【野田市】年に1度の特別公開「絹本著色釈迦涅槃図」
野田市下三ケ尾にある普門寺で、2月11日(日・祝)に、千葉県指定有形文化財の「絹本著色釈迦涅槃図(けんぽんちゃくしょくしゃかねはんず)」が特別公開されます。
年に1度、この日限りの公開です。
※写真は全て昨年撮影
千葉県の絵画史上、特に意義のある作品と評価
涅槃図とは、お釈迦様が今まさに亡くなろうとしている光景を描いた絵図。
命日である2月15日に行われる法要「涅槃会(ねはんえ)」で飾られるものですが、普門寺では、毎年その直前の祝日である2月11日に一般公開しています。
卜仙(ぼくせん)による1537(天文6)年の作品で、初めに絹の布地に下絵を描き、絵の具などで着色する「絹本著色」と呼ばれる手法が用いられました。
中央にお釈迦様が横たわり、その周りを弟子たちが囲み、上空には月、下方には状況を知って集まる生き物たちが描かれています。
ゾウやトラなど大型動物からウサギやネズミなどの小動物、トキやツルなどの鳥類、トンボやヒキガエルなどの昆虫まで約40種50頭。
一般的な涅槃図に登場するものをほぼ網羅した細かな描写は、千葉県の絵画史上特に意義のある作品と評価され、1982(昭和57)年に千葉県有形文化財に指定されました。
当日は、卜仙が天文6年に描いた根拠となる墨書きや、鮮やかに彩色した涅槃図も展示。
資料の配布や住職による説明も受けられます。
また、御朱印もこの日に限り「御涅槃会」の文字が入った特別版で頒布されます(有料)。
野田市指定有形文化財の閻魔大王も公開
さらにこの日は、普段は扉が閉まっている閻魔(えんま)大王像も御開帳されます。
江戸時代の1652(承応元)年に造られた寄木造りの座像で、数回の補修を経て、1988(昭和63)年には140年ぶりの大修理が行われました。
完全に解体し、欠落していた玉眼や笏(しゃく)を新調。
からだ全体を彩色し直し、90年に野田市有形文化財に指定されました。
境内には他にも大黒天や弁財天、利根運河大師などの見どころがたくさんあります。この機会に訪れてみては。(取材・執筆/琉)
絹本著色釈迦涅槃図 特別公開 日時/2月11日(日・祝)午前9時~午後4時 場所/普門寺 住所/千葉県野田市下三ケ尾545 料金/無料、申し込み不要
問い合わせ 電話番号/04-7138-0230 普門寺