金子勝「おこめ券は多分転売されますよ」
11月13日の「大竹まこと ゴールデンラジオ」(文化放送)では、政府の「おこめ券」支援の話題から、依然高止まりが続くコメ価格についても取り上げた。
番組では、まず朝日新聞の記事を紹介。
11月12日に明かされた総合経済対策の原案に、食料品高騰に対する「おこめ券」などの支援や、中小企業の賃上げを後押しするための「重点支援地方交付金」を増やすことなどがあった。
金子勝「おこめ券を出して、コメの値段が下がると思いますか? 逆でしょ。今はスーパーで売られているコメの平均が、5kgで4,200円なんですよ。この値段でおこめ券を配るじゃないですか、多分これは転売されますよ。農家への先払い金っていうのがあって、それが高くなってるから、コメの価格が高止まりしてる」
砂山アナ「買い取りの段階で、値段が上がってるってことですよね」
金子「そのおかげで、コメの需要が減り出している。卸業者も売れるかどうか自信がなくなってきてる。そこで出てきたのが『おこめ券』なんですよ。人為的に需要を作って売りさばけば、コメの暴落は防げるという発想なんです」
青木理「農水省が考えたんだか誰が考えたんだか知らないですけど、対症療法としては、一石二鳥だろうみたいなのが、発想としてはあるんだろうね」
金子「そう。国がそういうやり方をしてる。石破総理は『米を増産だ』としたけど、実際には豚のエサにしていた飼料米のようなものを、主食米に転換する形で、40万トンくらいを増産にして、コメの値段を下げる方向へ動いたわけ。でも今の農水大臣はそれを辞めさせようとしてる。
農家は目先のコメの値段が高いと嬉しいじゃないですか。だからコメの値段を高くしようとしてるけど、実は暴落の可能性がある。減反をやられた上に暴落したら、コメ農家は立ち行かなくなる。
本当は農家の経営を安定させて、コメ作りをやめないようにしなくちゃいけないのに。それくらい今までの農政というのは、ボロボロのことをやってきたんです」