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江籠裕奈、私の新章のタイトルは「自分のプロデューサーに就任した」

Pop’n’Roll

江籠裕奈、私の新章のタイトルは「自分のプロデューサーに就任した」

表現者として新たな活動に臨んでいる人物の現在地に迫るインタビュー連載「new chapter -私の新章-」。

第5回目に登場したのは、江籠裕奈。2023年をもってSKE48を卒業し、2024年からソロ活動をスタートした彼女は、これからどのような作品を生み出し、届けていこうと考えているのか。

江籠裕奈が、これまでの活動と、ソロアーティストとしての新章への想いを語る。

・江籠裕奈の写真 7枚

後輩たちが歩める道を作りたかったっていう気持ちもありました

――ソロ活動を決心したのはいつだったんですか?

江籠:
スタッフさんには、2023年になったタイミングで卒業を考えていることを話しました。

――決意したきっかけは?

江籠:
SKE48でいる自分とこれから先の自分を想像した時に、“23歳の今だな”って思ったんです。直感だったので、誰にも相談しませんでした。決めてからは1年間という時間を通して、SKE48でできることをしたいし、想い出を作りたいって思って。1年間いろいろなことを散りばめているうちに年末になっていて。本当にやり切ったなと思いますし、だから後悔もないんです。

――ソロ活動への切り替えもスムーズだったのですか?

江籠:
歌詞、曲選び、デザインなど、全部自分で決めないといけないことの大変さはあります(笑)。それがやりがいではあるんですけど。今まではある程度完成したものを受け取るという感じで、そういう制作過程があることも知らなかったので、そこが1番の違いですね。

――では、ソロ活動を始めた際には不安もなかった?

江籠:
それは、ありましたね。ファンの方たちは、やっぱりSKE48での私を見て好きになってくれた方がほとんどだと思うので、ソロになった時に、まだ好きでいてくれるのかな?と思って。でも、変わらずに応援してくださる方がいっぱいいるので、安心しています(笑)。

――ソロになっても変わらずに自分のことを好きでいてくれる理由については、どう考えていますか?

江籠:
グループにいながらもソロ活動をしていたので、(ソロでの自分を)イメージしやすかったのかなって思います。グループにいる間に、ソロ活動をさせていただけたことはありがたかったですね。

――グループ在籍時から、現在のようなソロアーティストとしてのビジョンは持っていたのですか?

江籠:
なかったですね。やっぱりグループがすべてだと思っていたし、それだけSKE48が好きで、そのために活動していましたから。その中で、いろんなお仕事を経験させてもらって、改めてステージに立って歌って踊ったりするのが好きだなって思うようになって。1人でアイドルとしてたくさんの人を幸せにできたら、それが1番幸せだろうなと思って、1人でもやりたいって思うようになっていったんです。でも、スタッフさんたちからは“なんで、やりたいの?”って言われて。私はアイドルが好きでアイドルになったし、後輩にもそういう気持ちの子がたくさんいる中で、そういう子たちが歩める道を作りたかったっていう気持ちもありました。

――アイドルとしての生き方の選択肢を増やしたいと考えていたんですね。

江籠:
アイドルって、“可愛い”だけの存在ではないと思っていて。私はアイドルのことをすごくリスペクトしているし、すごいお仕事だと思っているから、やっぱり芯の強さがないとできないかなと……可愛いのも好きだからやるし、今はそういうのが好きって言ってくれる人もいるのでやっているけど、それだけじゃないとも思っています。歌で魅せるのもアイドルだし、ダンスとかパフォーマンスで魅せるのもアイドルじゃないですか。具体的な線引きがないから、難しいところがありますけど。

――アイドルの幅広さというと、江籠さんはSKE48時代から作詞にも取り組んでいました。江籠さんの歌詞は、リアルな心情を綴っている印象があります。

江籠:
そういう風に言っていただけると嬉しいですね(笑)。自分だけの歌にしたくなくて、いろんな人にリアルだなって思ってもらいたいんです。やっぱり楽しいことばかりではなかったし……だからこそ今近くにいてくれる人の存在のありがたさを感じています。

江籠裕奈
江籠裕奈

裏の努力を見せないのがカッコいいじゃないですか

――7月31日(水)にリリースする2ndシングル「プリンセステイラー」の制作について話を聞かせてください。まずは、表題曲の「プリンセステイラー」について。

江籠:
「プリンセステイラー」は、1stシングル「はじまる」(2024年3月27日リリース)より前に出会っていたんです。ただ、「はじまる」は、ソロ活動が始まるタイミングにぴったりの曲だったので、1stシングルとしてリリースして、「プリンセステイラー」は寝かせていました(笑)。「プリンセステイラー」は私の中での王道な部分がありつつ、スタッフのみなさんからの“可愛い”が私の売りの1つなので、2ndシングルはこの曲でいきたいという想いも感じていました(笑)。でも、この曲もただ可愛いだけじゃなくて、可愛いの象徴のようなプリンセスも実は苦労しているっていうメッセージ性があるんです。ぱっと聴いたら、やっぱり可愛い印象が強いけど、歌詞を読むと、そういうメッセージがある曲だと感じてもらえると思います。

――今作で、そういうメッセージを伝えようと思った理由は何だったんですか?

江籠:
アイドルを長く続けてきたからこそ、いい部分も悪い部分も知っているということはありました。ただ、スタッフさんからこういう二面性のある曲を歌ってほしいって言われた時は、“えー!?”って思って(笑)。やっぱりアイドルには可愛くいてほしいので。だから、黒い部分を押し出すのではなく、苦労している部分にフォーカスするように心がけました。

――ボーカル面では、ネカティブな感情を表しているBメロは少し怪しいニュアンスのある歌い方になっていますね。

江籠:
そこがポイントの1つになっています。レコーディングでは、可愛いさを全面に出しつつ、その出し加減を話し合いながら決めていきました。

――少し抽象的な質問になってしまうのですが、江籠さんは、自身の可愛い観をどういう風に考えていますか?

江籠:
可愛いって自然にできていくものもあると思うけど、ネガティブな感情とか苦労とかがあることによって、尊さが増すのかなって思っています。だから、そういう可愛いが出来上がるまでの過程を尊重したいというか、大事にしたいっていう気持ちはありますね。

――最近は、そういう苦労の過程やリアリティが求められているところもありますよね。

江籠:
そうなんですけど、私の中には、それを出しすぎるのも違うなっていう考えがあって。実は、この曲の歌詞も、最初はもっと好き勝手に遊んでいいじゃんみたいな内容だったんです。でも、それは違うし、アイドルとして歌いたくないって思って。やっぱり自分の中での理想のアイドル像があるので。

――江籠さんの理想のアイドル像とは?

江籠:
本当の理想は、やっぱりアイドルは……大変なところを見せない。裏の努力を見せないのがカッコいいじゃないですか。可愛いのに、そういうところを見せないのがやっぱり好きだし、尊敬してしまいます。

――確かにアイドルに限らずプロが生み出すものは、本来アウトプットされたもの自体が評価され、その制作過程の苦労などは受け手には関係のないものですよね。

江籠:
最近は、その過程も評価してもらえるようになったけど、やっぱり昔は違ったというか。私の理想像は、昔から活動してきたからこそできたものだと思います。“頑張るって言わないのが当たり前だから”みたいな。体育会系すぎるんですよ、SKE48が(笑)。やっぱりそういうのが根っこにあるのかなと思います。

――江籠さんは、完成した作品を評価してもらいたいという気持ちが強いのかもしれないですね。

江籠:
そうですね。それで、結果的に過程も感じてもらえるのが嬉しいですけど……過程に注目されることが絶対に悪いとは考えてはいないんです。やっぱり私もそうやって応援してきてもらったと思ってるし、日本のアイドルをやっていたので(笑)。でも気持ち的には、常に可愛くいたいよねっていう感じですかね(笑)。

――江籠さんにとっては“可愛い”は、とても重要なものなんですね。

江籠:
私は“可愛い”が1番好きなので。最大限の褒め言葉として……かな。

――可愛いは、深く研究していきたいものですか?

江籠:
でも、自分のことは可愛いって思わないんです。だからこそかもしれない。

――え!? そうなんですか?

江籠:
だから、可愛いって言われたら嬉しいし、可愛くなりたいって思っているんじゃないかな。

――可愛くなるために、自分の中に取り込むことも多いですか?

江籠:
自分の中に取り込むのは、もちろん表面的な可愛いさもなんですけど、グッときたりとか、ときめいたりとか、そういう言葉で言えないものも大事にしたいと思っています。

――そのあたりの感覚を言語化するのは難しいですよね。

江籠:
そうですね。でも、文章を書くことが好きなので、私にとっての“可愛い”を掘り下げて書いてみたいなって思っています。

――それは、とても面白そうな内容ですね。ぜひPop’n’Rollで連載してもらいたいです(笑)。

江籠:
本当ですか?(笑) それができたら嬉しいですね!

江籠裕奈
江籠裕奈

やっぱりファンの方を置いていきたくない

――2ndシングルの話に戻りますが、@Loppi・HMV限定盤に収録される「時々ドキドキ」はどういう曲ですか?

江籠:
普段歌詞を書く時は歌詞を書いてからタイトルを決めるんですけど、この曲は“時々ドキドキ”っていうワードがいいなと思って、タイトルを決めてから歌詞を書きました。感情を振り回されたりすることは、やっぱりSNSでのやり取りが1番近いしウマく表現できるんじゃないかなと思って、題材にしました。好きな人から返事が来た/来ないみたいなことを書いた曲になっています。

――この曲もそういう部分では、リアルな心情を綴ったものですね。

江籠:
私の中ではリアルではないですけど、誰かに共感してもらえるかもっていう部分ではリアルなのかもしれないですね。この曲の歌詞はシチュエーションとかもイメージしやすかったので、けっこう早く書けました。

――通常盤に収録の「雨上がりだ」は、いかがでしたか?

江籠:
雨の曲っていいなと思って、歌詞を書き始めたんです。失恋ソングなんですけど、1回だけ聴くんじゃなくて、何回も聴いて内容を想像しながら考察して楽しんでもらえたらいいなと。言葉の並べ方とかも考えながら作った曲でした。

――歌詞の中で特に工夫した部分は?

江籠:
“雨が止む”と“雨が上がる”という言葉が出てくるのですが、ネットで検索すると“雨が止む”は雨が1回止んだけど、これからまた降るかもしれない時の表現、“雨が上がる”は、雨が止んでこのあとは晴れる時の表現ということを見たことがあって。それが正しいのかどうかはわからないんですが、歌詞に出てくる男の子の状況は“雨が止んだ”なんだけど、強がって“雨上がりだ”とセリフで言っているっていう風に使い分けました。

――江籠さんの歌詞は、読んでいて情景が浮かんでくるものが多い印象があります。

江籠:
ありがとうございます。自分で歌詞を書くようになってから、ほかの人の作品を見ると真似しようとは思っていないけど、自分の中に残っちゃって。気にしないようにはしているんですけどね。誰かにやり方を教えてもらったわけではないので、これでいいのかなって思っています(笑)。

――楽曲にも歌詞にも注目してもらいたい2ndシングルを引っ提げて、この夏は、さまざまなイベントにも出演しますね。

江籠:
そうですね、フェスとかライブに出させていただきます!

――ライブパフォーマンスは、グループ時代とは意識もけっこう変わりましたか?

江籠:
カバーしてくれる仲間がいなくて、歌って踊って煽ってしゃべってを全部1人でやらないといけないので、そこに1番違いを感じます。もっといいやり方がないかなって試行錯誤しているところですね。

――そういう意味では、ステージ上での個性の出し方にも変化があったのでは?

江籠:
グループにいた時は、やっぱりグループ全体の見え方が1番大事だったから、個性を自分勝手に出すことはできなかったですよね。それと比較すると、ソロでは自分を出しすぎるぐらいがちょうどいいのかなって思います。

――今後の目標を教えてもらえますか?

江籠:
やっぱりファンの方を置いていきたくないので、そこを1番大事に考えています。あと最近は、イベントとかフェスで私の名前が発表されたりすると、昔SKE48を好きだった方とかが“え!? 出るんだ!”みたいな感じで反応してくれることがとても多いんです。もう会えないと思ってーーそういうことを考えて作った曲もあるんですけどーーこれからは、そういう人たちにも会えるかもしれないなって思い始めています。

――ソロだからこそのフットワークの軽さも活かせるといいですね。

江籠:
本当にそうですね。やっぱり今は、例えば人数の問題とかで出られなかったフェスとかにも、1人だと出られたりしますよね。“(ソロとして)イベントに出るなら観ようかな”とか、“サイリウムの色は同じかな?”とか、昔を思い出しながら言ってきてくださる方もいるので(笑)。もう会えないと思っていた人にも会えるかもって思ったり、これから知ってくれる人も増えたらいいなって思っています。

――これからの活動が楽しみですね。それでは、最後に江籠さんの新章のタイトルを教えてもらえますか?

江籠:
「自分のプロデューサーに就任した」です(笑)。グループアイドルでも自己プロデュースは大事だったけど、もうその次元にいないっていうか……それはすごく感じます。

江籠裕奈

【特報!】

本インタビュー中に話題になった江籠裕奈のコラム連載が、8月1日(木)よりスタートすることが決定! タイトルは、「江籠裕奈のディープ可愛い論」。毎回、江籠裕奈が今気になっている“可愛い”について綴る。公開は隔週木曜12:00。乞うご期待!

江籠裕奈のディープ可愛い論

江籠裕奈 2ndシングル「プリンセステイラー」通常盤

発売日:2024年7月31日(水)
ZEST-0028 ¥1500

CD+オリジナル生写真1枚入り(全5種中1種ランダム)

■収録楽曲
01. プリンセステイラー
02. 雨上がりだ
03. プリンセステイラー(off vocal)
04. 雨上がりだ(off vocal)

江籠裕奈 2ndシングル「プリンセステイラー」@Loppi・HMV限定盤

発売日:2024年7月31日(水)
ZEST-0029 ¥1500

CD+<トーク会:1枚 or 握手会:3枚>参加券

■収録楽曲
01.プリンセステイラー
02.時々ドキドキ
03.プリンセステイラー(off vocal)
04.時々ドキドキ(off vocal)

<特典会>
2024年8月4日(日)HMV栄 トーク会
2024年8月11日(日・祝)HMVエソラ池袋 トーク会
2024年8月18日(日)HMV栄 トーク会/握手会
2024年9月15日(日)HMVエソラ池袋 握手会
2024年9月16日(月・祝)HMV栄 握手会

<発売日CDお渡し会>
2024年7月31日(水) 
※詳細は後日お知らせします

ライブ出演情報

・2024年8月17日(土) 推し寺アイドルまつりアイドルナイト 真宗大谷派名古屋別院(東別院)
・2024年8月24日(土)、25日(日) miniちかっぱ祭ver.13.0 in OSAKACCO クリエイティブセンター大阪
・2024年8月31日(土) ワンマンライブ 名古屋ダイアモンドホール

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