今週のヘラブナ推薦釣り場2024【千葉県・戸面原ダム】
房総三湖のなかでもっとも若いのが千葉県富津市にある戸面原ダムだ。兄貴分の三島湖・豊英湖と比べてヘラ釣り場としての歴史は浅いが、釣果的には負けず劣らずの釣りが楽しめる。レンタルボート店は一つのみで、夫婦で切り盛りする戸面原ダムボートセンター。常にボートは清潔で管理が行き届いている。「行ってらっしゃーい」とオーナーのかけ声でこぎ出せば、その先に待っているのは湖上の楽園だ。
戸面原ダムの概況
湊川上流にあるかんがい用ダムで、完成は1978年。ヘラブナ釣り場としての歴史は20年以上を有し、年間を通して多くのファンが訪れる。フィッシングスタイルはレンタルボートまたはボート桟橋のみで陸っぱりは禁止。また2017年からはバスフィッシング用ボートのレンタルも始まり、とくに近年はヘラファンを大幅にしのぐ来場者数を誇る。
9月6日現在、水位は満水の笹濁り。風下エリアには流木やアオヤロウ(浮き草)が浮遊停滞している箇所がある。釣況は安定しており、とくに連日エサ打ちされている人気ポイントであればアタリ出しも早いだろう。
ポイント
戸面原ダムのポイントを解説しよう。
舟釣り
杉林下、本湖立木、向田、中島岬、道路下などが人気で、とくに杉林は桟橋から至近で舟着けもしやすいことから、連日エサ打ちがされている。また杉林の正面にある馬の背も人気で、例会などではボート競争必死のポイントだろう。
底釣りファンなら、中島岬や道路下などの上郷橋上流エリアが面白い。本湖に比べて型はやや小さいものの、数がそろうので、例会などでは人気のエリア。
数釣りよりも良型主体で楽しみたいなら、本湖エリアが狙いめ。落合、川又、本湖立木、ブイ横など水深があるエリアの宙を狙えば、びっくりするほどの大型が交じることもある。
桟橋
ボートが苦手の人には桟橋釣りはどうだろうか。ボートが係留されている終端(三角コーン)の先が桟橋釣り専用エリアとなっており、本湖向きまたは岸向きの両方を狙える。桟橋直下の水深は満水で約15m前後と深く、底釣りは不可。宙釣りオンリーとなるが、桟橋下の居着きベラを狙うので短竿でも十分楽しめる。
なお、風向きによっては浮遊ゴミ(流木その他)が溜まり釣りにならない時もある。とくに岸向きは可能性大なので、浮きゴミの量や当日の風向きなどを考慮して、ダメそうなら本湖向きに入るのが無難だろう。
釣り方とエサ
宙釣り、底釣りを問わずエサは両ダンゴ。グルテンセットが効きだすのはもうしばらく先の話だろう。
広大なダム湖ゆえ居着きベラがいないエリアでは寄せに多少の時間を要するが、それでも1時間が目安。この時間をもってもアタリが出ないなら移動したほうが無難。ただし、底釣りの場合はもう少し粘る価値はある。寄せに時間を要しても、いったん寄ってしまえばその後は長続きするのが底釣りの特徴だ。
直近の水色は笹濁りで、場所によっては少し濁りがきつい。こうなるとタナは上がり気味と思えてしまうが、この時期は日ごとに水温が低下するので濁り=浅ダナと決めつけるのは危険。よってスタート時のタナは深めから探り、ウキの動きを見つつ必要なら浅くするのがセオリーだ。
桟橋釣りの場合は話が別。水温などに関係なく魚は桟橋直下に居着いているので、竿は短ければ短いほどいい。ただし短かすぎると釣趣に欠けるので、竿8~10尺くらいのチョウチンで始めてみてはいかがだろうか。
なお、同湖のレギュラーサイズは尺前後だが、引きが強いので管理釣り場仕様のラインセッティングではハリスを切られてしまう。中~長竿であれば0.5号前後のハリスでも止まるが、10尺以下を使うなら最低でも0.6号くらいのほうが安心だ。
<週刊へらニュース伊藤さとし/TSURINEWS編>
この記事は『週刊へらニュース』2024年9月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。