誤嚥してしまったときの正しい対処法は?【長生きのど習慣】
ついやってしまう危ないNG行動
誤嚥時にはどんな対処法が正しいのでしょうか。知っておくと、いざというときに命を守れる確率がぐっと高まります。周囲の人のみならず、自分を守ることにもつながるでしょう。
まず、やってはいけない行動を確認しましょう。誤嚥してムセている人、咳をしている人にやってしまうことが危険なこともあります。
誤嚥して苦しむ人を助けようと水を飲ませたり、上半身を起こした状態で背中を叩いたりといった行動は、さらに誤嚥を悪化させ窒息を招くので要注意です。
誤嚥時にやってはダメ! NG3行動
【水などを飲ませる】
水やお茶などの飲み物は誤嚥しやすい。誤嚥してムセている人に飲ませると、さらに気管に入ってしまい危険。
【上半身を立てて背中を叩く】
上半身が立った姿勢で背中を叩いては×。気管はまっすぐなので、食べ物がさらに気管の下に落ちる可能性が。
【食べにくいものを食べる】
かたいものを食べ続けては×。やわらかく調理する、トロミをつける、小さめに切るなどの配慮を(きざみ食は×)。
覚えておきたい正しい対処法
前屈みになって吐き出す
上半身を前に水平に倒したり、横向きに寝かせたりして気管を水平にすると吐き出しやすくなる。この姿勢で背中を叩く。
詰まっているものを取り出す
吐き出せない場合は口を開けて指で取り出す。指を押し込まないように注意して。それでも吐き出せなければ救急車を。
異物を吐き出す方法を試す
救急車を待つ間、意識があれば、誤嚥している人の背中に回って、下記の腹部突き上げ法・背部叩打法を試す。
腹部突き上げ法
誤嚥している人の頭を下げて前傾姿勢に。救護者は誤嚥している人の背後から両手を組み、誤嚥している人の腹に当てて上側に押し上げるように圧迫。異物を吐き出すまで続ける。
背部叩打法
上半身を深く前屈させて背中を叩くと吐き出しやすくなる。横向きに寝た状態で背中を叩いてもOK。
【出典】『長生きのど習慣』著:西山耕一郎/熊井良彦
【著者プロフィール】
西山 耕一郎(にしやま・こういちろう)
北里大学医学部卒業後、横須賀市立市民病院に勤務。横浜赤十字病院(現・横浜みなと赤十字病院)耳鼻咽喉科副部長、国立横浜病院(現・横浜医療センター)耳鼻咽喉科医長、北里大学耳鼻咽喉科診療助教授を経て、2004年に西山耳鼻咽喉科医院を開業。東海大学客員教授。藤田医科大学客員教授。嚥下相談医。嚥下認定士。神奈川県嚥下キーパーソン。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医師として、30年間で約1万人の嚥下障害患者の診療を行う。主な著書に『肺炎がいやなら、のどを鍛えなさい』(飛鳥新社)『のどを鍛えて肺炎を防ぐ!』(大洋図書)『誤嚥性肺炎で死にたくなければのど筋トレしなさい』(幻冬舎新書)。
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熊井 良彦(くまい・よしひこ)
長崎大学大学院耳鼻咽喉科・頭頸部外科教授。主な専門分野は聴覚障害、嚥下障害、音声障害。1999年に熊本大学を卒業し、熊本大学での准教授を経て、現職。長崎大学病院嚥下障害治療センター長、長崎大学病院頭頸部腫瘍センター長を併任する。