定商品でした。
松月の人気ナンバーワン商品も伺いました。
神々しさすら感じる“お姿”の『わらびこ餅』¥240(税込)です。
「黒須という質の良いきなこを深煎りして使用しています。香ばしく深みのある味わいと評判をいただいています」。
あるテレビ番組で徳光和夫さんが来店し、大絶賛されたとか。筆者も同感、徳光さんに1票です。
五代目息子さんに伝えたいこと
前出のご子息大地さんが松月の五代目となりますが、「すでに仕事をしっかりとこなしているので、特に注文はありません」と四代目古川さん。
「ただ課題として、今後、遠方の松月ファンの方にも、日持ちが難しい生菓子などを楽しんでいただけるような製法や流通などを考えてもらえればと思います」。
最後にお店で奥様の奈保美さんとツーシット。
「さんちゃん商売だからこそ、より美味しい和菓子をお楽しみいただけるんだをモットーに、今後も若い人たちにも和菓子の素晴らしさを伝えていきたいですね」。
約1時間半ほどのインタビュー。熱く和菓子への想いを語っておられる古川さんを筆者はこうお呼びしたくなりました。和菓子のコンシェルジェ、もとい、和菓子の伝道師と。
「和菓子に関することなら何でもご相談ください。『赤飯』や1歳の祝い事に用いられる『御誕生餅』などもお受けしておりますので、お気軽にご相談ください」。
最寄り駅
横須賀中央駅, 京急本線
住所
神奈川県横須賀市米が浜通1-8
駅徒歩
京急線横須賀中央駅より徒歩4分
営業日
月曜日, 火曜日, 水曜日, 木曜日, 金曜日, 土曜日
営業時間
10:00~18:00
定休日
日曜日
予約
電話番号
046-822-0326
受付開始
登録なし
受付終了
登録なし
予算(下限)
500
予算(上限)
3000
支払い方法
現金
席の種類
個室
貸切
貸切不可
喫煙可否
駐車場
無し
設備・サービス
コース内容
ドリンクメニュー
利用シーン
アクセス
サービス
お子様連れ
可能