Yahoo! JAPAN

DeNA・宮﨑敏郎が異次元のBB/K「6.50」を記録 類稀なるバットコントロールのなせる技

SPAIA

DeNAの宮﨑敏郎

頭一つ抜けている宮﨑のBB/K

過去に2度首位打者を獲得した実績を持つDeNAの宮﨑敏郎が、今季もその卓越した打撃技術をいかんなく発揮している。打者のアプローチを評価する指標であるBB/Kで、今季ここまで並み居る好打者たちを圧倒する数字を残しているのだ。

【12球団野手 BB/Kランキング】
※規定打席到達者のみ

1位 6.50 宮﨑敏郎(DeNA)
2位 1.40 丸佳浩(巨人)
3位 1.14 小園海斗(広島)
4位 1.11 佐野恵太(DeNA)
5位 1.00 野間峻祥(広島)、森友哉(オリックス)

四球数を三振数で割った指標であるBB/Kは、数字が大きいほど四球が選べて三振が少ないことを表す。つまり、高数値を記録する打者は選球眼とミート力を兼ね備えていることの証明となる。上記の通り、1を超えている選手が少ない中、宮﨑は6.50と2位以下に大差をつけている。

なぜ宮﨑はこれほど飛び抜けた数字を記録できているのだろうか。四球と三振について、もう少し詳しく見ていくと、まずBB%(四球数÷打席数)が11.7%で、両リーグ合わせた規定到達者の中で10位と優秀な数字を残している。

だがそれを上回る好成績なのがK%(三振数÷打席数)で、その値は1.8%。ここまで111打席に立って三振はわずか2個しか喫しておらず、次点の広島・小園海斗の5.3%を大きく下回っていた。この驚異的な三振の少なさが異次元ともいえるBB/Kを生み出していると言える。

では、宮﨑の三振の少なさの要因は何なのだろうか。一般的に、早打ちの打者は早いカウントから積極的に仕掛けるため、追い込まれることが少なく、三振や四球が少ない傾向にある。そこで、宮﨑のスイング率を見ていくと以下の通りとなった。

【宮﨑敏郎のスイング率】

ストライクゾーン:60.2%(30)
ボールゾーン:26.1%(20)
初球:13.6%(5)
ファーストストライク:32.6%(19)
全体:42.6%(19)

※()内は規定打席到達者内での順位(値が小さい順)

全体としてスイング率は低い傾向にあり、特に初球に関しては規定打席到達者で5番目に低い数字となっていた。宮﨑は早打ちではなく、むしろ待球型のアプローチをしている打者と言っていいだろう。

三振が少ない要因は驚異的なコンタクト率

では、なぜこんなにも三振が少ないのか。秘密はバットコントロールにあった。スイングした際に打球が発生した割合(ファウルも含む)を示す「コンタクト率」を見てみると、宮﨑は驚愕の数字を叩き出していた。

【宮﨑敏郎のコンタクト率】

ストライクゾーン:98.2%(1)
ボールゾーン:84.6%(1)
初球:93.3%(5)
ファーストストライク:96.8%(7)
ストレート:100%(1)
変化球:90.1%(2)
全体:93.9%(1)

※()内は規定打席到達者内での順位

ストライクゾーン、ボールゾーンともに規定打席到達者の中で1位となるなど、すべての項目で上位に名を連ね、全体で見ても93.9%で堂々のトップだった。また、ストレートに対しては100%、つまり今季まだ1度も空振りをしていない。驚異的な三振の少なさは、どんな状況、球種でもバットにボールを当てることができる、類稀なるバットコントロールによるものだったのだ。

ただ、その宮﨑も過去はそれほど際立ったBB/Kを残していたわけではない。自身2度目となる首位打者を獲得し、5年ぶりに20本塁打をクリアした昨季は0.95。1を超えたのも昨季までのプロ11年間で2022年(1.26)の1度しかない。コンタクト率(全体)も2023年は87.6%で5位、2022年は90.3%で4位だった。

今季ここまでの成績は一過性のものなのか、それとも今季から大きく打撃スタイルを変更しているのか。球界屈指のスプレーヒッターの打席を今後も注意深く見守る必要がありそうだ。

成績は5月5日終了時点

【関連記事】
・セ・リーグ球団別週間MVP 中日・細川成也が12球団トップ!DeNA蝦名達夫は打率7割超
・ DeNAのドラ1ルーキー・度会隆輝が4月打率.156と急失速のわけ 左投手に打率.105と大苦戦
・ダルビッシュ、大谷翔平、オリックス山下舜平大ら新エースの系譜 プロ野球で背番号11を背負う選手たち

記事:SPAIA編集部

【関連記事】

おすすめの記事