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熱波で死者も出たヨーロッパの生活とは? 「日中はカーテン閉めて」「頑張る」

文化放送ニュース

フリーライターの武田砂鉄が生放送でお送りする朝のラジオ番組、『武田砂鉄 ラジオマガジン』。7月13日は、月曜レギュラーでドイツ出身の翻訳家・エッセイストのマライ・メントライン氏とトークを繰り広げた。
マライ「今日は熱波の話をしたいと思います。熱波の影響は大きいんですね。もちろん死者が出てしまう健康問題もあるんですけれども、ヨーロッパを襲った熱波についていろいろ調べていたら、健康問題だけではなくて、農業も、そもそもの生産性とか社会インフラとか、あとさらに原発まで影響が出るんですね。この間、6月、日本でも大ニュースになったんですが、ヨーロッパの熱波がやばかったわけですよ。西ヨーロッパでは、なんと観測史上最も暑い6月となったんですよね。平年よりも3度高い、平均20.74度だったそうなんですね」

武田「20.74?」

マライ「そう。なんか20度ってちょうどいいんじゃないのかなって思ったんですが、ちょっと甘かったんですね。ドイツでは「6月ヨーロッパ熱波」っていうWikipediaの記事までできてるぐらい、そんなに甘いものじゃなかったんです。この熱波がいつ始まったかっていうと6月18日で、30日まで続きました。ヒートドームがヨーロッパ大陸を全部覆ったのが原因で、あちこちで今までになかった最高気温が出ました。その時、一番暑かったのは西フランスにあるPalluauというところで43.8度」

武田「こら大変だ」

マライ「この熱波の影響を受けたのは1億5000万人といわれ、暫定的な計算ではなんと2万人が亡くなったとされてるんです。ドイツでも6月に例年より死者が多く出たんですね。やっぱり熱波の影響じゃないかといわれ、少なくとも5000人が亡くなったとされています。熱波で亡くなる人には熱中症の患者も含まれていますが、基礎疾患のある人が熱波の影響で具合が悪くなり、脱水症になり、というのが多いみたいです。暑かったフランスでは少なくとも2000人が亡くなっています。まだ統計が出てないんですけれど、6月22日から28日に自宅で死亡した人は前週比で91%増となってるんですね。ドイツの気象局は今回の熱波について、歴史的な出来事に位置づけられるとしていて、それほどの異常気象だったんです。ヨーロッパの広い地域で、観測開始以来、夏のこれほど早い時期に――6月、まだ早いんですよ――これだけ長い、かつ猛烈な熱波が発生したのは一度もなかったんじゃないかといわれているんです。だから、本当に体験したことがないような、危ない状況がずっと続いていたんですね。問題は、日本だったらエアコンつけて家の中で待機ってなるかもしれないんですけれども、できないんですよ。なぜかっていうと、欧州の場合、暖房はだいたいあるんですが冷房はないんですよ。夏は湿度が低かったり、昼と夜の寒暖差があったりして、今までは冷房はいらないかなっていう文化があったんです。昭和の日本みたいな、夏の日中は暑いけど家に帰ると扇風機でなんとかなるとか、窓開ければ、みたいな。今のヨーロッパでは、それがベースになってるんですけど、果たしてこれからどうなのかっていう話なんですよ」

武田「辛酸なめ子さんが先週のコーナーで、IKEAにみんな涼みに来て、本格的に寝てるみたいなレポートというか、紹介してくれましたけどね。でも、やっぱり大変ですよね、冷房を求めて。でも、そんなに冷房が入っている場所がたくさんあるわけではないんですよね」

マライ「そうなんですよ。煉瓦造りの一般的な住宅ではどうしてるかっていうと、冷房が無いので夜は窓を全開にして涼しい空気を入れて、日中はもうカーテン閉めて、影をいっぱい作って、暖かい空気をなるべく入れない。で、頑張るみたいな」

武田「でも、限界がありますよね」

マライ「興味深かったのが、熱帯夜っていう概念がありますよね。日本の気象庁が定める熱帯夜は、夜の最低気温が25度以上なんですけど、ドイツは最低気温が20度以上と、より厳しいんです。20度になったら熱帯夜だっていうのがドイツ人の感覚なんですね」

武田「それぐらい暑さにもう慣れてないってことですね」

マライ「ロイターの記事を読んでたら、病院の病室の気温が22度以上だと「回復できない」って専門家が断言してるんですよね、おおって思いましたね。今、スタジオのみなさん、気温を見てますね。26.6度、回復できない気温になってますよ」

武田「だから、我々が38度とか40度を感じるよりも、ヨーロッパの人たちにとっての38度、40度って、もう、とんでもないぞってことですよね」

マライ「ドイツで話題になってたのが、体の弱い人たちと熱波なんですね。なんでかっていうと、老人ホームとか病院にはエアコンがないところが多いんですよ。2025年に完成した社会福祉分野の新設建物っていうガイドラインがあるんですけれど、冷房を持っている施設がたった14.5%なんですよ」

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