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少年隊の愛は銀河級!永遠に輝き続ける星のような名曲「君だけに」

Re:minder

1987年06月24日 少年隊のシングル「君だけに」がリリースされた日

少年隊「君だけに」


アイドルの中でも、特別な輝きを放つ「スター」。
遠い宇宙で輝く、憧れるけれど手に届かない。
―― そんなイメージである。

少年隊については特に、私はデビュー曲「仮面舞踏会」で腰が引けてしまっていた。地球の引力を無視して歌い踊る彼らを、とても遠い存在に感じたのだ。

しかし1987年、遥か彼方の星からついに彼らがキュイーンと飛んできて、目の前に降りて来てくれた…… そんな感覚になった一曲が「君だけに」である。

歌い出しが植草克秀(以下、カッチャン)。ここに大きな意味があった。

 君だけに
 ただ 君だけに
 ah めぐり逢うために

初めて聴いたときの衝撃は忘れない。私は少年隊のキャラクターを「宇宙からの使者ニッキ、時空を超えてきた忍者ヒガシ、二人を現世界に繋ぎ止めるコンタクティーカッちゃん」と勝手に設定しているが、それを確信したのはまさにこの瞬間。

それまで「一人バク転ができないことをいじられている、ムードメーカー」というイメージだったカッちゃんが、仰天するような浸透力・包容力ある歌声で心に語りかけてくる。超人的ダンスや身体能力を誇る二人とは違う「静」のアプローチでハイスキルを見せつけられた驚き。

素通りしてきたけど、一度立ち止まって聴くべきか、彼らの歌を!

―― そう思うくらい説得力のある「君だけに ただ 君だけに ah めぐり逢うために」であった。「邦楽歌い出しランキング」があれば、私は迷わずこれを推す!

センター・アイドル・バラード… あらゆるボーダーを超えた奇跡の曲


この曲はパチン、パチン、パチン、という静かなる指パッチンから歌が始まる。これは宇宙船が地球に降りてきたときのシグナル。そこからカッチャンが歌い出しでまず地球とコンタクトを取る。ヒガシがさらに夜の静寂を揺らすように波動を遠くに飛ばす。しばらくニッキは後ろでクルクルと優雅なターンを決めているが、あれはニッキが地球の引力に馴染むのに時間がかかっている……、と妄想すれば、ものすごくしっくりくる!

すべてが宇宙のさだめというか(ああ、少年隊を語るとき、人はその表現に際限がなくなり運命論まで膨らんでしまうという説は本当だった……)、それぞれが一ミリもずれないポジションでパーフェクトに輝いたら、アイドルという凝り固まったイメージも、センターやエースといったグループ内の格差イメージも全部超えた。そんな瞬間を見た気がする。

もう一つ、“アイドルのバラード” のイメージもこの曲は変えた。それまでバラードで踊る、という楽曲もほとんどなかったので、山田卓の振付による柔らかさ・麗しさを備えたダンスにも驚いた。

 君だけに
 (指をさす)
 君だけに
 (指をさす)
 ああ巡り合うために
 (大きく下で手を広げる)

もはやダンスというよりも体から溢れるメッセージ。パフォーマンス全方位から流れ星のように降り注ぐ“遠いところから孤独を背負いながらも、私だけに会うために来てくれた” 感!

聴けば聴くほどロマンチックが止まらないので、動画の「もう一度見る」を何度も何度もクリックしてしまう。仕事にならない。誰か私を止めて―ッ!!

こんなに壮大な曲なのに、レコードジャケットが白バックに太明朝、三人が普通に立っているという超シンプルデザインなのは、私のような聴き手に「落ち着け」とクールダウンを促すための仕様なのだろう。

アイドルの表現力を引き出し、輝かせる “康珍化マジック”


この歌の作詞は康珍化。いや、もう「世界観担当」といっていいだろう。

康珍化は、アイドルが持つ表現者・演技者としての深みを引き出す名人である。石川ひとみの「冬のかもめ」、松本伊代の「抱きしめたい」、菊池桃子の「もう逢えないかもしれない」、郷ひろみの「言えないよ」も彼の作品。

アイドルの持つ陽の中に隠れた “寂しさ” を掘り起こし、大人として成熟した一面を見せてくれるイメージだ。作詞家というよりも名脚本家・演出家のよう……と思っていたら、実際、「君だけに」がエンディング曲となった映画『19(ナインティーン)』の原作・脚本・プロデュースを手掛けていた。納得!

宇宙という無限大の空間から「君だけに」愛を伝える、尊いの極みともいえる康のリリック。筒美京平による、泣きたくなるような美しいメロディがドラマ性を、馬飼野康二の編曲が輝きと瞬きを加える。歌の匠たちが作り上げた時空で、少年隊が言葉一つ一つ丁寧に、心に置くように歌う。

それは祈りにも似た、約4分間の神聖なプレイゾーン。

2022年6月24日でなんとリリースから35年が経つが、これまでも、きっとこれからも、輝きは変わらない。まさに星のような1曲である。

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