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未練はないのに…元彼を引きずる理由と「心の痛み・怒り」と向きあうには

ウレぴあ総研

今も好きというわけではないし、復縁も考えない。だけど、元恋人のことがいつまでも心に残って先に進めない。

「どうにもならない人」をずっと引きずってしまうのは、執着なのでしょうか。

本当に未練がないのなら忘れられるはずですが、そうならないのは思い続けることで手放せない何かがあるのかもしれません。

別れた人が何年も心に居座るのはなぜなのか、存在が消えない理由についてお伝えします。

未練はないはずなのに…元恋人を引きずる心理とは

自分の何が悪かったのか分からないままの別れ

28歳のある祥子さんは、1年付き合って自分を振った元彼のことを、別れて2年が経った今でも忘れられないといいます。

「一緒にいても楽しくない」という理由で彼氏から別れ話を切り出されたとき、祥子さんは「ショックだったけど、その頃は仕事が忙しくてそっちに気を取られていて、正直に言えば深く考えませんでした」と、言われるがまま終わりを受け入れました。

そのときは「仕方ない」と割り切っていたはずなのに、仕事が一段落してやっと生活が落ち着いたとき、彼氏に「楽しくない」と言われた自分が蘇ったそうです。

毎日LINEをして休日はお泊りデートもして自分の部屋で彼氏をもてなして、と「自分なりに愛情表現はしていました」と言う祥子さんは、別れから1ヶ月経ってやっと、そんな自分がどうして彼氏に拒絶されたのかを考えるようになります。

「元彼がどうして楽しくないと感じたのか、そこをきちんと話し合わなかったのがまずかったです。

どこが悪かったのか具体的にわからないまま終わってしまったので、あの人につまらないと思われた自分だけが残った気がして……」

そう言って肩を落とす祥子さんは、元彼に拒絶された自分の苦しみを長い期間引きずっていました。

新しい恋愛を邪魔する元彼の存在

「その人に本当に未練はないのですか?」と尋ねると、少し考えてから

「未練って、まだ恋愛感情があるとかやり直したいと思うとかってことですよね?そういうのはないですね、今の元彼のことを知りたいとも思わないし」

と、祥子さんは落ち着いた声で答えました。

復縁を望まない、その人と改めていい関係になりたいと思えないのに、なぜ忘れられないのでしょうか。

「少し前ですけど、マッチングアプリで新しい出会いを探していて、いいなと思える人と知り合いました。

考え方が合うし趣味もおかしなものはないし、仲良くなれたらいいなと思っていたのですが、その人と話していると元彼のことを思い出してしまって。

『元彼はひどい人だった』みたいな愚痴を吐いてしまうことがあって、相手に嫌な思いをさせたと思います。

いつの間にか返事が来なくなって、出会いを自分で潰してしまったって落ち込みましたね」

出会いを掴んでも元彼の気配が顔を出すような状態では、新しい恋愛はできません。

このとき、祥子さんは「実はあの人に未練があるのでは」と自分の気持ちについて考えたそうですが、やり直したいと思うことはなく、「最後に会ったときの、私から目をそらして話す姿ばかり思い出して嫌な気持ちになった」そうです。

未練がないから新しい出会いを求める一方で、いざ親しくなれる男性ができれば元彼の存在が心に浮かぶことに、祥子さんは混乱していました。

未練はないのに元彼を忘れられない理由

客観的に見れば、祥子さんが元彼に向ける感情は嫌悪であり、自分は傷つけられた側という認識があるから、それがしこりになっているといえます。

「まだ好き」の未練はなくても心のなかから存在が消えないのは、自分なりにがんばっていたことが元彼には届いていなかったのだ、と思い知らされるからです。

「一緒にいても楽しくない」と、別れる理由を自分に持ってこられたことが、祥子さんの怒りの元でもありました。

「後になって文句が出るのですよね、自分だって仕事が忙しいとわかっている私に何の気遣いもしてくれなかったとか。

こっちが大変なときに一方的に別れ話を振ってくるのも非常識だと後で思ったし、あなただって私を大切にはしてくれなかったじゃないのって」

眉根を寄せてそう話す祥子さんには、自分の状態を理解しようとしなかった元彼への明確な怒りが見えました。

「確かに会う時間はなかなか作れなかったけれど、私は精一杯やっていた」が祥子さんの実感であり、それが報われずに終わったことが痛みとなって心に残っているといえます。

未練はないけれど元彼を忘れられないのは、「理解されなかった自分」への悲しみが消えないからなのですね。

前に進めない本当の問題とは

一方で、別れ話が出たときに「正直に言えば深く考えなかった」のも祥子さんの事実です。

楽しくない理由は何なのか、元彼ときちんと話し合えていれば別れずに済んだのかもしれないけれど、「仕事のことで頭がいっぱいで、元彼と向き合う気力がありませんでした」は祥子さんの事情ですよね。

仕事が忙しいとわかっているタイミングで別れ話を切り出す男性のほうも確かに問題があるといえますが、向き合えないのなら「もう少し待ってほしい」と伝える選択も祥子さんにはありました。

相手の「別れたい」を、言われるがまま「わかった」と受け入れてしまったことが後になって痛みを生み、元彼への怒りを引きずる状態になっています。

その痛みを解決するには、元彼とふたたび話し合う必要がありますが、現実的ではありません。

復縁を考えないのにどんな理由で元彼と接触すればいいのか、2年前の別れを今さら持ち出すことに祥子さんは前向きな気持ちを持てずにいました。

「私が忘れるしかないのだって、わかっています。

向こうは私のことなんてとうに忘れているだろうし、今さら声をかけたって気持ち悪いと思われたら余計にショックだし、どうにもできないのですよね……」

自分だけが過去を引きずることの虚しさを祥子さんは実感しており、痛みの解決をどうすればいいのか、問題の核はそこにあると感じました。

解決できない「痛み」をどうするか

現在の祥子さんは、マッチングアプリを退会し新しい出会いは求めていません。

出会いを掴んでも結局は元彼に苦しめられる自分を見れば、次の恋愛にも積極的にはなれないですよね。

抱えた痛みを解決しない限り前には進めませんが、そのためには当時の「報われなかった自分」への事実を改めて受け入れる必要があります。

元彼がどうであれ、自分はがんばったのだと思えるのなら、見るべきはそこです。

「拒絶された自分ではなく、がんばった自分を思い出して『それでいい』とできたらいいですよね」

そう言うと、祥子さんは小さくうなずきました。

元彼とつながりが切れていることはむしろ幸運で、姿を見かければ当時のことがネガティブに思い出されるけれど、そんな機会もないのなら「元彼に通じなかっただけ」ときっぱりと割り切る力で痛みを断ち切れます。

今の現実は自分の選択の結果でもあって、それを忘れないこと、「次は恋人ときちんと話し合おう」と改善を考えるのも自分のためです。

過去の「報われなかった自分」を、これからの「好きな人との関係にがんばれる自分」にする勇気が、不毛な執着から抜け出す力になります。

過去はそれで置いておく、これから自分は「どうありたいのか」に集中してみると、元彼に縛られず自由に恋愛を楽しめる自分の姿が想像できるはずです。

自分の本音を知るには…

別れた恋人に向ける怒りや不満は、これから解決することが難しいからこそ心を縛ります。

拒絶された自分の痛みを意識すると、誰かと出会っても広い視野を持てずに痛みの解消に気が向いてしまい、一対一の会話も楽しめません。

本当に意識を向けたいのは「自分はどうありたいのか」を知ることで、元彼を忘れて新しい恋愛を楽しむ自分になりたいのが本音なら、そこに集中するのが正解です。

痛みは自分で解決する、過去にとらわれるのではなくそのとき努力した自分をきちんと受け入れる姿勢が、次の恋愛でも人を大切にする意識を失いません。

「私にも反省するところはあって、次はいい加減な対応をしないと決めています」

と話す祥子さんは、自分に向ける希望を忘れていませんでした。

相手が不在のままの執着は、抱え続ける限り苦しむのは自分です。

手放す勇気は自分を大切にする心から生まれるもので、本音を知って気持ちを切り替える努力を、これからは心がけたいですね。

未練ではなく執着で過去の相手を受け入れたままにすると、怒りや悲しみのようなネガティブな感情が湧くのを止められません。

新しく関係を結びたいのは別の人、と思えるのであれば、過去の痛みを学びとして受け止め、自分を変えていくことで過去よりも幸せと思える恋愛を掴めます。

自分を諦めないことが肝心なのですね。

(mimot.(ミモット)/弘田 香)

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