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巨人・戸郷翔征と菅野智之の新旧エースをデータ比較、沢村賞に近いのはどっちだ?

SPAIA

巨人・戸郷翔征と菅野智之,ⒸSPAIA

戸郷翔征が3試合連続完封目前で降板

巨人・戸郷翔征が8月22日の広島戦で3試合連続完封目前の9回1死で降板し、試合も延長10回にリリーフ陣が決勝点を献上して敗れた。

戸郷は8日の広島戦、14日の阪神戦で2試合連続完封。22日も8回まで散発3安打に抑えていた。1-0で迎えた9回、あと2人まで迫った1死二塁から小園海斗に中前タイムリーを喫して同点とされ、3試合連続完封も3年連続2桁勝利も水泡に帰した。

結果的にチームも敗れ、戸郷はガックリとうなだれたが、8.1回114球を投げて5安打8三振1四球1失点なら責められない。先発としては十分すぎるほど仕事を果たしたと言える。

今季は見事に復活した菅野智之がセ・リーグトップの11勝をマークしており、戸郷とともに先発ローテーションの軸として活躍。シーズンも終盤に差し掛かり、優勝に向けて両右腕への期待は日増しに高まっている。

その一方で、2人はタイトルを争うライバルでもある。セ・リーグ防御率トップの大瀬良大地(広島)は4勝にとどまっているが、2桁勝利は才木浩人(阪神)、東克樹(DeNA)、森下暢仁(広島)、床田寛樹(広島)ら数多い。

戸郷も9勝とはいえ、今後の活躍次第で十分に狙える射程圏にいる。さらに奪三振や投球回数の多さを考えると沢村賞の候補にも挙がるだろう。もしかしたら巨人の新旧エースで沢村賞を争うことになるかもしれない。そこで両者の成績を比較してみた。

3項目で菅野、4項目で戸郷が上

沢村賞の選考基準は25登板以上、10完投以上、15勝以上、勝率6割以上、200投球回以上、150奪三振以上、防御率2.50以下の7項目。全てクリアするのは至難の業だが、より近い数字を残した先発完投型の投手に授与される。

勝利数、勝率、防御率は菅野の方が上だが、登板数、完投数、投球回数、奪三振数は戸郷の方が多い。戸郷は22日の広島戦で完封を逃したが、それでもすでに4完投。146.1投球回、123奪三振も含めてセ・リーグトップを走っている。

勝利数や勝率は味方打線の援護に左右されるが、先発完投型という沢村賞の条件には、菅野より戸郷の方が近いようにも感じられる。そこで本格派投手の基本となるストレートのデータを比較してみた。

ストレートの空振り率、被打率は戸郷、スピード、被本塁打数は菅野に軍配

ストレートのスピードは戸郷の平均146.3キロ、最速152キロに対し、菅野は平均148.1キロ、最速153キロとやや速い。

ただ、菅野はスライダーを始め変化球も駆使するためストレートの割合は24.7%だが、戸郷は48.4%と多い。空振り率も戸郷が7.4%、菅野が4.2%、被打率も戸郷が.200、菅野が.243と戸郷の方が打たれていない。

戸郷が明らかに見劣るのはストレートの被本塁打7本という多さ。菅野は2本しか打たれておらず、1試合で打たれる本塁打数を表す指標「HR/9」も菅野の0.39に対し、戸郷は0.68と高い。

コントロールや球質が影響しているのかもしれないが、戸郷は規定投球回数に到達しているセ・リーグ13人の中で最多となる被本塁打11本を記録しており、課題のひとつだろう。

いずれにしてもシーズン残りの登板は5~6試合と見られる。そこでどこまで数字を上げられるかが勝負だ。切磋琢磨する2人の力投はイコール、チームの勝敗に直結すると言っても過言ではない。新旧エースの競演に注目したい。

※成績は8月22日終了時点

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記事:SPAIA編集部

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