【川崎市高津区】まるやま・京彩グループ 着物お手入れ券がふるさと納税返礼品に 着物文化活性の願い込め
今年4月、川崎市のふるさと納税返礼品に選ばれた高津区に本店を構えるまるやま・京彩グループの「きものお手入れ券」が注目されている。同制度を担当する市資金課は「日本の伝統文化である着物を見直すきっかけが川崎市から届けられたら」と、期待感を込めて話す。
川崎市はふるさと納税による受け入れ額が2024年度で過去最高のおよそ26億円に達した反面、同制度による市税減収額も138億円となりいわゆる「赤字」が大きな課題となっている。
この現状を打開しようと、市では、動物愛護センターの動物への支援や、寄付先の学校を指定できる学校応援基金など使い道を指定できる寄付メニューを増やしたり、新たな川崎市の魅力発信につながる名産品を充実させるといった選択肢を増やす試みなどを進めている。
今回の同社の「きものお手入れ券」もその一環。発案したのは同社会長の丸山実さんで、その思いを「本社のある川崎市への恩返し、また全国の着物文化の活性のお役に立てたら」と話す。また「着物文化がタンスに眠ってしまっているのはもったいない。もっと和装が楽しめるようになれば嬉しい」とも述べた。
川崎市との協議では、同社が1971年の創業以来、オリジナル着物の製作・販売、メンテナンスなどを手掛け、長年培った技術で地域から日本の着物文化を支えるサービスを地域で展開してきた実績が評価されたという。
職人が手作業で
まるやま・京彩グループは全国でおよそ110店舗を展開し、振袖の販売・レンタルなども手掛ける着物専門グループ。他にも小紋や色無地、紬、訪問着、附下、長襦袢、袋帯、留袖などを取り扱う。社会貢献活動も活発で、着物文化を世界に発信する事業や、和装を楽しむ心を育もうと中学校での講座開催、被災地の子どもたちに甚平や七五三衣装の寄付を行っている。
なお返礼品の「きものお手入れ券3000円」は、丸洗い(3850円〜)や洗い張り(1万1000円〜)といったサービスで使用可能。全国から寄せられるメンテナンス希望品は高津区二子にある川崎本社に集められ、職人による丁寧な加工が施されるという。