「大草谷津田いきものの里」毎月第3日曜日に自然観察会も【千葉市若葉区】
首都圏に位置する千葉市は自然環境にも恵まれ、かつては多くの「谷津田」(谷地の田んぼ)があり、そこは人々の生活に密着した場所でした。
大切な谷津田の自然保全と整備に努める
都市化の進行・農業形態や生活様式の変化などにより、この半世紀で市内でも多くの谷津田が消滅。
現在は約60カ所まで減少しました。
千葉市は谷津田の減少による「生物多様性の低下」「生物個体群の孤立化」「谷津田の荒廃」などを憂い、2003(平成15)年に谷津田の自然の保全を目的に「保全施策指針」を策定。
これは、土地所有者の了解を得て市民団体などと協力し谷津田を整備、新たな「谷津田の自然」を創造し、保全するというもの。
市民が自然と触れ合ったり学んだりし、安らぎを得られる場所になることを目指しました。
よみがえった自然の景観と多様性
そうしてよみがえった谷津田の一つが「大草谷津田いきものの里」です。
開設して約20年、この場所はボランティアの皆さんの大きな貢献もあり、素晴らしい谷津田となりました。
広い敷地には水田や雑木林が広がり、さまざまな昆虫、カエルなどの両生類、数々の草花など生き物と緑がいっぱい!
谷津田を巡る「自然観察路」が造られ、見どころには解説板も設置されています。
昆虫や卵などを見つけるのは慣れないと難しいのですが、毎月第3日曜日午前中に「自然観察会」が開かれ、「自然観察指導員」が案内します。
毎月大勢の家族が参加、子どもたちは自然の営みに目を輝かせています(8月除く・要予約)。
「大草谷津田いきものの里」の目標
「大草谷津田いきものの里」の自然再生への目標は二つ。
長期的には、昔営巣していたといわれる「コウノトリ」がすめる自然再生。
短期的には「ホタル」が舞い、「メダカ」が群れて泳ぐような、生き物が共に暮らす里づくりを掲げています。
ここでは田植えから収穫まで行いますが、5月の田植え、10月の稲刈りは市民の参加を募集します。
「自然豊かな谷津田を地域市民の皆さんと一緒に育て、次世代を担う子どもたちに引き継ぎたいと考えており、保全活動の講座やいろいろな活動団体の紹介も行っています」と市の環境保全課。
ふるさとを思わせる原風景は、春夏秋冬それぞれ異なる味わいがあります。
その時季ならではの生き物や自然に出合いに足を運んでは。
住所/千葉県千葉市若葉区大草町442
問い合わせ 電話番号/043-245-5195 千葉市環境保全課 ※毎月第4火曜日に有志による動植物調査も実施。詳細は問い合わせください。
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