未婚多い東京都、出生率「0.99」に 藤井氏「東京一極集中が進むと自ずと少子化が進むということですね」
6月6日の「おはよう寺ちゃん」(文化放送)では、木曜コメンテーターで京都大学大学院教授の藤井聡氏と寺島尚正アナウンサーが、東京都の合計特殊出生率に関するニュースについて意見を交わした。
藤井氏「東京は子供をもうける環境として不適切」
厚生労働省が5日発表した2023年の合計特殊出生率は1999年以来、24年ぶりに全都道府県で前年を下回った。なかでも深刻なのは東京都の0.99で、全国でただひとつ1を割り込んだ。未婚や晩婚の影響に加え、子育ての時間や住まいの余裕が乏しいことが背景にある。
東京都の小池百合子知事は5日、都庁で記者団に「なかなか厳しい。将来への不安、仕事の正規・非正規、また実質賃金が上がっていないなど、総合的に考えないといけない」と語った。
東京の出生率は2003年にも1を下回っていた。厚労省は当時「一時的な現象」と説明していた。東京の出生率が全国でただひとつ1を割り込んだ要因として未婚率の高さがあげられる。東京の50歳時点の未婚率は男性が32.15%、女性が23.79%(いずれも20年)でともに全国で最も高くなっている。
結婚しても、子育てにあてる時間は少なくなりがちで、18年の住宅・土地統計調査によると、通勤に45分以上かけている人の割合は東京都で47%に上った。神奈川・千葉・埼玉3県に次いで全国で4番目に高かった。
寺島アナ「未婚の多い東京都。藤井さん、この数字どうご覧になりますか?」
藤井氏「深刻な問題ですよね。講義でも僕は毎年やってるんですけども、東京一極集中は是か非かっつってね。『効率性から考えたら東京一極集中いいんじゃないですか?』みたいなことを言う学者って多いんですけど『アホなんか?アホですな?』ということをちゃんと学生のもとで晒し者にして、東京一極集中にしたら何がアカンのか考えろっていう授業をやるんですけど、そのうちの重要な1個が子供が減りまっせということなんですよね。子供を育てる或いは子供をもうける環境として東京っていうのは不適切なんですよね。可処分所得も高いし、居住状況も良くないし、通勤時間も長いし。東京なんか来たら子供がどんどん減ってしまうっていうのがあるので、東京一極集中が進むと自ずと少子化が進むということですね」
寺島アナ「なるほど。物の値段も高いですからね。他(の都道府県)と比べて使えるお金も少なめで」
藤井氏「そうです。東京一極集中は地震の問題とか共同体文化が無くなっていくとかいろんな問題があるんですけど、子供が減るっていうのもあるんですよね。だから東京の出生率を上げていくっていうのはすごく大事ですけども『東京に来るな、お前』というのも大事なんですよね。だって、毎年12万人ずつ(東京に)人間が増えてますからね。しかも東京にわざわざやってくるのっていうのは学生さんとか若い人とか、まさに結婚する人もかなり含まれているわけですから、12万人の中に。その人たちの東京への大移動を食い止めないといけないっていうのも、このデータからもわかるんですね」