【倉敷市】【8/31(日)まで】ワク★ドキ!体験 スペースパーク 〜 遊んで・学んで、宇宙をもっと身近に感じる夏休み企画展
夏休み、子どもとどこに行こう?
長い休みが始まると、そのように悩むことはありませんか。
せっかくのおでかけなら、遊ぶだけでなく、学びの体験もさせてあげたい。そのような思いに応えてくれる特別な企画展が、倉敷科学センターで開催されています。
今年(2025年)の夏休み企画展は「ワク★ドキ!体験 スペースパーク」。
ロボット操作やバーチャルレースなど、宇宙をテーマにした体験型の展示がそろっています。
筆者自身も、毎年子どもたちと訪れるのを楽しみにしている夏休み企画展。今年はどのような体験ができるのか、取材してきました。
倉敷科学センター夏休み企画展「ワク★ドキ!体験 スペースパーク」とは
倉敷科学センターでは、毎年7月20日ごろから8月末にかけて、夏休み企画展を開催しています。
夏休み企画展は約30年前から続いており、これまでには恐竜や昆虫など、子どもたちの興味を引くテーマで実施してきました。
今年(2025年)のテーマは「宇宙」。
月や火星への探査が進み、宇宙はぐっと身近な存在になっています。そのような宇宙の不思議さや壮大さを、遊びを通して体感できるのが、今回の夏休み企画展です。
会場のようす
会場には、月面探査ロボットの操作やバーチャルレースなど、4つの体験スペースと展示スペースが設けられています。
・月面浮遊レース
・月面探査ロボット「SORA-Q」操作体験
・ロボットアーム操作体験
・スイングバイ・ボーリング
・宇宙展示コーナー
さらに、宇宙開発の歴史やロケットの縮尺模型などの展示もあり、大人も子どもも宇宙を身近に感じられる内容です。
月面浮遊レース
自分で塗った宇宙飛行士のイラストが大きな画面に映し出されます。
足踏みマットをジャンプすると、画面上の宇宙飛行士が無重力空間を飛ぶように、月面へ向かって進む仕組みです。
レースは6人でおこなわれ、自分の順位が何位になるのか、ワクワクドキドキします。
レースの結果発表まで目が離せません。
レース終了後は、自分の塗り絵がペーパークラフトになってプレゼントされます。
持ち帰ってから作って遊べるのも、うれしいポイントのひとつです。
月面探査ロボット「SORA-Q」操作体験
実際に月面で活躍したロボット「SORA-Q」を、タブレットで操作できるコーナーです。小さなラジコンカーのようなSORA-Qを、前後左右に自由に動かせます。
タブレットにはSORA-Qが撮影した映像が映し出され、まるで自分が月面を探査しているかのような気分を味わえます。
SORA-Qのユニークな動きにも注目してみてください。
ロボットアーム操作体験
国際宇宙ステーション(ISS)で宇宙飛行士がおこなう作業を、体験できるコーナーです。両手でレバーやボタンを操作し、ロボットアームを使ってガチャガチャの球をつかみ、右から左へと移動させていきます。
見た目以上に操作は難しく、思い通りに動かすのはなかなか至難の業でした。少し難易度は高めですが、何度も挑戦したくなるほど面白い体験です。
子どもだけでなく、大人も思わず熱中してしまうでしょう。
スイングバイ・ボーリング
磁石の力でボールがカーブし、ピンを倒す仕組みで、「スイングバイ」の原理を遊びながら体感できるコーナーです。ボールを転がすだけなので、小さなお子さんも気軽に楽しめます。
スイングバイ:宇宙機が天体の重力を利用して軌道を変更する技術
転がしたボールが途中で急にカーブするので、その不思議な動きに思わず驚くかもしれません。大人も子どもも、宇宙の力を体感できます。
宇宙展示コーナー
日本の宇宙開発の歴史が分かる年表やロケットの模型、人類初の宇宙飛行に成功したソビエト連邦の宇宙飛行士のユーリイ・ガガーリンのサインなど、貴重な展示物が豊富にそろっています。
特に歴史的な資料は、大人も思わず足を止めて見入ってしまうほどです。
遊びだけでなく、宇宙についての理解を深める機会にもなります。
担当者へインタビュー
夏休み企画展の魅力や見どころについて、倉敷科学センター西村誠(にしむら まこと)さんにお話を聞きました。
──倉敷科学センター夏休み企画展は、毎年開催されているとのことですが、今年は特にどのような点が違うのでしょうか。
西村(敬称略)──
例年は、大きなヘラクレスオオカブトや動くスピノサウルスのような模型展示が目玉でした。
今年はそれがなく、代わりに自分で操作して楽しめる体験スペースが非常に充実しています。そこが一番の特徴です。
──特に注目してほしい、イチオシの体験はありますか。
西村──
やはり「SORA-Q」ですね。
これは、JAXA(ジャクサ:宇宙航空研究開発機構)・ソニー・タカラトミー・同志社大学の4社で共同開発した月面探査ロボットです。
SLIMという月面探査機の写真がニュースで話題となりましたが、その写真を撮影したのは、月面探査ロボットのSORA-Qなんです。地球からJAXAのかたが遠隔操作で撮影していて、その疑似体験ができるのが、この展示の醍醐味といえます。
なかなか一般家庭には普及していないものなので、この機会にぜひ触れてみてください。
──宇宙にあまり詳しくないかたや、小さなお子さんでも楽しめますか。
西村──
はい、もちろんです。
当センターの展示は、「遊びを通して科学に興味を持ってもらう」ことをテーマにしています。
「よく分からないけど、触ったら動いて楽しかった!」という体験や、「どうしてこんなふうに動くのだろう?」という疑問が、科学への関心につながると考えています。
疑問に思ったことを、パネル展示を見ながら理解を深めてもらえたらうれしいです。
──どのようなかたへおすすめしたいですか。
西村──
やはり、これからの宇宙開発を担っていくのは子どもたちです。そのため、今回の展示は子どもたちをメインターゲットにしています。
この展示を通して、「宇宙の仕事をしてみたい」と夢を抱いたり、「星空をもっと観察してみようかな」といった新しい関心が芽生えたりするかもしれません。
この企画展が、子どもたちの職業選択のきっかけになればうれしいです。
また、ガガーリンのサインなどは、祖父母世代のかたがご覧になると、当時を懐かしく思い出していただけるかもしれません。
世代を問わず、子どもたちと一緒に楽しんでいただけます。
──最後に、読者へのメッセージをお願いします。
西村──
体験型の遊びを通して、宇宙や科学の面白さを知っていただけたら、うれしいです。
また、大人でも驚くような貴重な展示物が満載です。「大阪・関西万博は少し遠いな」というかたでも、ここなら手軽に宇宙の不思議を体感できます。
ご家族皆さまでのご来場を、心よりお待ちしております。
おわりに
会場では、職員のかたが、操作に戸惑う子どもたちに、優しくていねいに教えている姿が印象的でした。遊びを通して宇宙について興味や疑問を持ってほしいという、職員のかたの温かい思いが伝わってきました。
筆者の子どもは、ロボット操作に何度も挑戦したり、月面浮遊レースでたくさんジャンプしたりと、全身を使って楽しんでいました。遊び終えた後、子どもたちは「ロケットに乗りたい!」「宇宙人って本当にいるのかな?」と、宇宙への関心が自然に芽生えていたようです。
筆者自身も、パネル展示を通して初めて知ったことがいくつもあり、大人にとっても学びの多い時間となりました。
遊んで、触れて、ワクワクしながら学べる夏休み企画展。
夏休みの家族の思い出づくりに、訪れてみてはいかがでしょうか。