1日数組だけの特別空間!西宮の『Vérité』で味わう口コミで愛されるやさしいフレンチ 西宮市
大きな宣伝やチラシを作らなくても、地元の人達に愛され、口コミで評判を集める『Vérité(ヴェリテ)』(西宮市)は、1日数組だけの落ち着いた空間で、季節の恵みを活かした“やさしい味わい”のフレンチを楽しめます。事前予約で好みや苦手食材、アレルギーにも柔軟に対応し、一人ひとりに合わせたコースを用意してくれます。
ランチコースは旬の食材を厳選し、「お腹いっぱいになってほしい」という店主の思いから、しっかりとしたボリュームです。彩り豊かな野菜もたっぷりで、フレンチにありがちなこってりソースやバターの重さはなく、どのお皿もやさしい味わいに驚かされました。見た目は華やか、味は軽やか、そんな一皿一皿がテーブルを彩ります。
取材日は猛暑日。そんな中で出てきた最初の一皿は、フレンチの始まりにふさわしい、身体と気持ちをやさしく整えてくれる冷製スープ。スイカとトマトの爽やかなガスパチョは、果実のやさしい甘みと酸味が広がり、上に添えられた生ハムの旨みと塩味が絶妙な奥行きを加えてくれます。ひと口ごとに、暑さも疲れもほどけていくようでした。
少量の前菜がいくつか並ぶのかと思いきや、目の前に運ばれてきたのは「これ、メイン?」と思うほどのボリューム。サーモンは皮目だけを香ばしく焼き、身は余熱でじんわりと火を通すことで、絶妙な火加減が生み出す舌ざわりは、しっとりとなめらかで、噛むたびに旨みがふわりと広がりました。
そして万願寺トウガラシのソースが、甘みとほのかな辛みでその味をやさしく引き立てていました。
メインはお魚をチョイス。こんがりと焼き上げられたニザダイに、トマトとシェリーヴィネガーのソースを合わせた一皿で、ヴィネガーの酸味が驚くほどさっぱりとしていて、魚の旨みをすっと引き立ててます。
お魚の上には豆苗がたっぷり添えられており、個人的には「フレンチに豆苗?」という意外な組み合わせでしたが、そのシャキシャキ感と爽やかな香りがソースの軽やかさと重なり、相性が抜群だったのは驚きでした。しっかりとボリューム感のあるメインなのに重さがなく、身体にやさしい後味でした。
食事の最後を飾ったのは、自家製のバスク風チーズケーキ。やさしい甘さと軽やかな口どけが、コースの余韻を静かに締めくくります。
さらに心をつかまれたのは、ケーキが盛り付けられた立体感のある美しいお皿。一目ぼれして思わずシェフに伝えると、「実は私も一目ぼれして選んだんですよ」と笑顔が返ってきました。ひとさらの中に、味わいだけでなく器へのこだわりまでも感じられる瞬間でした。
オーナーシェフは二児の父。フランスに渡り、星付きレストランで腕を磨きました。その後、半年間にわたり、バイクとテントだけでフランスの片田舎を旅します。旅の途中では、現地の人々に招き入れられ、地方ごとの食文化や、地元で長く愛される小さなレストランの居心地を肌で感じたといいます。その経験を活かし、「日本でも、地域の人に愛され、安心して過ごせる場所を作りたい」という思いで、このお店を開きました。
子どもの年齢や食べる量に合わせたお子様メニュー、離乳食(500円~)にも対応。ベビーベッドやおもちゃも備え、家族での食事を安心して楽しむことができます。
取材を通して感じたのは、「フレンチ=かしこまって食べる」という固定観念を心地よく裏切ってくれるお店だということ。子育て中の人も、お祝いごとの人も、年配の人も、誰もが自分のペースで食事を楽しめるよう、料理や空間の細部にまで配慮が行き届いています。
おいしさと安心感、その両方を求めて、何度でも訪れたくなるお店です。
場所
ヴェリテ (Vérité)
(西宮市川東町1-6)
営業時間
12:00~13:30
8:00~20:00
定休日
水曜日、日曜日、祝日