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主演・稲垣吾郎「僕にぴったり」~PARCO PRODUCE2026『プレゼント・ラフター』初日前会見&ゲネプロレポート

SPICE

(右から)倉科カナ、稲垣吾郎、小山ゆうな

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』が2026年2月7日(土)から東京・PARCO劇場ほかで開幕する。
イギリスのショービジネスで活躍し、数々のヒット作を生み出した20世紀を代表する劇作家のノエル・カワード(1899-1973)。俳優、作詞家、作曲家、映画監督としても才能を発揮したマルチアーティストであったノエル・カワードの半自伝的作品とも言われる『プレゼント・ラフター』は、ラブコメディであると同時に、演劇界の裏側が描かれた風刺的喜劇として、1942年の初演以来繰り返し上演されている。2017年のブロードウェイ版では主演のケヴィン・クラインがトニー賞を受賞、19年上演のマシュー・ウォーチャス演出版は「ナショナル・シアター・ライブ」でも取り上げられ、世界各地の映画館で上映された。
初演から80年以上経った今もなお注目を集め続けている本作が、この度、主演のギャリー役に稲垣吾郎を迎え、“日本本格上演”される。開幕を前に、同劇場で初日前会見とゲネプロ(総通し舞台稽古)が行われた。その様子を写真とともにお伝えする。

稲垣吾郎

ーー初日に向けた今のお気持ちをお聞かせください。
演出・小山ゆうな(以下、小山):この作品はコメディですが、現象の面白さというよりは、人物をすごく深く掘り下げて、「この人がこれを言うから面白い」みたいな種類のコメディなんです。稽古では、出演者の方たちは膨大なセリフ量と格闘しながら、人物像を掘り下げて、時間をかけて丁寧に積み上げて作ってきて、劇場に入ってからも、プランナーの方やスタッフの方も「こういう人だったら、衣裳はこういう風に着るよね」といった最後の細かい調整も今行っている最中なんですけれども、いい形で積み上がってきているかなと思います。最後はやはりお客様が入ってくださって作品が完成するので、初日がとても楽しみです。
稲垣吾郎(以下、稲垣):いよいよ『プレゼント・ラフター』、開幕です。楽しみです。とてもワクワクしています。僕はPARCO劇場には10年ぶりに出させていただくので、(劇場が)新しくなってからは初めてなんです。僕が20代前半の頃にPARCO劇場でお芝居をやらせていただいて、演劇に取りつかれたというか、これからも舞台をやっていきたいなと思うようになった思い入れも思い出もある劇場です。それからいくつかの作品をやらせていただいて、今日に至るわけですが、見に来てくださるお客さんにとっても、やっぱり特別なPARCOのステージだと思います。
倉科カナ(以下、倉科):私もPARCOさんが新しくなって初めて立たせていただきます。今回は、キャスト・スタッフの皆さんが素晴らしい方々ばかりで。読み合わせの期間もたくさんあったり、(脚本の)ノエル・カワードさんがどういった方なのか勉強会をしたり、緻密に積み上げてきました。コメディなんですけど、すごく緻密に積み上げてきた作品です。生きていると、苦しいこととかもたくさんあるけれども、劇場に来て、笑い倒せるような作品になってると思いますので、大いに笑いにいらしてくださったら嬉しいなと思います。

倉科カナ

ーー小山さんはこの作品の演出をされてみていかがでしたでしょうか?また、本作の魅力をお伺いできればと思います。
小山:すごく魅力的なキャストの皆さんが集まってくださいました。しかもいろいろな出自で、それぞれ一人ひとりがめちゃめちゃパワーをくれて、アイデアもたくさんある方たちなので、そこを楽しんでいただければなと思います。稲垣さんのギャリーは、見ていただいたら分かると思いますが、本当にぴったりで本当に素敵! それがこの作品の1番大きな魅力かなと思っています。
ーー稲垣さんはギャリー役を演じてみていかがでしたでしょうか?
稲垣:僕にぴったりですね(笑)。厳密に言ったら全然違う人間なんですけれど、世の中の方が思う、パブリックイメージと合わせて見ていただけるのも楽しいですし、何よりも80年以上前の作品でも今の人が見ても楽しめる作品ですしね。……稽古場は笑いが絶えませんでした。皆さんの芸風もそれぞれだから、稽古の前に(プランを)考えてきて、それを披露して、笑いが止まらない。真剣にやらなきゃいけないのに笑っちゃって、演出家としては心配ですよね?(笑)。でもね、笑いが本当に止まらないぐらい楽しくて。お客さんが入ったらまた変わってくると思いますし、とにかく楽しいですね。
ギャリーは、スター俳優で、作家をしたり、映画を撮ったり、ファッションリーダーになったりと、いろいろな面を持つ魅力的な人間です。でもスターゆえに孤独も抱えていて、常に人にどう思われてるかを気にして、自意識過剰なところもあるし、たまに爆発して癇癪を起こしたり、ヒステリックになったり。まさに僕そのものだと……いや、そんなことない(笑)。でも自分を解放できる感じがして。演劇の世界で、解放してコメディにさせているので、とても楽しくやらせていただいております。

小山ゆうな(演出)

ーーそんなギャリーの妻役リズを演じてみて、倉科さんはいかがでしょうか?
倉科:すごく難しかったですね。リズはギャリーの妻でもあり、ビジネスパートナーでもあって、すごくクレバーな女性です。本当に頭の回転が速すぎて、自分が追いつかないこともすごくあって、結構作っていくのが難しかったんですけど、稲垣さんがすごくリードしてくださって、楽しい夫婦が出来上がったなと思います。
ーー稽古場の雰囲気はいかがでしたでしたか?
倉科:すごく穏やかでしたよね。みんなが和気藹々といろいろなアイデアを持ち込んで、ああでもない、こうでもないと、風通しのいい現場だったなと思います。稲垣さん自体が穏やかでたおやかなので、多分稲垣さんが作ってくださった空気感なんじゃないかな。
稲垣:いやいや、僕は端っこで爪を噛んでいるだけです(笑)。倉科さんは本当に笑顔が素敵で、爽やかで、場が華やぎますよね。本当楽しかったです。穏やかで、無理もしないで、すごく自然体で、大人の距離感で。……あれを聞いてくれたじゃないですか。性格判断。
倉科:MBTIですね(笑)
稲垣:初めての共演で、僕って何を考えているか分からないじゃないですか。だからMBTIを聞かれたんだろうなと。で、あれって、調べるのに少し時間かかるので、家に帰ってから調べて、僕は「擁護者」だったんです。それを報告したら「あ、そうですか」で終わりました(笑)。あれは僕が盛り上げられなかったから悪いんですか?(笑)
倉科:いや、そうなんだと思って。私もあまり詳しくないので(笑)
稲垣:まぁそういう感じで楽しい稽古場でした(笑)

取材に応じる稲垣吾郎(中央)、倉科カナ(右)、演出の小山ゆうな(左)

ーー稲垣さんと倉科さんは今回初共演ということで、今まで持っていた印象と、今回共演してみて何か変わったところはありますか?
倉科:私のこと知ってました?(笑)
稲垣:もちろん、もちろん。画面を通じて見てましたし、倉科さんのこと、みんな好きじゃないですか。世の男性はみんな好きですし、女性もやっぱ憧れる存在ですし、明るくて、ずっと笑顔じゃないですか。僕はあまり歯を出して笑わないから……僕は生まれ変わったら倉科さんになりたい(笑)。羨ましい。「笑顔が素敵」とか「雰囲気が華やぐ」というのはパブリックイメージであるかもしれないけど、意外とサバサバしているというか、男前というか、そういうところもありますよね。
倉科:稲垣さんはミステリアスな印象があったので、お会いするまでどんな方なんだろうと思っていたんですが、実際にお会いしたら、本当に穏やかで、みんなを受け止めてくださるような包容力のある男性で。心地よかったです。こんなにチャーミングなんだと思いました。

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

ーーギャリー役は人気者ゆえに孤独感や老いへの恐れがあるということですが、稲垣さん自身がそういう孤独感などについて考えていることがあったら教えてください。
稲垣:孤独感というのはあまり感じていないですね。老いに関してはどうでしょうね。年相応に、年を重ねてその年齢なりの魅力を出せるような人間になれればいいなとは思っていて、あまり老いを恐れることもないかもしれません。ただ、もちろん、舞台に立つので、健康に気を付けたりはします。すごく普通の答えになってしまいましたが(笑)。
ーーギャリー役はスター俳優ということで、稲垣さんに「ぴったり」だと思うのですが、演じる上で心掛けていることを教えてください。
稲垣:今皆さんがご覧になっていただいているのは、この主人公ギャリーの家なんですね。描かれているのは、舞台裏というか、プロデューサーさんやマネージャー、使用人といった身内との会話で、「表」ではないんです。そのギャップみたいなもの、1人の人間としてのちょっと孤独みたいなものは表現できたらなと思ったりしてます。この年齢になったからできる役だなと思います。

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

ーー最後に公演を楽しみにされてる皆さんにメッセージをお願いします!
稲垣:『プレゼント・ラフター』、いよいよ開幕となります。東京・PARCO劇場でやりまして、京都、広島、福岡、宮城と全国をまわります。この作品の初演は1942年で、もう80年以上も前の作品なんですけれども、でも現代でも通じる普遍的なテーマというか、今の皆さんにも楽しんでいただけるとても楽しいコメディ作品なので、劇場に来ていただいて、たくさん笑って、楽しんでいただけることを願っております。劇場でお待ちしております。よろしくお願いします!

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

ゲネプロ(総通し舞台稽古)を見た。
舞台はロンドンにある高級アパートメントの一室。実力とカリスマ性を兼ね備え、誰からも好かれるスター俳優ギャリー(演:稲垣吾郎)は、人気俳優ならではの孤独感と老いへの恐れを抱えている。元妻のリズ(演:倉科カナ)、秘書のモニカ(演:桑原裕子)、使用人のフレッド(演:中谷優心)、家政婦のミス・エリクソン(演:広岡由里子)は、慣れた様子でそんなギャリーをあしらう。アフリカツアーへ出発する彼の元に、劇作家志望の青年ローランド(演:望月歩)、マネージャーのモリス(演:浜田信也)、演劇プロデューサーのヘンリー(演:金子岳憲)、ヘンリーの妻ジョアンナ(黒谷友香)、女優志望のダフネ(演:白河れい)といった個性的な面々が次から次へと現れ、騒動を巻き起こし——というストーリーだ。

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

演出の小山が「現象の面白さというよりは、人物をすごく深く掘り下げて、『この人がこれを言うから面白い』みたいな種類のコメディ」と会見で述べていたが、まさにその通りの作品だった。何しろ、今回の主役のギャリーはあの稲垣吾郎。舞台を見慣れていない人でも、芸能に疎い人でも、「稲垣吾郎」と聞けば、あのルックスが思い浮かぶだろうし、「ミステリアスな雰囲気がある」「ワイン好き」といったイメージを持っていることと思う。作品ではギャリーとして生きているので、決して稲垣吾郎の話ではないはずなのだが、「世の中の方が思うパブリックイメージと合わせて見ていただけるのも楽しいです」と本人が言うように、稲垣がやるからこその面白みが十二分に出ていた。

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

PARCO PRODUCE 2026『プレゼント・ラフター』のゲネプロの様子

倉科カナ、黒谷友香、桑原裕子、浜田信也、広岡由里子ら、実力派俳優がしっかりと脇を固める。個性的なキャラクターで、80年以上前に書かれた作品ではあるが、それぞれが「あーいるかも」と思わせるリアリティのある芝居と役作りで好感が持てた。人間関係の把握にやや苦戦するかもしれないが、一人の俳優の「舞台裏」と言う目線で見ると、割とすっきりと全体を見られると思う。
1幕は約70分、20分の休憩があり、2幕は約60分。笑いとちょっぴり切なさが交錯する『プレゼント・ラフター』、ぜひお見逃しなく!

取材・文・撮影=五月女菜穂

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