血圧を下げるための減塩は意味がない?【1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法】
塩分は本当に悪者?
長い間「塩分の摂り過ぎは高血圧につながる」と言われてきました。ところが、この通説に疑問を投げかける研究結果も発表されています。1988年にまとめられた「インターソルト・スタディー」は、世界32カ国、約1万人を対象として、食塩摂取量と高血圧の関係を解明するために行われた調査です。
その結果は食塩摂取量の多い日本や中国で高血圧の有病率が約10%だったのに対し、欧米では食塩摂取量が少ないにもかかわらず、有病率が20~30%になるというものでした。ここから導き出されたのは「1日の食塩摂取量が6~14g以内であれば、食塩摂取と高血圧の発症に相関関係は見られない」ということ。
つまり、「食塩摂取量が多い=高血圧のリスクが高い」といったそれまでの定説が覆されたのです。近年は健康志向から「減塩」の風潮が定着しつつありますが、もともと人間には体内の過剰な塩分を排出する仕組みが備わっています。血液中のナトリウム濃度が急上昇すると、脳から「水分を多く摂ってナトリウム濃度を元に戻せ」と指令が出され、適正な塩分濃度を保つように働きかけるのです。
水分を摂取すると血液量も増えるため血圧が上がりますが、尿などで塩分が排出されるとともに下がります。塩分による血圧の上昇は一時的なものにすぎません。ですから塩分摂取には神経質にならず、おいしいと思う味つけで食事を楽しんでください。
出典:『1週間で勝手に血圧が下がっていく体になるすごい方法』