【千葉市若葉区】動物公園の下には大きな遺跡があった!約4500年前の県内最大級のムラ(集落)「餅ヶ崎遺跡」
人類の祖先は約20万年前にアフリカで誕生、約10万年前に世界中へ広がり、千葉には約3万5千年前に象や鹿を追いかけて、狩人と家族がやって来ました。
縄文人にとっても住みやすかった千葉
通説では太古の人たちは肉食でした。
動物を狩るということは生活そのもの。
そして、下総台地は長く野生動物の宝庫だったと考えられています。
その理由は、土気から日光・足尾山麓へ向かう「下野・北総回廊」と、下総台地から南の房総丘陵に向かう「北総・南総回廊」の2つの自然道があったため。
現在の土気地区で交差していたこの2つの道は鹿が集団で移動するルートで、縄文時代の狩人たちにとって重要な道。
やがて周辺では集団生活も始まりました。
そのため千葉には「加曽利貝塚」や「餅ヶ崎遺跡(もちがさきいせき)」など多くの遺跡が残っています。
東京湾東岸は大きな貝塚がたくさん造られたことがよく知られていますが、約4500年前に一度大型貝塚が消滅したため、「餅ヶ崎遺跡」はこの時期では県内最大級のムラ(集落)でした。
動物公園の台地にある広大な遺跡
多くの人たちに愛される千葉市動物公園は1985(昭和60)年に開園しました。
造成工事に伴い、開園前の約10年間にわたり大調査が行われ、他に類を見ないような損傷が少ない土器や石器、遠くから運ばれた黒曜石の矢じり、石の斧、貝殻でできた道具など、多くの生活の道具が見つかりました。
この遺跡は鹿が移動するルート上にあり、旧石器時代から縄文時代まで人と動物が関わる舞台であり、生活の跡は平安時代まで確認できたそうです。
貴重な資料から人と動物の関係を知ろう
さまざまな種類の動物が見られる動物公園。
その動物たちをただ観察するだけでなく、「古来からの人と動物の関係」「動物の尊厳や命の大切さ」「人と動物が共存する未来」なども考えてもらいたいと、2020年9月に考古学コーナーを設置。
場所は動物科学館(ゴリラ展示場の横の建物)内で、主に「餅ヶ崎遺跡」からの出土品が展示されています。
なお、動物科学館は2024年1月末で休館、25年3月末にリニューアルオープン予定。
展示に興味のある人は、早目にお出かけを。
千葉市動物公園 住所/千葉県千葉市若葉区源町280 開園時間/午前9時30分~午後4時30分(入園は午後4時まで) 休館日/水曜、年末年始(12月29日~1月1日) 料金/大人700円、中学生以下無料
問い合わせ 電話番号/043-252-1111 ※「餅ヶ崎遺跡」についての問い合わせは、043-266-5433(千葉市埋蔵文化財調査センター)まで。同センターには遺物展示もあり