特に年末年始は要注意!「糖尿病」リスクを高める過ごし方と“感染症”との関係#医師解説
最近では、生活習慣の乱れから、若年層でも発症するケースが増加している「糖尿病」。糖尿病専門医の松本和隆先生によると、「生活習慣の乱れ」と「感染症の流行」が多く見られる冬にリスクが一層高まる傾向があるのだそうです。今回は、その理由と予防のために意識すべきことを教えていただきました。
教えてくれたのは……松本和隆(まつもとかずたか)先生
三重県生まれ。医療法人松徳会・松本クリニック院長。日本糖尿病学会認定 糖尿病専門医。
2016年、三重県松阪市に医療法人松徳会松本クリニックを開院。地域では数少ない「糖尿病専門医」として毎日多くの患者の診療を行っている。著書出版、講演、テレビ出演など多数。
糖尿病リスクがより高まる「年末年始」に要注意
前回の記事では、「冬場に糖尿病のリスクが高くなる原因」について伺いました。その中でも特に要注意なのが、年末年始とのこと。年末年始の過ごし方を意識することが大切なのだと、松本先生は言います。
松本先生:年末年始は、イベントが多く、生活リズムが乱れがちです。特に今年は休暇が長いため、普段よりも食事の時間が不規則になったり、外食や飲酒の機会が増えたりする可能性があります。暴飲暴食は、血糖値の急上昇を引き起こし、血糖コントロールを大きく乱す原因となります。
また、生活リズムの乱れは、自律神経のバランスを崩し、血糖コントロールに悪影響を与える可能性があります。年末年始も、できる限り規則正しい生活を心がけ、食事の量や内容に注意することが大切です。特に、糖質や脂質の摂りすぎには注意し、野菜や食物繊維を積極的に摂るようにしましょう。
感染症にかかると「血糖値」が上がりやすくなる
また、松本先生によると、さまざまな感染症にかかると血糖値に影響が出るとのこと。感染症にかからないように対策することも、重要なポイントになるそうです。
松本先生:冬はインフルエンザや風邪などの感染症が流行しやすい季節です。感染症にかかると、体内で血糖値を上げるホルモン(例えば、アドレナリンやコルチゾール)が分泌されるため、血糖値が上昇しやすくなります。特に、糖尿病の方は免疫力が低下している場合があるため、感染症にかかりやすく、重症化するリスクも高まります。
血糖コントロールが不良な状態では、免疫機能がさらに低下するため、感染症のリスクはさらに高まります。そのため、日頃から手洗いやうがいなどの感染症対策を徹底し、体調管理に気を配ることが重要です。また、予防接種も有効な手段の一つです。
食事内容の改善や感染症予防に加えて、冬の生活習慣において“意外と知られていない注意事項”があるのだと、松本先生は言います。次回の記事では「NG行為と対策法」について、ご紹介します。
shukana/webライター