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【11/28公開】主演の岸井ゆきのさんと宮沢氷魚さん、天野千尋監督が登壇!映画『佐藤さんと佐藤さん』舞台挨拶in名古屋

日刊KELLY

2025年11月28日(金)に、岸井ゆきのさんと宮沢氷魚さんのW主演映画『佐藤さんと佐藤さん』が全国の劇場で公開されます。本作は天野千尋監督の最新作で、“夫婦”をテーマに人と人との関係を丁寧に描き出すオリジナルストーリー。

11月5日(水)には「伏見ミリオン座」にて先行上映会が実施され、主演の岸井ゆきのさん宮沢氷魚さん天野千尋監督が登壇!撮影時のエピソードや本作への想いなど、貴重な話を語った舞台挨拶の様子をたっぷりレポートします。

STORY

あらすじ
同じ苗字をもつ佐藤サチと佐藤タモツという2人の主人公が、交際・結婚・出産を経た15年間で変化し続けていく姿を描く。アウトドア派で明るいサチ役を岸井、インドア派で真面目なタモツ役を宮沢が演じる。

初共演の岸井さん&宮沢さんによる息の合った撮影

岸井さん 今日は雨で寒い中、集まっていただいてありがとうございます。これから映画を楽しんでいただけることうれしいです。

宮沢さま 会場の距離が近くて、みなさんの表情が見えてすごくうれしいです。今日は、名古屋でお会いできることをとても楽しみにしていたので、短い時間ですが、楽しい時間を過ごせたらと思います。

天野さん この映画は私の小さな日常の出来事を描いた作品です。こうしてみなさんに観ていただけることが本当にうれしいです。

――主演のお二人はオファーがきた時どう感じましたか?

岸井さん 実生活で夫婦生活を体験していないのですが、映画の“佐藤さんと佐藤さん”はすぐに喧嘩するんですよ。その始まりもあまりにも些細だったりして。「トイレットペーパーないよ」「ないね」から、こんなに喧嘩するんだ…とか。それが結構ドラマチックに思えたんですね。でも、天野さんの話を伺っていると、「他の人と生きるって、こういうことなんだ」と思って、撮影前から早くこの世界に入ってみたいなと思っていました。

――作品には夫婦やパートナーの“あるある”が詰まっていますが、監督は喧嘩の指導もされたとか。

天野さん 「うちの夫婦は毎日こういう感じで小競り合いしてるよ」みたいな、わりと具体的なお話をしましたね。喧嘩の指導というよりは、ちょっと夫婦のリアルな感じを掴んでもらおうかなっていう(笑)。

――宮沢さんはどうでしたか?

宮沢さん 映画では主人公の二人が出会ってからの15年間を描いていて、脚本を読み終えた後、「さらに15年、20年先に二人はどうなるんだろう?」と興味津々だったんですよ。佐藤タモツの人生を1分でも長く生きたいという思いがありましたね。

――主演のお二人は初共演ということで、お互いにどんな印象でしたか?

岸井さん 宮沢さんはすごく穏やかで優しくて、緊張感がゼロ!すぐに雑談ができるというか。それは監督も同じで、すぐに3人でご飯を食べに行ったりして、不思議な感覚でしたね。

――宮沢さん、岸井さんの印象は?

宮沢さん 最初はいつも「どんな人なのかな?ちょっと緊張するな」と思いながら入ってしまうんですけど、ゆきのちゃんの場合は共通の知り合いから「すごく優しくて、本当に素晴らしい人」と聞いていて。実際にお会いすると、自分の想像をはるかに超えるくらい、素晴らしくて優しい方でした。穏やかでハッピーな現場だったんですけど、いい緊張感の中で撮影できたのは、ゆきのちゃんのプロフェッショナルな要素をみんなが感じ取っていたからだと思いますね。

――初共演のお二人が良い関係性で臨めたというのは、監督にとってもうれしいことですね。

天野さん 撮影初日はただ3人で雑談して過ごす、みたいな時間があって。そこでお二人それぞれが持つ雰囲気を掴むことができました。脚本でイメージしていたサチとタモツを、二人に当てはめるような時間が持てた感覚がありましたね。その後もご飯を食べに行ったり、岸井さんがみんなにタイのお茶を作ってくれたりして、安心して現場に入れる感覚があったなと思います。

――岸井さんと宮沢さんは、サチとタモツを演じる上で、どのような空気感で臨まれましたか。

岸井さん そんなに意識はしてなかったですね。「今はカップルのシーンだから」とか、「子どもがいるからどう変わってくるか?」みたいなすり合わせはしてなくて。役として自然に入れた、という感覚でしたよね。

宮沢さん すごく自然に、初日からお芝居ができました。脚本は15年間を描いているので、年月は飛ぶんですけど、「このときはきっとこうだよね」というところが、言葉にしなくても伝わる感じがあって。

岸井さん 共通意識を確認し合えるような信頼感がありました。

――監督から見てもそのような雰囲気でしたか?

天野さん そうですね。リハーサルの時に、喧嘩のシーンについては3人で意見を出し合いながら、ただ向き合って口論するんじゃなくて具体的に決めていけたので、議論してというよりかは、3人で空気を作っていったのかなと思います。

自転車に乗るのが苦手な岸井さん。本番では完璧に!

――今回、完全オリジナル作品を作ろうと思ったきっかけを教えてください。

天野さん 子育てが始まってから、パートナーとの喧嘩が増えたんですよね。私はフリーランスで働いていたので、最初は保育園に入れなくて、家事と育児をワンオペで引き受けて、夫の稼ぎに頼って生きる時期がありました。その時、映画の中で出てくるタモツのように、社会から取り残されているような感覚を経験して。外で自由に働いている夫に対して、恨めしい気持ちを持ってしまい、ストレスをぶつけてしまったんです。その後、保育園も見つかって徐々に仕事に復帰し始めると、今度は私が外で1日中働いて、家事は夫に全部任せる日もでてきたんです。すると、今度は夫がかつての私のようにすごく恨めしそうな目で見ている……という状況がありました。これは男女の性差の問題ではなくて、その立場にならないと見えないことがあるんだと実感したんですよね。そこから、サチとタモツのキャラクターが生まれました。

――サチとタモツの役をお二人にお願いしようと思ったのは?

天野さん サチはバイタリティがあって芯の強いイメージだったので、今までの岸井ゆきのさんを見ながら「ぜひお願いしたい」と思ったんです。実際にオファーしてサチをやっていただいたら、想像以上にサチでした!

岸井さん よかったです!でも、サチを引っ張ってくれたのは監督なので。

天野さん いや、もう圧倒されるぐらい「すごい!力強い!」と現場で感動していました。

――天野監督は「自転車のシーンで驚いた」という話をお聞きしました。

天野さん そうです。岸井さん、自転車はそんなにうまくないですよね?

岸井さん はい…。

会場 (笑)

天野さん でも、岸井さんはダンスも自転車も本番で完璧にやられるんですよ。めっちゃ早くて上手い人みたいに突っ走って、「この人すごい!」って思いました。

岸井さん 自転車は本当に下手で……。しかもウネウネしている道路だったんですよ。それをワンカットで300mぐらい撮りました。スタッフさんは車で追ってくれるんですけど、「負けないぞ!」という思いがサチの気持ちとダブったので、良かったのかもしれないです。

天野さん 撮影の前はフラフラしてて「大丈夫かな?」と……。

岸井さん 普通の自転車って、自分にとってはタイヤが大きいんですよ。自転車の練習をさせていただいて、成果が出たかなと思っています!

――タモツ役を宮沢さんにお願いした理由を教えてください。

天野さん 今までの宮沢さんは、クールな役柄の印象が強かったんです。でも、実はちょっと情けなくて、弱いところを抱えた役を演じてもらったら面白いのではと思っていたんですよね。実際にやっていただいたら、宮沢さんの誠実さがタモツのキャラクターにも滲み出て、それでいて空回りしてしまう不器用さもあって。こんなに誠実な人でクールなのに、どこか情けない。そのギャップが面白くて、現場でも応援したくなる愛らしさに、スタッフのみんなで思わず応援していました。

宮沢さん うれしいです。普段の僕はタモツに似ていると思います。不器用で空回りしてしまうところとか、「似てるな」と思うところがたくさんありました。

主演の二人が映画を観て感じたことは?

――岸井さんと宮沢さんは作品をご覧になっていかがでしたか?

宮沢さん 演じていても思いましたが、改めて作品として観ると、「パートナーでも、友人でも、家族でも、どんな関係にもそれぞれの形があるんだな」と感じました。誰かと一緒に生きることは同じでも、その“幸せのあり方”は本当に人それぞれなんですよね。だから、「それぞれの幸せを見つけるために、自分たちの形をぜひ見つけてほしいな」と思えた作品でした。自分を見つめ直すきっかけになった作品ですね。

岸井さん 自分が演じているときは、サチとしての「正義」や「最善」を信じて演じていたんです。でも、客観的に作品として観てみると、「あ、こんなに痛い瞬間があったんだ」と感じましたし、タモツに対して申し訳なく思う場面もありました。でも、それはきっとどの関係性にも起こり得ることで、誰しもが“自分の気持ちを守るために精一杯だった瞬間”ってあると思うんです。作品の中には、誰もがどこかに自分を映し出すようなシーンがあると思っていて、「今の環境や自分を見つめ直してみよう」と思える映画になったことがとてもうれしかったですね。

岸井さん&宮沢さんからのメッセージ

――最後にメッセージをお願いいたします。

宮沢さん 11月28日に『佐藤さんと佐藤さん』が公開されます。ぜひ友達や家族と観た後にみんなで感想を言いながら、自分の内に秘めているものをさらけ出せるような体験をしていただけるとうれしいです。友達とか家族にも「いい映画だよ」とお伝えいただければうれしいです。どうぞよろしくお願いします。

岸井さん 観た後に誰かと話したくなる映画になったと思うんです。お友達とかご家族とかパートナーにおすすめしたいなって思う人がいたら、「こういう映画があったよ」って伝えたり、一緒に観に行ってくれるとうれしいです。今日はありがとうございました。

天野さん 本日はお越しいただきましてありがとうございます。私は愛知県出身で、地元の大学に通っている時に映画研究会に入って、自主映画を初めて作ったんですよね。そこで自分が作った映画を人に観てもらう経験を初めてして、それが楽しくて、そこから映画作りがスタートしています。たくさんの俳優さん、スタッフと一緒に作った映画を地元の映画館で上映していただくことができて、本当にうれしいです。ぜひ楽しんでください。本当にありがとうございます。

――みなさま、本日はありがとうございました!

映画『佐藤さんと佐藤さん』

公開日
2025年11月28日(金)
監督
天野千尋
出演
岸井ゆきの、宮沢氷魚、藤原さくら、三浦獠太、佐々木希、中島歩、田村健太郎、前原滉、山本浩司、八木亜希子、ベンガル、田島令子
公式サイト
https://www.sato-sato.com/

※掲載内容は2025年11月時点の情報です

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