エチオピアなるメニュー、何のことやねん?キタのカオス商店街で発見【大阪府大阪市】
大阪市には大まかにキタとミナミという2大拠点が繁華街として存在します。
キタはJR大阪駅や阪急電鉄、阪神電気鉄道の大阪梅田駅、Osaka Metroの梅田駅、東梅田駅、西梅田駅を中心に広がり、バブル時代には阪急百貨店前などは銀座と変わらないくらいの地価を誇る、洗練されたオフィス街です。
対してミナミは南海電鉄のなんば駅や近畿日本鉄道のターミナル駅である大阪難波駅を中心とした、キタよりも庶民的な雰囲気の巨大な商業地域です。
筆者は自宅の最寄り駅から大阪駅までは特急や快速電車1本で行けるので、キタに行く機会のほうが圧倒的に多いです。
オシャレな百貨店や大型商業施設が、梅田貨物駅跡地の再開発も相まって目白押しで、さらなる飛躍を遂げる状況になっています。
そんなキタですが、中心部から一駅離れれば、いわゆる立ち飲み居酒屋が立ち並ぶ天満や中津、天神橋筋などの庶民的な商店街や繁華街が出現します。
中でも戦後の闇市からそんなに町の様子が変わっていないのではないかと思われるほど、飲み屋さんが雑多に集中しているのが天満です。
もはや町全体が、カオスな様相を呈(てい)していて、一見さんをお連れすると皆さん驚くばかりで、10年ほど前までは写真のような豚の生肉料理まで出す専門店さえありました。
下の写真は、12年前の2013年10月12日におなじく天満にあった生肉を提供するお店で撮影したものです。それは生肉の食用に関する法令改正よりずっと以前のことです。閉店してから10年以上が経ち、現存しません。
そんな食文化のバラエティあふれる天満で、わりと広い店舗でカウンターだけでなくテーブルと椅子席も用意された居酒屋さん、以前から筆者もお世話になっている但馬(たじま)屋さんです。
店内に入るとまず驚かされるのは、壁に貼られたメニューの数が多いこと!しかも謎めいたネーミングの品々があちこちに!
最初に気になったのがエチオピアというメニュー。
わけのわからないものだったらこわいので、当然ながら店員さんにそれは何かと尋ねました。
それは中国料理や韓国料理ではメジャーな食材である豚足という説明でした。
出てきた「エチオピア」は、普通に茹でた豚足でした。
しっかり柔らかく茹でられて、シンプルに塩と一味唐辛子だけでいただくのが一番おいしく感じます。
それにしても、ただの豚足がなぜエチオピアと呼ばれているのかは、店員さんによると、1960年に開催されたローマ五輪で走ったアベベ選手と関係がありました。
彼は裸足でマラソンを走り、しかも金メダルを獲得したのでした。
「『裸足=豚足』として、快挙に感動した沖縄人が、いつの間にか豚足のことをアベベの祖国であるエチオピアと呼ぶようになった」ということでした。
豚を使ったメニューに、フェイス(豚の顔の肉)、ミミガー(豚の耳)もありました。