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ミナモアで第二の人生 生まれ変わった「広島駅前の象徴」|地球派宣言

ひろしまリード

かつて広島駅前の通りの景観を彩ったクスノキ並木。

しかし、路面電車の新ルートの建設に伴って伐採されました。

そのクスノキは、地域住民の希望もあって再利用され、ミナモア5階にあるシーティングエリアのベンチとして第二の人生を歩み始めます。

ミナモア5階 シーティングエリア

ミナモア5階は、ライフスタイル、ホビー、ファッションの店舗が並び、駅にあったら便利な、毎日を充実させる日用品と、多様なカルチャーをミックスしたフロアです。

その休憩スペースに設置されているベンチ。

実は、ある場所にあったクスノキを再利用したものなんです。

家具製造メーカー・土井木工 土井崇義さん

ベンチの製造を担当した、家具製造メーカーの土井さんにお話を伺いました。

「まだ工事中なんですが、駅前通りにクスノキが生えていました。

そこが路面電車の工事で、どうしてもクスノキを切らなければいけないということで、JR西日本さん・広島市さん・広島電鉄さんからの依頼で『クスノキを切るのですがなんとかなりませんか?』というのが最初のスタートでした。

住民の方からしたら、ここに生えてもう60年くらいたっていた木なので、切るのはちょっともったいないのかなと感じているようでした。やっぱりこの駅前通りを象徴する街路樹だったのかなと思います」

工事中の駅前通り

新駅ビルに乗り入れる路面電車の新ルートの建設に伴って撤去されたのが、駅前通りの景観を彩っていたクスノキ並木でした。

撤去前の駅前通りのクスノキ並木(2022年頃)

撤去前のクスノキ並木を見た土井さんは……

「せっかく60年育ってきているので、『もったいないな、かわいそうだな』というのはありました。

ですが、木を見て行くと、どうしても道路に生えているので、枝をせん定したり、道路にはみ出した根っこを切ったりもしないといけないので、街路樹というのはずっと長く育ち続けるのではなく、どこかで役目が終わるタイミングが来るのかなと感じました」

寿命をむかえそうなクスノキ

伐採が決まったときには、数本のクスノキがすでに寿命をむかえていたといいます。

クスノキの伐採(2022年3月)

2022年3月の深夜に作業は行われました。

まだ元気なクスノキは、県営広島西飛行場跡地などに移植され、寿命をむかえていたクスノキは、第二の人生を歩むために伐採されました。

伐採されたクスノキを見て土井さんは、「中を見てみると使えそうだと判断できました」と再利用の可能性を確認。

クスノキの製材

伐採されたクスノキは府中市にある工場に運ばれ、職人の前で一枚一枚丁寧に加工されました。

クスノキの乾燥

そして、一年半乾燥させて、上質な板材へと生まれかわりました。

ミナモア5階 シーティングエリアのベンチ

こうして、駅前通りのクスノキは、ミナモアの憩いの場として第二の人生を歩み始めます。

街路樹の再利用を経験した土井さんは、

「活用されているベンチを見ていただいて、『こういう形で使われているんだ』『今後はこういった再利用も考えられるよね』ということを地域の方にも少し思い出していただければと思っています。

ただここで終わりではなくて、他にも広島市にはいろいろな街路樹があるので、それらをどうしていくのか今一度考えていくタイミングだと思います」

と今後の街路樹の行方について考えを語りました。

広島ホームテレビ『ピタニュー』
地球派宣言コーナー(2025年3月19日放送)

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