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バンクシー作品を壁ごと撤去し、私的に売却したビル所有者に地元民は激怒「自分勝手すぎる!」(英)

Techinsight

バンクシーの新作と描かれていた壁の跡(画像は『Metro 2022年1月16日付「Landlord sells Banksy mural ‘for £2,000,000’ after ripping it off wall」(Picture: SWNS)』のスクリーンショット)

昨年8月、英サフォーク州ローストフトにある古い電気店の壁に覆面アーティスト「バンクシー」の新作「Crowbar Girl」が登場した。地元民は歓喜に沸いたが同年11月、ビルの所有者はこの壁画を売却するために壁ごと撤去してしまった。そして今年1月中旬に同作品が個人バイヤーへと非公開価格で売却されたことが発覚し、地元民は怒りを露わにしている。『The Mirror』『Metro』などが伝えた。

イギリスを拠点に活動する覆面アーティストのバンクシー。彼の作品は独特なステンシル技法が特徴的で、ストリート作品は世界中の壁や橋などに突如現れては人々を驚かせている。

砂の城の横にバールを持つ子供が描かれたグラフィティアートが昨年8月上旬にサフォーク州ローストフトの電気店の壁で発見されると、作風から「バンクシーの作品ではないか?」とたちまち人々の話題になった。

バンクシーは8月14日、キャンプカーでサフォーク州とノルフォーク州の各所を巡り、新作「A Great British Spraycation」のシリーズ9作品を作り上げていく様子を公式インスタグラムに公開していた。

この投稿により「Crowbar Girl」が彼の新作の一つであることが判明すると、30万ポンド(約4700万円)で売りに出されていた壁画を含む建物は、すぐさま50万ポンド(約7800万円)に値上げされたという。

この壁画はイースト・サフォーク評議会(East Suffolk Council)によって透明なアクリル板で保護され、新たな街の観光名所になることが期待された。しかし11月14日、ビルを所有するゲイリー・シュワルツさん(Gary Schwartz)と妻のナディーンさん(Nadine)は壁画を壁ごとくりぬくと、競売のために撤去してしまったのだ。

この夫妻の行動に、地元民からは「自己中すぎる」「強欲なやつらだ」などの非難の声が続出し、副町長のナシマ・ベグムさん(Nasima Begum)も以下のように苦言を呈した。

「彼らに与えられたものではないのに、そこから利益を得ようとしている。恥ずべきことです。」
「バンクシーは、誰かがそれで利益を得ることを期待して、壁画をそこに残したのではないと確信しています。」
「本当に残念です。バンクシーのアートは話題を呼び、多くの観光客を惹きつけていました。」

当初、壁ごとくりぬかれた「Crowbar Girl」は米カリフォルニア州のオークションハウス「ジュリアンズ・オークション(Julien’s Auctions)」に渡ったものと噂されていた。ところが今年1月に入って、同オークションの最高責任者ダレン・ジュリアンさん(Darren Julien)が同作品は非公開価格で個人バイヤーへと売却されたことを認めたのだ。

バンクシー作品を複数所有している美術商のジョン・ブランドラーさん(John Brandler)は、同作品が個人バイヤーの手に渡った経緯をこのように推測した。

「この壁画はオークションで150万ポンド~200万ポンド(約2億3400万円~3億1200万円)で売れる可能性があります。」
「ジュリアンズ・オークションの20万ドル~40万ドル(約2300万円~4580万円)という低い価格が売り手を遠ざけたのでしょう。」
「このあまりに低い見積もり価格に、シュワルツ夫妻が期待した価値と一致しなかったのでしょうね。」
「壁画は米国に渡っていませんでした。まだ英国の倉庫にあるのです。」

この報道を受け、ローストフトの人々からは再度このような怒りの声があがっている。

「本当になんて自分のことしか考えないやつらなんだ。」
「バンクシーの作品を壁から取り除いたことは愚かだし、それを売却するなんて失礼。」
「貪欲さ、理解のなさ、そして敬う心のなさ。」
「誰が描いたかによって、描かれた作品を撤去するなんて。正直、冗談じゃないよ。悪い前例になってしまった。」

画像は『Metro 2022年1月16日付「Landlord sells Banksy mural ‘for £2000000’ after ripping it off wall」(Picture: SWNS)』『BBC 2021年11月16日付「Banksy: Lowestoft artwork to be auctioned in US」(ANDREW TURNER/BBC)』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 YUKKE)

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