「報告書を拝見してくださいましたか?」は間違い!正しい伝え方とは?【頭がいい人の敬語の使い方】
「報告書を拝見してくださいましたか?」 の勘違い
ビジネスシーンには上司の指示を仰ぐことがよくあります。しかし、何人もの部下 を抱えている上司からはすぐに指示がもらえないこともあるでしょう。そんなときは、催促も必要になります。
報告書を提出して次の指示を待っているのに、上司からは返答がない。
すでに見てもらっているのか、まだなのか、確かめようとする場合、どんな言い方をしますか?
「部長、報告書を拝見してくださいましたか?」
これではダメ。上司に向かって「拝見する」は禁止用語です。「見る」の謙譲語である「拝見する」は、相手に対して自分がへりくだっていることを示す場合に使う言 葉です。上司に「拝見させる」など失礼もいいところ。
「報告書をご覧いただけましたか?(ご覧いただけましたでしょうか?)」
がこの状況にふさわしい言い方です。
「見る」の丁寧な言い方には、「ご覧になる」の他に「お目通しになる」もありますから、
「報告書をお目通しいただけましたか?(お目通しいただけましたでしょうか?)」
という言い方も万全な敬語です。
間違えやすいのはこんな表現です。
「報告書をご覧になられていただけましたか?」
「ご覧になる」の「なる」を「なられる」と丁寧にしたわけですが、「ご覧になる」がすでに丁寧な言い方ですから、これは二重敬語になってしまいます。
「ご覧になっていただけましたか?」であればOKです。
敬語はTPOによる使い分けも大切。相手との関係性を正しく踏まえ、それにあわせた言い方をしよう。
【出典】『頭がいい人の敬語の使い方』著:本郷陽二