Yahoo! JAPAN

国立のおすすめカフェ5選。文化の香り高い街で愛される個性豊かな空間

さんたつ

国立 ロージナ茶房

国立といえば、東京都内で初めて「文教地区」の指定を受けるなど、昭和の初期から文化の香り漂う地域。お茶をしたり、食事をしたり以上の、もっと広い意味で独自のカルチャーを感じるカフェが長く根付いている。古くから学生たちに愛されてきたお店はもちろん、近年オープンしたお店も街へのリスペクトや誠実さを感じるお店ばかり。ここを目的に国立を訪れてみたくなる、5つのカフェを紹介しよう。

circus(サーカス)

昭和初期に建てられた洋館を生かした『カフェ おきもと』

国登録有形文化財に登録されている「沖本家住宅」は洋館と和館があり、カフェに利用されているのは洋館。

国立から国分寺周辺は、大正から昭和にかけてたくさん別荘が建てられた。現在『カフェ おきもと』として利用されている洋館も、最初は別荘として広島県出身の貿易商が建てたものだ。その後、海軍少将だった沖本至に譲渡され、その娘たちが長く暮らしていた。

『カフェ おきもと』を運営しているのは、跡取りのいなかった沖本家の姉妹から屋敷の後を託された久保愛美(くぼなるみ)さん。価値ある沖本家住宅を残す方法を模索した結果、カフェとして利用することになったのだ。「受け継がれてきた昭和初期の建物を、できるだけそのまま残そう」と、洋館の内部をなるべく変更せず、当時の家具や調度品も使って2020年にお店を開いた。

旬の野菜とタンドリーチキン スパイシーカレーとキーマーカレー 欲張りプレート1880円。野菜の下にキーマカレーが隠れている!

「せっかくのカフェだから、おいしいものを出したい」と考えた久保さん。オープン当初からあるハンバーグとカレー、オムライスを中心に、ピッツァなどのお酒にも合いそうなメニューや、ケーキなどデザート類も充実している。料理には地元・国分寺産の野菜がたくさん使われていることも特徴のひとつだ。

暖炉も当時のものが活用されている。

『カフェ おきもと』店舗詳細

カフェ おきもと
住所:東京都国分寺市内藤2-43-9/営業時間:11:00〜17:00(金・土のみ完全予約制で18:00〜も営業)/定休日:火・水・木/アクセス:JR中央線国立駅から徒歩8分

自家焙煎コーヒーを引き立てるスイーツを楽しみたい『ord coffee shop』

カウンター付近は、窓が大きくて気持ちのいい空間。

バス通りに面した『ord coffee shop(オルドコーヒーショップ)』は、焙煎機につながる煙突が目印。店を営む石川さん夫妻は、夫の直樹さんがコーヒーを担当し、妻の里枝さんがスイーツを担当している。2018年に今の場所にお店を開いたが、2023年、自家焙煎のコーヒーを出すため焙煎機を導入しリニューアルした。

シナモンがふわっと香るキャロットケーキ520円とドリップで淹れたインドネシア550円。

直樹さんが目指すのは飲み疲れしないコーヒーだ。現在、コーヒー豆は常時6種類以上用意している。焙煎度合いは浅煎りから深煎りまでと幅広い。

里枝さんが担当するスイーツは、バスク風のチーズケーキとキャロットケーキが定番だ。キャロットケーキはスパイスが控えめ、チーズケーキにはよく使われるレモン果汁を使わないなど、コーヒーの味を邪魔しないレシピで作られている。

グルテンフリーのチーズケーキ520円。フレンチプレスでいれた本日のコーヒーはコロンビア480円。

『ord coffee shop』店舗詳細

ord coffee shop(オルドコーヒーショップ)
住所:東京都国分寺市日吉町2-15-25 冨安ビル1F/営業時間:13:00〜19:00/定休日:火・水/アクセス:JR中央線国立駅から徒歩8分

創業70年以上のレトロな雰囲気に浸りたい『ロージナ茶房』

壁には創業者が集めた食器などのコレクションや、自筆の絵画などが飾られている。

文京地区・国立で、学生や卒業生らを中心に愛され続けている『ロージナ茶房』。70年以上前の創業当時から提供し続けている人気メニューはひとつやふたつではない。

フルーツゼリー680円。ゼリーは固め。それがいい。

グラスたっぷりに入ったゼリーはぶるんと固めの食感。赤いグレナデン(ザクロ)入りのゼリーのほかに、パイン、ライム、グレープがあってその日に用意されているものが出てくる。缶詰のミカンとパイン、四角く切ったミルクゼリー入り。

自家製生地を使ったピザは、立川にあった米軍基地の料理人から教わったと伝わる。ミックスピザはイカやエビなどのシーフードミックスにベーコン、その上にチーズがたっぷり。

レトロな雰囲気の店内でいただくロングセラーメニュー。流れた時間も一緒に噛み締めて味わいたい。

ミックスピザMサイズ1250円。Lサイズは1550円。

『ロージナ茶房』店舗詳細

ロージナ茶房(ロージナさぼう)
住所:東京都国立市中1-9-42/営業時間:11:00~22:15LO/定休日:1月1日・2日/アクセス:JR中央線国立駅から徒歩2分

韓国の料理や食材を使ったメニューが健康的な『tama cafe』

大学通りと学園通りが交差する場所にある『tama cafe(たまかふぇ)』。韓国料理のランチと韓国と日本のお茶、韓国食材を使ったスイーツなどを提供している。

ランチタイムにもカフェタイムにも幅広く利用できるお店で、カフェメニューの代表はミスカルワッフル。ミスカルとは韓国の伝統的な食べ物で、もち米や麦といった複数の雑穀をブレンドしたもの。小麦粉とミスカルをブレンドして香ばしく軽い仕上がりに焼き上げられているミスカルワッフルは、サクサクと軽い食感。食物繊維やミネラルが豊富なミスカルを気軽に楽しめる。

ミスカルワッフル+メープルシロップ580円。

ランチではビビンバ、スンドゥブ、参鶏湯(サムゲタン)の3つの料理がメイン。野菜をいっぱい食べられて、寒い季節に熱々の料理が楽しめるヘルシーなメニューが土鍋焼きビビンバだ。「石焼ビビンバより使う油が少なくてヘルシー」なのだとか。

『tama cafe』のビビンバは、具材たっぷりなのが特徴だ。ほうれん草、ゼンマイ、豆もやし、にんじんなどのナムル、玉子のほか、油あげ、ごぼう、じゃがいも、大根の甘酢あえ、ひき肉、サニーレタスと盛りだくさんで彩りも豊か。ご飯が焼ける香ばしい香りもごちそうだ。

広い店内は、ごま油のいい香りが漂う。

『tama cafe』 店舗詳細

tama cafe(たまカフェ)
住所:東京都国立市東2-25-8/営業時間:11:00〜17:00LO(金〜日・祝は〜20:00LO)/定休日:水/アクセス:JR中央線国立駅から徒歩15分

アレンジが効いた食事や焼き菓子が人気の『circus』

自家製のジャムを使った柿ジャムとクリームチーズのパウンドケーキ500円と嘉兵衛番茶550円。平日の14時以降はセットで100円引き。

国立駅から線路に沿って進んだ先、ビルの1階にある『circus(サーカス)』は2013年にオープン。深い青色が印象的な店内では、店主のセキグチテルヨさんが作る焼き菓子や料理を楽しめる。メニューはどれも、セキグチさんが旅先や誰かからのギフトなどで出合った味や素材を、独自にアレンジしたものばかりだ。

ほぼ週替わりで提供されているパウンドケーキは特にユニーク。2015年に発売されたレシピ本で話題になったほどだ。梅や柿など、和の要素を感じる手作りのジャムとクリームチーズを組み合わせたり、色のかわいさをイメージしてりんごとさつま芋を組み合わせたりと、「そんな組み合わせがあったか」と思わされる。

魯肉飯(ルーローハン)1300円は小鉢、スープ、パクチーとレモン付き。本場の魯肉飯よりさっぱりしている。

ランチメニューは、台湾料理の鶏肉飯(ジーローハン)、魯肉飯(ルーローハン)や、ベトナム料理をアレンジした鶏肉(ジーロー)フォーと魯肉(ルーロー)フォーの4種類がある。こちらもセキグチさんオリジナルのレシピ。付け合わせの小鉢も、ある日はふろふき大根の甜麺醤(テンメンジャン)添えなど、自宅で真似してみたくなるアイディアがたくさん詰まっている。

ランチに添えられる小鉢は月替わり。冬のある日はふろふき大根の甜麺醤添え。

『circus』店舗詳細

circus(サーカス)
住所:国立市中1-1-17 セントラルハイツ106/営業時間:11:30~16:00(食事14:00LO、喫茶・テイクアウト15:00LO、水は喫茶営業のみ)、第2・4土は『喫茶酒場circus』として17:30~20:00LO/定休日:火・日・祝/アクセス:JR中央線国立駅から徒歩7分

取材・文・撮影=野崎さおり

【関連記事】

おすすめの記事