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未来の鉄道の姿を垣間見る!最新の技術や試験ってどんなことをしてるの?第9回鉄道技術展に行ってみた

鉄道ホビダス

text & photo:鉄道ホビダス編集部

 最新の鉄道技術の展示会である「鉄道技術展」が幕張メッセで行われています。ここは鉄道に関する様々な最新技術が見られる展示会として、全国各地から関連業者が訪れるイベントとなっており、今年も多くの事業者が参加しました。ここでは近い将来実現するかもしれない身近な技術を中心に、その展示内容をご紹介していきます。

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■表示器の最新テクノロジー 時代は高精細化・ハイテク化

 フルカラーLEDが普及して以降、急速にその表現の幅が広がったLED表示器。その進化はとどまるところを知らず、現在より高精細な表示器が次々と登場しています。新陽社のブースでは、こうした最新の表示器がずらりと並べられ、中には実際に鉄道の現場で使用されているものも。特にJR東日本などでも採用例のあるディスプレイタイプのものは表示できる情報量も段違いです。このようなカラフルな表現ができる発車標は、特に列車種別の多い事業者からの受注が多いとのこと。種別が多い分、色分けがより細やかにできることが重要になってくるようです。また近年では「CUD(カラーユニバーサルデザイン)」と呼ばれる考え方が普及し始めており、様々な色覚を持った方でも見やすい色というのも要求されているとか。このCUDに対応した色の表示実演もされており、誰にでもより見やすい表示器がどのようなもののなのかを体感することもできました。

電子ペーパーを利用した電気掲示器。ものの数十秒で表示内容を変えることができ、さらに電気が流れていなくとも表示内容は維持される。

 さらに電子ペーパーを利用した電気掲示器の実演も行っていました。一見従来の固定案内サインに見える表示器が実は電子ペーパーによるものとなっており、接続されたPCから一度情報を送信するだけで表示内容が変わるという実演展示がされていました。表示できるものは一般的な案内のほか、写真などの表現も可能ということで、これからの案内表示の可能性を垣間見ることができました。

 ちなみにこの新陽社ではこうした鉄道系の表示器を製作している関係から、実物と同じ素材を使ったミニチュアの駅名標といったグッズ展開も行っているとか。レイル・ファンとしてはこちらもなかなか見逃せないものがありました。

■日進月歩の改札機や券売機たち 顔認証からICカードを感知するものまで

JR東日本が展示しているウォークスルー改札。見た目も近未来的だ。

 今回の展示では改札機や券売機の進化も見ることができました。JR東日本では顔認証やQRコードといったものではなく、改札機にミリ波通信を利用したカードケースへ従来のICカードを入れるだけで、タッチせずとも通過できる最新改札機を展示。実際に通過体験をしてみると、目立ったラグもなくスムーズにウォークスルーできました。これからの実用化にも期待したいところです。

 高見沢サイバネティックスではなんと目線を読み取りハンズフリーで操作ができる自動券売機を展示。こちらも実際体験してみたところ、意外にも思い通りにカーソルを動かすことができ、思っている以上にストレスなく切符を購入することができました。こうした券売機はハンデキャップのある方のみならず、両手が塞がっている場面でも活用ができそうな技術と言えるでしょう。

■今や一般的なステンレス車体 その最新技術とは

左から0S構体・1s構体・2S構体と、右に行くほど溶接痕がわかりにくくなっていく。

 通勤電車をはじめ、現代の鉄道車両においてステンレス車体は極めて一般的なものとなりました。そんなステンレス車体の進化を展示していたのが総合車両製作所です。「sustina」ブランドで全国各地にステンレス車体を納入している同社ですが、その進化の過程を実際の外板の一部を並べてわかりやすく展示。徐々に溶接跡が目立たなくなり、最新の「2S構体」ではレーザー溶接を駆使することでほぼフラットな車体外板を実現。技術的な進化により、外観の違いが大きく出るステンレス車体。今後はこうした車体を持つステンレス車両が今後は増えていくことになるのでしょうか。

■未来の鉄道で実現するかも?進化を続ける車内のシート群

どんなリクライニング角度でもレッグレストが機能するように制御される最新シート。採用例ができるのが待ち遠しい。

 最後にご紹介するのはコイト電工が製作する各シート群。様々なシートが揃い踏みでしたが、中でも「レッグレスト自動制御シート」の快適性は群を抜いていました。各社上級の車内設備を持つ車両に装備されていることが多いレッグレストですが、従来はリクライニングを立てた状態でその恩恵を受けることができず、足が床についてしまったところを、どのリクライニング角度でもっても脚を預けられるように自動で制御する機構を備えたものとして注目を集めていました。確かに実際座ってみるとどの角度でもちゃんとレッグレストが脚を支え、快適性が損なわれないことから、今後の普及に期待したいシートでした。

 各社が鉄道に関する最新技術を展示する貴重な機会であるこの鉄道技術展。ここからどのように実際の現場へ活用され、未来の鉄道に繋がっていくのかが楽しみですね。

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