【今週の『ONE PIECE』の話題は?】ロックスとバギーの親子説が再燃!? 映画『RED』のシャンクスとロジャーの出会いが本編へ<1166話>
海賊王を目指し海へ出た主人公モンキー・D・ルフィとその仲間たちの活躍を描く、週刊少年ジャンプで連載中の漫画『ONE PIECE』(原作:尾田栄一郎氏)。
未知の島の心躍る冒険や強敵との痛快なバトルを通して仲間たちと絆を深め強く成長していく様は、まさにジャンプの三大原則「友情・努力・勝利」のど真ん中。その一方で、消された歴史や差別・奴隷制度などをめぐる世界の闇をも緻密な伏線と壮大な世界観で描き出す本作は、最終章へ突入した連載28年目の現在も怒涛の展開で読者の心を掴んで離しません。
11月24日(月・祝)発売の週刊少年ジャンプに掲載された『ONE PIECE』第1166話“新しい時代”ではゴッドバレー事件の結末が描かれ、ロックスの最期とその後のロジャー、ガープ、ドラゴン、ハラルドらの動きに注目が集まりました。本記事では、SNSでの反響とともに、最新話のポイントを振り返っていきます。
※本記事には『ONE PIECE』最新話(第1166話)のネタバレを含みます。コミックス派やアニメ派の方等、ジャンプ未読の方はご注意ください。
ロックスの最期に惜しむ声多数…男たちの絆が熱かった
第1166話では、伝説の海賊ロックス・D・ジーベックことデービー・D・ジーベックが、どのようにしてその生涯に幕を下ろしたのかが判明しました。
黒点支配(ドミ・リバーシ)の呪いが解けてからトドメを刺されてしまうまでの刹那、生きてゴッドバレーから出ることへの望みを失わず、死を悟ってなお嘆くよりもライバルであるロジャー、ガープへの感謝とともにこの世を去るという、なんとも見事な最期でした。
この過去編が進むごとに当初の悪評をガラリと塗り替え、その快進撃とカリスマ性を魅せ続けてくれたロックス。仲間に対して、敵に対して、友人に対して、家族に対して。誰に対しても人間味あふれる彼の姿は、いつも見ていて気持ちが良かったですよね。
野望は果たせなかったけれど、己の手で妻子を殺めることなく、呪いが解けて人間としての自我を持って終われたことが唯一の救いだったのかもしれません。
ロックスの最期の言葉がロジャーとガープに向けてのものだったように、満身創痍のロジャーとガープが意識を取り戻してすぐにロックスの身を案じていたのも、3人の間にある信頼関係を感じさせてグッときました。
涙せずにはいられない最期でしたが、SNSでも「本当に悲しいけど、最期は呪いが解けて良かった」「ロックス、ロジャー、ガープの敵同士の絆に泣かされる」「ロックスがあんな奴らに殺されるなんて腹立たしいけど、最期は穏やかな顔だったのが救い」といったコメントが目立っていたように思います。
もちろん、世界政府は事件の実情を報道することはなく、ガープは不本意で“英雄”として担ぎあげられることに。それでも海軍を辞めずに海兵たちを守り続けていく意志を示し、政府の闇に染まらずにこの組織で生きていくことを“親友”センゴクと約束します。
こちらもまた、海兵としての熱い信念と2人の絆を感じるいいシーン。現在のガープとセンゴクの関係性を思うと余計にホロリときてしまいます。ガープもセンゴクも政府の闇を知りながら、純粋な志を持って入隊してきた海兵たちのため、罪なき民間人のため、いろんな思いを押し殺して何十年も頑張ってきたのでしょう。ドラゴンの思いも最もですが、いつかガープの真意が伝わってほしいと思わずにはいられませんでした。
シャンクスとロジャー海賊団の出会いが『ONE PIECE FILM RED』から本編へ
ゴッドバレー事件の渦中、ドラゴンが連れ出せずじまいだったシャンクスは自ら宝箱に紛れ、ロジャーの船で発見されます。
宝箱に入った赤ん坊をロジャーたちが驚きの表情で覗き込む印象的なこのシーン、じつは2022年に公開された映画『ONE PIECE FILM RED』で同様のシーンが描かれているんです。さらに、映画特典として配布されたコミックス40億巻には、このシーンのラフとシャンクスがロジャー海賊団拾われるまでの構想も掲載されています。
ついにシャンクスとロジャーが出会う一連の流れが本編にも登場したということで、読者の間で話題に。
なかでも、『ONE PIECE FILM RED』でシャンクスが回想したこのシーンではロジャーの特徴的な“ひげ”があり、第1166話の同シーンではロジャーに“ひげ”がない点が注目されているようです。
これは描写の食い違いが指摘されているわけではなく、赤ん坊だったシャンクスが実際に目にした光景と、現在のシャンクスの記憶が時間の経過によって曖昧になっているようで逆にリアルだという声が多数。ぜひ、『ONE PIECE FILM RED』と第1166話の絶妙なちがいを見比べてみてくださいね。
ツノを引きちぎった理由も判明! ロックス死後のハラルドに悲劇の予感
ロックスの物語が終わり、今回ひさしぶりにロキやハラルドの姿も登場しました。
憧れのロックスの死を知ったロキの慟哭は痛ましかったですが、彼の記憶には気のいいロックスの姿が残っているようで胸が熱くなりました。父を嫌うロキにハラルドのすごさをさらっと伝えているのもロックスのニクいところです。
一方、ハラルドはロックスの死をきっかけにさまざまな思いが渦巻き思想が一気に過激化。人間族と平和に生きていける世界をつくりたい思いが強まるあまり、自らマリンフォードへ乗り込みまさかの“奴隷宣言”。誠意を見せようと自分のツノまで折ってみせます。
第1137話では、ロードがハラルドの頭の傷について「古代巨人族の名残りである角を引きちぎった跡だ……!!」と説明していましたが、立派なツノを引きちぎった理由はこれだったようです。
巨人族の立ち位置を良くするために、個人の友情を捨ててでもここまで身体を張ったハラルドは間違いなく名君のはず。しかし、世界政府の闇を知らぬばかりに、このままいいように使われていく悲劇の予感を感じざるを得ません。もしも政府の実情を知ってロックスと手を組んでいたなら、まったく違う未来が待っていたのだろうと思うと皮肉ですよね。
表紙も話題! ロックスの髪色の意味は……?
今回は、ジャンプの表紙にルフィ、ロックス、ロジャー、ガープのカラーイラストが掲載されたことも話題になっています。やはりこの時代のロジャーはエースに、ガープはルフィに似ていますよね。
そして、ロックスの髪色が白髪に青のメッシュであることが判明したことから、バギーとロックスの親子説も再燃。
もともとはロックスとバギーの顔のつくりや表情が似ていること、バギーのカリスマ性がバギーを彷彿とさせること、バギーの出自が謎であることをきっかけに浮上した噂です。
ロックスの髪にバギーと同じ青のカラーが入っているとわかったことで、SNSでは「ロックスの髪、青!?てことはやっぱり…」「バギーの親父はロックス説あるぞこれ」と、この説が有力になったと捉える読者も多いよう。
とはいえ、ゴッドバレー事件時点でバギーはすでに1歳。彼がロックスとエリスの子ならば、あの場にティーチがいてバギーがいないのは不自然な気もします。ロックスの様子からしてほかに隠し子がいるとも思えないのが筆者の感想ですが、実際のところはどうなのでしょうか。親子ではなくとも、どこかで血が繋がっている可能性もあるかもしれないですよね。
シャンクス加入が描かれたタイミングなのもあって、バギーがいつロジャー海賊団に拾われたのかも気になるところ。もしもティーチとバギーが兄弟なら、ティーチが白ひげ海賊団、バギーがロジャー海賊団にそれぞれ加入し、いずれ四皇に名を連ねるという未来は運命的ですが……。今週も情報満載で、いろんな展開を予想してしまう回でしたね。
[文/まりも]