27年ぶり値上げ バスの初乗り運賃170円→200円 負担増にも市民が理解示すワケ
■しずてつジャストライン 10月1日から運賃改定
路線バスを運行するしずてつジャストラインは、10月1日から運賃を値上げすると発表した。全路線が対象で、片道の初乗り運賃は現在の170円から200円になる。消費税引き上げに伴う値上げを除くと、1997年6月以来27年ぶりとなる。
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静岡市葵区に本社を置くしずてつジャストラインは今年3月、国道交通省中部運輸局長宛に運賃変更の認可申請を行い、9月4日付で認可された。値上げの理由には、運転手不足や燃料費高騰に対応し、路線バスの安定的な運行の維持を挙げている。
値上げは一般路線バス全線が対象で、初乗りは30円増加の200円となる。静岡駅目から中町などの100円区間は150円に値上げされる。
値上げ額は区間によって異なり、静岡市内の190円均一区間を対キロ区間制に改定する。例えば、静岡駅前から静岡総合庁舎前は190円から220円、静岡駅前から県立総合病院は260円から310円に値上げとなる。
通勤定期券の運賃も10月1日に購入分から値上げとなる。9月30日までに購入すれば、現在の運賃が適用されるという。また、すでに使っている定期券は運賃改定後も通用期間内は、そのまま利用できる。通学定期券も値上げとなるが、割引率を5%増の45%に引き上げることで、学生や子育て世代の負担を減らす。
■市民は理解「良心的な金額」、「値上げ分で人材確保を」
高齢者用の定期券「大郷所パス」は1か月が5100円から7000円、3か月と6か月も値上げする。2か月は取り扱いを終了する。対象は現在、「65歳以上または60歳以上の運転免許返納者で運転履歴証明者を提示した人」となっているが、「70歳以上」に改定。夫婦割引きのサービスは終了する。
「電車・バス1日フリー券」や「久能山東照宮静鉄バスセット券」といった企画乗車券も運賃が改定される。運賃の値上げはバスの乗客にとっては負担が増える。ただ、批判的な声は少なく、理解を示す人が多い。
静岡市民からは「近年の物価高騰を考えれば運賃の値上げは仕方ない。初乗り200円でも良心的な金額だと感じている」、「利益を確保しなければ路線が減ったり、便数が減ったりする。路線や便数維持に必要な金額設定で良いと思う」、「2024年問題もあって運転手不足が予想される。免許のない人や高齢者などバスが生活に不可欠な人もいるので、運賃の値上げ分を人材確保につなげてほしい」といった声が上がった。
運賃改定の詳細は、しずてつジャストラインのホームページに掲載されている。
(SHIZUOKA Life編集部)