学生発表会 「副産物米粉でゴミ袋を」 創価大 丸田ゼミが最優秀賞〈八王子市〉
八王子にゆかりのある学生らが研究成果を披露する「学生発表会」(大学コンソーシアム八王子主催)が昨年12月に行われ、「八王子市長へ直接提案」部門で創価大学(丹木町)の理工学部・丸田晋策ゼミが最優秀賞に選ばれた。八王子産吟醸酒を製造する際に副産物として生まれる米粉でつくるゴミ袋を市の指定ゴミ袋にすることを提案し、そのSDGsに配慮した先進的な内容が評価された。
同発表会は、八王子を中心とする大学等25校が加盟する「大学コンソーシアム八王子」(旭町)が主催。産学連携や地域活性化が目的で、加盟学生らが日頃の研究成果やアイデアを発表する。口頭・ポスター・展示発表のほか、八王子の「農・食」「観光まちづくり」「市政」への提案セッションも設けられた。今年は過去最多となる305件がエントリー。それぞれの部門で最優秀賞や優秀賞などが決定した。
その中で、石森孝志市長に直接プレゼンできる「市長への直接提案」部門がある。主催者があらかじめ選ぶもので、今回は8団体が選抜された。
直接提案を行い、最優秀賞に選ばれたのは創価大学の丸田ゼミ。塩田賢伸さん、田口尚祐希さん、大松修さん、熊谷峻輔さん、三宅信幸さん、鈴木勝さん、黒坂徹さんの7人だ。
発表したテーマは、「八王子産米粉バイオマスプラスチックを利用した八王子市ゴミ袋の提案」。学生たちは、八王子の地酒である吟醸酒「高尾の天狗」をつくる過程で発生する米粉に目をつけた。通常は家畜のエサなどになるが、これを業者に委託するなどして、米粉率20%のバイオマスプラスチック(再生可能な資源を原料としたプラスチック)のゴミ袋を製造。それを八王子市の指定ゴミ袋として採用することを提案した。
SDGsを日常に
審査では、先進的な取り組みであることや、既に企業と連携して試作品を製作している点が高評価を呼んだ。チームリーダーの塩田さん(4年)は、「提案が実際に実現すれば、一人ひとりの日々のゴミ出しがSDGsへの貢献につながる」とコメントを寄せている。同ゼミの丸田教授は、「強度の点でも、ゴミ袋として使うには申し分ないのでは。現在八王子で使われている指定ゴミ袋と両方店頭などに置き、市民自ら選べるようになってほしい」と力を込めた。
「市長への直接提案」部門のその他の受賞者は以下の通り。
〈優秀賞〉中央大学和田ゼミ/拓殖大学永見研究室〈特別賞〉創価大学和足ゼミ〈奨励賞〉工学院大学経営情報システム研究室/中央大学和田ゼミ/創価女子短大青野ゼミ/杏林大学半田ゼミ