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夏に備える体づくり 今こそ「暑熱順化」を!

TBSラジオ

ゴールデンウィークは汗ばむ暑さの日もありましたね。本格的な夏に向けて気温がグングン上がっていきますが、そんな今こそ知っておきたいのが「暑熱順化」という言葉。

暑熱順化とは?

暑熱順化とは、暑さに体を慣らしていくことをいいます。この“慣らす”というプロセスがあるかないかで真夏を快適に、そして安全に過ごせるかが大きく変わってくるんです。日本気象協会 「熱中症ゼロへ」プロジェクトリーダーの泉澤里帆さんに伺いました。

日本気象協会 「熱中症ゼロへ」プロジェクトリーダーの泉澤里帆さん


暑熱順化とは、平たく申し上げますと、体が暑さになれることを言います。暑熱順化ができておりませんと、体の熱をうまく外に逃がすことができずに熱中症になる危険性が高まると言われています。お風呂にしっかり浸かることでも効果的と言われておりますので、特に在宅ワークですとか、室内にいる時間が長い方、そういった方はストレッチですとか屋内でできる運動や、少しずつ汗をかく運動、ジョギングやサイクリングといったところももちろんですし、買い物だったりとか、通勤通学の間も一駅歩いてみたりですとか、というところで今の時期は進めていただくのがよろしいかなと思います。毎年意識調査を定例的に行っているんですけれども、熱中症を知っている方は92%に対して、暑熱順化という言葉を知っている方は42%というところでかなり半数近くに落ちてしまいますので、一般の方々の生活にしっかり根差して知識としてお伝えできることを対策として考えております。

暑熱順化という言葉の認知度はまだ低いようですね。暑さに体を慣らすのは、実際に気温が上がって熱中症の危険が高まる前の、ちょうど今の時期がいいんだそうです!具体的には、ウォーキングなら30分、ジョギングなら15分を、週に5日程度。サイクリングなら30分を週に3回程度。運動する時間がなかなか取れない方でも大丈夫ですよ!お風呂でしっかり湯舟に浸かったり、今流行のサウナなんかでも暑熱順化の効果があるそうです!

暑熱順化、やってますか?

暑くなってからの熱中症対策は、気をつけている方も多いと思いますが、その前に体を慣らす「暑熱順化」はどうなのか?街のみなさんに聞いてみました。

暑いですよね。年齢的には・・・家の中にいるってだけですよね、やっぱり冷房を欠かさず、たまには(窓を)開けたりそういうことしてますけど。
してないです。とりあえず寝て食べてたら大丈夫かな、って。
外へ出ないことだね、だけど出なくちゃならない時は帽子をかぶったり水を持ってくるってことかな、その他に考えたことないけど。(今は)外に出て体を慣らすぐらいのとこでしょうか。
今日は朝寒かったから寒いと思って、急に熱くなりましたね。なんか今年はちょっと(暑さが)すごいですよね。喉あんまり乾かないんですけど、お水とか飲み物はお茶とかいっぱい飲んでます。歳を意識してきたから気を付けてはいます。

暑さに体を慣らしているという人もいましたが、ほとんどは暑くなってからの対策で、熱中症対策と混同している方も。

ゴールデンウィーク中の最も暑い日(最高気温なんと27度!)にインタビューをしたのですが、立っているだけで汗ばむような陽気で、半袖を着たり日傘をさしたりする方も多かったです。(まだ5月になったばかりなのに・・・)暑さに体が慣れるのは、個人差もありますが、数日から2週間程度かかるとのことで、本格的に暑くなる前に進めることをお勧めします。

夏の暑さから避難!クーリングシェルター・TOKYOクールシェアスポットマップ

暑熱順化である程度暑さに慣れても、夏本番の猛暑は怖いですよね。そこで、暑さをしのげる都内の施設を探すことができる「クーリングシェルター・TOKYOクールシェアスポットマップ」という取り組みを見つけました。東京都気候変動適応センター 佐藤 翼さんのお話です。

東京都気候変動適応センター 佐藤 翼さん

もともと区市町村で、すずみどころとかクールスポットとかお休みどころとか、そういった取り組み自体はあったんですけど、今回都内全域、大部分の区市町村の登録している施設を一個に集約したマップになります。クーリングシェルター自体は区市町村で登録する施設。TOKYOクールシェアスポットは東京都で登録している施設で、全体で2000施設がマップ上に掲載されている、両方とも見られるようになっています。GPS機能を備えていてスマホからアクセスすると家の周りのマップが案内されるような仕組みになっています。昨年度多く取り上げられていた東京タワーのクーリングシェルターが一番有名かと思います。場所によっては水を提供していたり、暑さ対策グッズを配布したりということで暑さ対策につながるような取り組みをしているクーリングシェルターもあります。

2000施設ってかなりの数ですよね!2030年には2600施設、2035年には3000施設を目標に、都内全域に登録できるように進めているそうです。今年のマップも準備中で、東京都気候変動適用センターのサイトなどで公開が予定されています。

マップ作りは去年からで、6月~10月までで1万件以上のアクセスがあったそう。マップ作りでは、誰もが見やすいように色味をシンプルにしたり文字を大きくしたり、情報を常にアップデートするなど工夫した点もありました。また、外国人観光客向けに、日本語、英語、中国語、韓国語の4言語対応にもなっているそうです!

実際のマップ画面 提供:東京都気候変動適用センター

マップに指定されているのは2種類の施設。TOKYOクールシェアスポットは東京都が指定しているもので、皆で同じ場所で涼むことでCO2削減を目的としています。クーリングシェルターは各区市町村が指定しているもので、猛暑でも色んな事情でエアコンなどが使えない場合に、避難する施設ということでクーリングシェルター。役所施設のほか、図書館、スポーツセンター、薬局なども指定されてますので、自宅近くの施設を確認しておくのもいいかもしれません。

近年の夏の暑さは災害級。日本人は世界的に見ても気候変動への意識が低くどこか他人事だという話もありました。特に若年層が課題とのことで、東京都気候変動適用センターは、分かりやすくコミカルなアニメーション動画や、学校教材としての発信などを実施されています。マップの普及と気候変動に応じた暑さ対策を、SNSやイベントなどを利用して啓発していきたいと話していました。

今週末5月10日(土)には「あきる野市市制施行30周年記念 あきる野環境フェスティバル2025」で、気候変動適応策や熱中症対策の紹介、サーモカメラを使用した体温低下効果の実験などを行うそうです!気候変動や私たちにできる対策を考える機会になる、こうしたイベントの積み重ねも重要になっていきそうです。

(TBSラジオ『森本毅郎スタンバイ』取材・レポート:糸山仁恵)

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