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『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2』テレン松本大、GLIM SPANKY松尾レミ、THE BACK HORN山田将司がオンラインで伝えた音楽の力

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『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』2020.5.26(TUE)オンライン_心斎橋BIGCAT

アコースティックライブイベント『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』が、5月26日(火)にオンライン_心斎橋BIGCATにて開催された。

出演は、FM802弾き語り部の部長でもある松本大(LAMP IN TERREN)、松尾レミ(GLIM SPANKY)、山田将司(THE BACK HORN)の3組。この日は昨今の新型コロナウイルス禍の影響を受け、「リモート編♪」と題した配信ライブとして実施され、オーディエンスとの双方向的なコミュニケーションをチャットで行えるなど、自宅にいながら仮想のライブハウス空間が体感できるプロジェクト、『#オンラインライブハウス_仮』とコラボレーション。5月13日に開催された第1回目に続いて、僅か2週間でラインナップの発表からチケット発売、そして、開催までこぎつけたスピード感は、オンラインライブならではと言えるだろう。

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

開場と同時に画面上にはBIGCATの入口の写真が映し出され、手書きの立て看板やロビーと場面が次々移り変わっていく。軽快なBGMをバックに注意事項やインフォメーションなども掲示され、入場=ログインを済ませたオーディエンスに加え、部長の松本が「今ヒゲを剃るか迷っているところです」と書き込めば、松尾が「めっちゃ緊張するぞ」と続き、さらには観客として参加していたFM802 DJの内田絢子もコメントを寄せるなど、早速チャットが賑わっていく。

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

そして、BIGCATでの入場待ちの風景を彷彿とさせるように、1F、2F、3F、4Fと階段を駆け上がっていく映像が流れる。前回よりライブへと誘う導線も巧みにブラッシュアップされており、MCのFM802 DJ樋口大喜と、普段はBIGCATほか多数のライブハウスを運営するアームエンタープライズの岸本優二氏が登場して行われる、使用するシステム=Zoomウェビナーの操作説明に加え、チャットの書き込みをピックアップしながら語りかける姿はまるでラジオ番組のよう。チャットから樋口にツッコミが入るなど、より身近な距離感で進行していく。「ご飯食べながら観てます~」「部屋暗くしました!ワクワクしています!」「ビールもってきました。準備万端です」「仕事終わりに間に合いました! 慌てるのはいつもの感じ」と、チャットからも思い思いに、ライブに向けた高揚感を楽しんでいる様子が伝わってくる。FM802 DJ 田中乃絵も「(FM802弾き語り部)女子マネ田中もお家で楽しんでます~! 楽しみ!」と書き込むなど、オーディエンスサイドの盛り上がる準備はバッチリだ。

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

まずはFM802弾き語り部のジングルを受けて部長の松本が現れ、樋口と前回の模様を振り返る。「急に緊張してきたな……」とトップバッターの心地良いプレッシャーを感じつつ、優しくギターをつま弾き歌い上げた「花は咲く」は、東日本大震災の復興支援を目的に生まれたチャリティーソング。松本の自宅の一室からダイレクトに届くその切ない歌声に聴き入ってしまう出色のオープニングだ。「あー緊張した! よーし!」と気を取り直し、力強いストロークから流れ込んだLAMP IN TERRENの「Dreams」でも、まさに熱唱と呼ぶにふさわしいエモーショナルさが胸に迫る。

松本大(LAMP IN TERREN)

その手を緩めず「ちょっと盛り上がっていければと思います!」と突入した「オーバーフロー」では、チャット上に「8888888(拍手の表現)」「イェーイ!」とライブさながらのリアクションが飛び交う。「いこうぜ!」「心でも歌ってくれ!」と松本が投げかければ、シンガロングがすぐさま文字で現れる光景は、オンラインでもちゃんと繋がっているのを感じる。

松本大(LAMP IN TERREN)

「いかがお過ごしですか最近? 仕事が始まった人とか、まだ自粛期間が続いて家にいる人とか、そろそろ家に飽きたという人もいると思いますけど、僕はずっとこの部屋で曲を作ったり、アレンジをしたりしています。ライブがなくなっていく中でこうやってチケットを買っていただいて、限られた人数で同じ時間を過ごすということは、ライブの1つの醍醐味だなと思っていて。だからこそ生まれる一体感みたいなものもあると思うし、ものすごく特別な気持ちがあります。この後も、レミちゃんと山田さんの3人と、樋口くん、BIGCAT、スタッフ、お客さん。みんなで1日を作っていくので、よかったらぜひ楽しんでいただければと思います。来てくれてありがとう」

「来てくれてありがとう」。物理的な距離は離れていようとも、そんな何気ないひと言が心の距離をグッと近付ける。そして、彼はこうも続ける。

「音楽は部屋でいつも作って歌ってるけど、僕の中でそれはまだ音楽とは言わないんですよ。こうやって聴いてくれる人がいると信じてるから曲を作ってるところもあるし、ライブもする。聴いてもらえないと音楽にはならない。だから、ここに集まってくれたこと、自分のやってることに命を与えてくれることに、ものすごく感謝しています。大事に歌うので」

松本大(LAMP IN TERREN)

最後はテレンの代表曲である「メイ」。かつてのFM802のヘビーローテーション(2017年5月度)であり、この曲でテレンと出会った関西のリスナーも多いことだろう。そんな粋な選曲に思わずチャットも沸き立った、松本大の情熱的なステージだった。

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

FM802弾き語り部のライブではいつもその場でセットリストを決めていくという松本が、一番手としての緊張から解き放たれたムードの中、樋口とアフタートーク。そして、「部屋がオシャレ過ぎる」と松本が言うのも納得の、レコードやドライフラワー、自ら描いたアクリル画などが飾られた一室に二番手の松尾レミが登場し、チャットには亀本寛貴(GLIM SPANKY)から「頑張って!!^_^」との声も。

松尾レミ(GLIM SPANKY)

「新入部員です、よろしくお願いします!」との挨拶の後に、しょっぱなからリリースしたばかりの新曲「Singin' Now」をぶちかます松尾。画面越しでもあのハスキーな歌声の魅力には存分に引き込まれ、続く「怒りをくれよ」でも通常のライブとはまた異なるベクトルの臨場感で迫りくる。その歌、そのメロディの真価を問われるようなオンラインライブの視聴環境は、ある意味シビアでもあるが、そんな環境下でもGLIM SPANKYのオリジナリティと凄みはしっかり伝わってくる。「大阪ー!」というライブでは定番のかけ声もリモートだととりわけ新鮮で、どこにいても繋がれるオンラインでありながら100名限定のクローズドな空間であるギミックが効いてくる。

松尾レミ(GLIM SPANKY)

「BIGCATを脳内に思い浮かべながらライブしてました。自分の家から放送してるんですけど、すごく不思議な気分で。今日はリアルに大阪から見てくださってるお客さんが多いとお聞きしました。LAMP IN TERRENとはデビューが同じくらいじゃないかな? その頃にツアーも一緒に回ったんですよ。歳も1つ差なんで、こうやって今、対バンしてるのがすごく感慨深いというか、嬉しいです。THE BACK HORNは数年前に対バンさせていただいて。そのときもめちゃくちゃ熱いライブで、今日の弾き語りはどんな感じか本当に楽しみです」

松尾レミ(GLIM SPANKY)

そんなMCの後は、可憐でありながら凛とした強さも感じさせる「美しい棘」を奏で、「みんな今日はライブに来てくれてありがとう! こうやってオンラインでライブするのは挑戦だったんですけど、皆さんと一緒に音楽を楽しめている気分です。また直接会えるようになったら、思いっ切り音楽を一緒に楽しみましょう」と感謝を述べる松尾。そして、最後は名曲「大人になったら」を披露。音楽は距離も時間も超えていく。そんな形のない真実も、この曲を聴いていると確信できる。「特別感あるライブでうれしい」「涙出てくる」と、最後までその素晴らしさに感嘆する声でチャットが埋め尽くされた、松尾レミの渾身のパフォーマンスだった。

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

ライブ後は、「こうやってライブするのは本当に久々で。ちょっと感覚を忘れちゃったところもあったので、緊張したー!(笑)」と松尾。そして、松本とは初対面というTHE BACK HORNの山田将司が「楽しみにしてきました。ライブをやるのは5ヵ月ぶりだもん。去年の12月末から全然人前で歌ってないんで」と意気込み、いよいよこの日の大トリの出番に。

山田将司(THE BACK HORN)

ド頭のソロ曲「きょう、きみと」から、これぞ山田将司な世界観に一気に引きずり込まれ、この歌声を欲していたことを、その言葉の1つ1つと、つま弾くギターの1音1音から思い知らされるような幕開け。「緊急事態宣言も解除されましたけど、1ヵ月半も家から動けないのはつらかったね、お疲れ様でした」とオーディエンスをねぎらいながら、お次はTHE BACK HORNの「月光」を。チャットもどよめく選曲、家にいることを忘れさせるような求心力、画面にくぎ付けになってしまう迫力はさすがだ。

「この熱い感じを早くライブハウスで味わいたいなと思いますけど、皆さん元気してますか? この時期だからこそできることを探して、時間を無駄にしたくないなという気持ちもありますが、将来的にこれからどうなっていくんだという不安もいっぱいあると思うし。そんなときこそ音楽で少しでもモチベーションが上がったり、寂しい気持ちに寄り添ったり……そうやって音楽を活かして、みんなで乗り切っていきましょう」

山田将司(THE BACK HORN)

続く「冬のミルク」は21年前に世に出て以来、リスナーのみならず後進のアーティストをも魅了し、勇気づけてきた曲。まさに魂の歌ともいうべきドラマティックな楽曲には胸が熱くなる。そして、チャットをチェックしながら「ライブ、久しぶりだな~。熱がこもり過ぎちゃう、5ヵ月分の」と微笑み、「ここは我が家ではありません、レコード会社の会議室です(笑)。オンラインライブは初めてで不思議な感じがします。会えないですけど、皆さんと一緒にライブをやってる気持ちです。ありがとうございます!」と最後に聴かせたのは、喜納昌吉の「花~すべての人の心に花を~」のカバー。この曲、この歌声という生命力しかない黄金配合が、問答無用に心を震わせる。言葉を失うほどの感動が押し寄せる、最強の新入部員による圧巻のエンディングとなった。

山田将司(THE BACK HORN)

樋口からの称賛の声に「歌を人に届けるというのは……俺はこういう仕事をやってたんだなと。まだTHE BACK HORNでいられましたね」と笑う山田。ここで出演者が勢揃いし、オーディエンスに向けたスクショタイムを実施した後は岸本氏も再度合流し、公開打ち上げ的なリラックスしたムードの中、次回の6月中の開催をお約束。トライ&エラーでグングン進化していくオンラインライブの利点が見事に機能した、第2回目の「リモート編♪」となった。

『FM802弾き語り部 リモート編♪vol.2-at #オンラインライブハウス_仮-』

取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=FM802提供(渡邉一生)

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