浜松開誠館がサッカーU-18プリンスリーグ東海で破竹の勢い!8戦負けなしでついに暫定首位に!好調の要因は?
サッカーのU-18プリンスリーグ東海で浜松開誠館が8戦負けなし(7勝1分け)と破竹の勢いを見せている。後期初戦となった7月20日の藤枝明誠戦で2−1の逆転勝ちを収め、暫定ながらついに首位奪取に成功。これ以上ない形で中断期間を迎えた。
浜松開誠館は開幕2試合こそ藤枝明誠に0−1、藤枝東に2−3と惜敗したが、その後はジュビロ磐田U-18や清水エスパルスユースなどの優勝候補を立て続けに撃破して4連勝。第7節の名古屋グランパスユースB戦は立ち上がりの2失点が響いてドローに終わったものの、その後は再び3連勝とノリに乗っている。
選手たちが好調の要因として真っ先に挙げるのは、チーム伝統のスローガン「闘う、走る、粘る」を徹底していることだ。開幕2連敗の後、コーチ陣が分析用に作成した試合映像を見直し、自分たちがいかに“サッカーの原理原則”を忘れていたかを再確認したという。
エースのMF森下太陽(浜松開誠館中出身)は言う。「土台が良くなってきた。自分たちが大事にしていることや、やるべきことを見直したことが良い結果につながっていると思う」
「闘う、走る、粘る」に支えられた高い技術
2005年の創部以来、浜松開誠館は「フィジカル重視」のイメージが定着してきたが、最近は決してそれだけのチームのようには映らない。ピッチで戦うことのできない選手はレギュラー争いの土俵に上がることはできないが、実際は足元に自信のある選手は多い。
2列目の森下や橘風芽(浜松開誠館中出身)は少ないタッチでボールをさばき、ゴール前で巧みなシュート技術を発揮する。サイドアタッカーの安藤則斗(グローブス出身)は小柄ながら俊敏な動きで相手の守備ブロックをさらりと突破していく。
チームのベースとなる「闘う、走る、粘る」に支えられ、個性豊かな選手たちがそれぞれの正確な技術を発揮している。
元Jリーガー青嶋監督「まだまだプレッシャーを怖がっている」
プリンスリーグ東海での快進撃は、2022年度に全国高校選手権に出場したチームを思い起こさせる。当時は第8節から最終節まで11戦負けなし(10勝1分け)。一気にリーグの頂点に立ち、同時に4年ぶり2度目の選手権出場も果たした。
清水商業高時代に全国選手権で頂点に立ち、清水エスパルスでも活躍した青嶋文明監督は「課題が出てきては修正して、の繰り返しで徐々に伸びてきていると思う」と手応えを口にする一方、攻撃面での課題を指摘する。
「ボールを前進させるところで、まだまだプレッシャーを怖がる選手が多い。あとは、最後の崩しの部分。常に状況判断の必要性はついて回ることだが、ポケットを取ることや、そこからのアクションの起こし方などは、もう少し整理が必要かなと思う」
インターハイの出場を逃した今夏は、8月6日に石川県で開幕する和倉ユースに参戦する。全国から集まる強豪の胸を借り、自分たちの課題をもう一度あぶり出すつもりだ。「選手たちが前向きに取り組めるような夏を過ごしたい」と指揮官は言う。
プレミアリーグ昇格と全国選手権出場。“県西部の雄”は2つの目標をしっかりと射程圏内に捉えながら、チーム強化を進めている。