定番から伝統・郷土料理まで!多様な<世界のサカナ料理> 調味料を変えるだけで簡単に味が変わる?
魚を食べるとき、お刺身や焼き魚、煮魚──と、どうしても和食をベースにした料理になってしまいがち。
でも、世界に目を向けると、多種多様な魚料理が存在します。たまには旅行気分で、さまざまな国の魚料理を味わってみませんか?
世界で食べられる定番の魚料理から伝統料理・郷土料理まで、多様な“世界のサカナ料理”に目を向けてみましょう。
世界の定番魚料理といえば?
海外の魚料理として有名なものといえば、イタリアの「アクアパッツァ」やイギリスの「フィッシュ&チップス」、フランスの「ムニエル」などがあります。
味付けは違いますが、アクアパッツァは日本でいう酒蒸しに近い料理で、少量の白ワインとオリーブオイル、ニンニクやトマトを入れて煮たもの。フィッシュ&チップスは、白身魚のフライやから揚げで、タルタルと合わせるのが定番ですね。
ムニエルは、日本のご家庭でも馴染みがある料理。小麦粉などをまぶしてバターで両面を焼いたもので、こちらも白身魚が多く使われます。カリッと焼かれた表面と身の柔らかさが特徴的で、フランス料理の味が色濃くでています。
フランス・リヨンの「クネル」は日本の練り物に似てる?
しかし、海外の魚料理はこれだけではありません。
フランス・リヨンなどで食べられている「クネル」は、魚や鶏肉すり身に卵、小麦粉を合わせて団子状に形成し茹でたもので、日本の「はんぺん」や「つみれ」に似ています。
ベシャメルソースやチーズなどと合わせて焼いたり、スープの浮き身として使われたりしています。
クネル(提供:PhotoAC)
リトアニアの「シルケ」と呼ばれるニシンの酢漬け・塩漬けは、シンプルながら美味しい前菜として扱われます。サラダに入れたり、マリネにしたりと使い方はさまざま。
ペルーを代表する魚料理が「セビーチェ」。インカ帝国時代から作られてきたと言われています。白身魚やタコ、エビなどとタマネギやトマト、香草を柑橘果汁で合えたさわやかなマリネ料理です。
また、川魚をよく食べる中国・四川では、魚の臭みを消すため、大量の油と唐辛子や花椒を合わせて煮る料理が好まれます。
柔らかい身に調味料の旨味が染みており、辛いながらも意外と食べ進めることができます。
日本の魚でアレンジできる海外の“サカナ調理法”
海外の魚料理に使われるのは、日本と同じく煮る、焼く、蒸すといった調理法。しかし、大きく異なるのが出汁の使い方です。
日本料理では、かつお節や昆布のお出汁を使って素材の旨みを引き立てる考え方ですが、海外ではブイヨンやコンソメなどのスープをベースとして、料理の味の土台を作る考え方です。素材の味を最大限に引き出す日本のお出汁とは違い、海外のお出汁は素材に対してさらに旨みを加えるようなイメージに近いと思われます。
また、海が違っていてもイワシやサーモンなど、日本で普段食べている魚と同じ種類のものも多く見受けられます。たとえば、「オイルサーディンのマリネ」は缶詰をアレンジして作れる簡単レシピです。
この他にも、タラやカレイ、鮭をムニエルに、アクアパッツァにはマダイだけでなくタラの切り身など白身魚やアサリなどを加えても良いでしょう。
アジやイワシなどの青魚は、セビーチェ(魚介のマリネ)などのエスニック料理にも相性が良い魚です。
いつもの和風を洋風に「家庭で楽しむ海外魚料理」のコツ
日本でも魚介類の料理で悩むのが、味付けだと思います。
和食の場合、お刺身に醤油、煮付けやお鍋、焼き魚に醤油をかけるなど、醤油ベースの味つけが多いです。一方、洋風や中華、エスニック料理となると、使う調味料も異なりますので、いつもとは違う味付けで魚介類を楽しめます。
たとえば、白身魚のムニエルにホワイトソースを添えたり、中華料理としてチリソースで絡めたり、ナンプラーを使うだけでも一気にエスニック料理に早変わりです。
また、アサリやムール貝を酒蒸しにする際、日本酒ではなく白ワインに変えるだけでも、フルーティな風味とほんのり甘みがプラスされます。
オイルや香辛料、味付けに使う調味料を買えるだけで、いつもの魚料理が別物になり、魚があまり好きではない方でも飽きずに食べることができます。
「海外の魚料理を食べてみたい!」という方は、各国の料理を専門とするレストランでも食べられますし、ご自宅で作ってみるのもまた面白い経験になるかと思います。
調味料や調味キットなどが販売されていますので、料理が苦手な方も試してみてはいかがでしょうか。
(サカナトライター:せんば千波)