冬アニメ『DARK MOON -黒の月: 月の祭壇-』 ソロン役・小笠原仁さん×シオン役・土岐隼一さんインタビュー|ここからどんどん物語が加速していき“クリス”が何者なのか明かされていきます――
世界的人気を博すグローバルグループ・ENHYPENとコラボした7人の少年たちを主人公に、名門学校デセリスアカデミーで出会った転校生の少女との運命的な物語を描き、世界累計閲覧数2億ビューを記録した大ヒットウェブトゥーン『黒の月: 月の祭壇』。本作のTVアニメが2026年1月より放送中です。
この度、5話放送前にアニメイトタイムズではソロン役・小笠原仁さん&シオン役・土岐隼一さんにインタビューをしました。本作ならではの世界観や演じられるキャラクターについて深掘りしていきます。
【写真】『DARK MOON』 小笠原仁×土岐隼一インタビュー|物語が加速する第5話以降の見どころ
気心の知れたメンバーだからこそ作り出せた空気感
──最初に、『DARK MOON -黒の月: 月の祭壇-』へのご出演が決定した際のご感想と、原作や台本をご覧になった感想をあわせてお聞かせいただければと思います。
ソロン役・小笠原仁さん(以下、小笠原):ENHYPENさんとコラボレーションしたウェブトゥーンのアニメというところで、オーディションを受けた段階から、「これはどういう温度感で愛されている作品なんだろう?」というのを、僕自身もいちオタクとして考えていました。
なかなかないメディアミックスのされ方なので、もし関われたらそういう空気感を肌で感じられたらいいなと思っていたところで役をいただけて、「これはすごくいい機会に恵まれたかもしれないな」という、そういった方面の期待感がありましたね。
シオン役・土岐隼一さん(以下、土岐):おがじんってENHYPENさんに限らず、韓国の俳優さんやアーティストの方々を知っていたりはすると思うの。その方々を応援したり、いわゆる推していたりしてた?
小笠原:ENHYPENさんの楽曲も聴いたりはしていました。土岐さんはいかがですか?
土岐:周りの演者の方々は最近、男性・女性関係なく韓国の役者さんを好きな人がすごく多くて、自然と名前は知っていました。パフォーマンスがすごいなとか、俳優さんとして、アーティストとしてすごいなとは思っていたんですけど、アーティストとコラボしたウェブトゥーンがあるということは知らなかったんですよね。
その方たちを元にキャラクターを作っているけれど、キャラクター名は違うじゃないですか。オーディションの時に、「どこをゴールにすればいいんだろう?」とは考えました。演者さんの声を当てはめた方がいいのか、それとも作品としての世界観基準でヴァンパイアと人狼という王道のファンタジーコンテンツとして考えた方がいいのか。考えた末に、これは素直に「このキャラクターから出てきそうな声」をイメージして声を作った方がいいのかな、というのは最初のオーディションの段階で考えていましたね。
最終的に、「シオンからはこういう声が出そうだな」と思って演じたところ、役をいただくことができました。だから決まった時に、この『DARK MOON』という作品の空気感を出せる人たち(役者)が集められているんだろうなと感じました。
全員で一堂に会した時の申し送りでも、キャラクターに合っていて、かつコラボ元になったアーティストの方々の空気感、例えばシオンなら明るい方がモデルなのですが、「イメージが近い方たちをキャスティングしました」とおっしゃっていたんです。芝居の方向性と人間性、その総合的な部分で選ばれたんだろうなと感じました。だから、「のびのびやろう」と思えました。
小笠原:最初にそう言っていただけたことで、現場でお芝居するにあたっても「自由でいいんだ」と思えて、すごくありがたかったですね。
土岐:もちろん芝居の微調整はありますけど、大きく方向性が変わった人はいなかったので、みんな結構のびのびやれていたんじゃないかなと思います。
──「12年制の学校」という設定がちょっと珍しいなと思ったのですが、この作品の世界観については、どのように感じられましたか?
小笠原:日本で言うと、エスカレーター式の小中高一貫校に近い感覚だと思うんですけど、ただ「小学○年生」「中学○年生」「高校○年生」みたいな区切りがなくて、一律に12年制という。また、学園が舞台でラブロマンス的な要素がありつつ、登場人物たちはスーパーパワーを持っていて、ヴァンパイアや人狼がいて、さらに主人公を取り巻くさまざまなヒューマンドラマが描かれている。ラブファンタジーとしては王道の設定だと思うんですけど、あれだけ個性あふれるキャラクターたちを一堂に会させて、物語を円滑に進めている原作を先に読ませていただいたときに、「面白い話の作り方だな」と感じました。
土岐:(頷く)。
──キャラクターに声を当てる際、どのようにキャラクター性を考えながらお芝居をされていかれたのでしょうか?
土岐:オーディションのときは、正直どうしようかなと考えていました。ただ、監督のお話の中で「一番イメージに合った方たちを選んでいる」というお話をいただいていたので、少なくとも日常シーン、リラックスしている場面については、「もし自分がシオンだったら、どう感じるだろう?」という直感を大事にして持っていけば、大きく外すことはないだろうなと思っていました。
なので、「ここはこう演じよう」と作り込みすぎる必要はなかったな、という印象ですね。シオンはしっかり考えている子ではあるんですけど、同時に直感で動くタイプでもあるので、その場その場で思いついたことをポンと言っちゃう感じが、僕自身とも重なる部分があったりもしますし、好奇心旺盛なところも含めて、シンパシーを感じる部分は結構ありました。
なので日常的なシーンに関しては、無理なく演じられたかなと思います。ただ、やっぱりファンタジー作品なので、シオンたちが抱えている少し暗い部分と向き合う場面が出てきたときには、「彼の陽気さはどうなるんだろう?」というところは考えましたね。
1話から4話あたりでは、まだその割合は大きくないですが、シオンは空気を読まない子ではあるんですけど読めない子ではないので、そういうときに周りのみんなのお芝居と合わせながら、「シリアスな展開のときは、どう演じていこうかな」というのを、その場で探っていった感覚が強いです。「こうやろう」「ああやろう」と事前に決め込むよりも、その場でみんなと一緒に空気を作っていく方が、絶対に楽しいと思っていました。小笠原くんをはじめ、インタビューを受けているメンバーも含めて、ずっと一緒にやってきた、いわば気心の知れたメンバーでもあるので。
実際、アフレコはめちゃくちゃ楽しかったです。
小笠原:部室みたいな(笑)。『DARK MOON』という作品において、その空気感が、そのままお芝居にもいい影響を与えていた気がします。
土岐:みんなが居心地の良い収録だったんじゃないかな。
──清水さんは皆さんとは初対面でしたよね。
土岐:清水くんは、多分みんなの中で一番「初めまして」の状態でしたし、がっつり掛け合いをする現場自体が初めてだったと思うんです。「こういうセオリーがあるんだ」ということを、現場で初めて知ることも多かったんじゃないかな。
マイクの位置とか、収録の仕方など、どう立ち回ればいいのか、とか。そういうことを周りを見ながら、このメンバーの中で吸収していたんじゃないかなと思います。このメンバーだったからこそ、一番のびのびできたんじゃないかなとも感じています。
平均すると30代前後の現場で、僕と宗悟がほぼ最年長という状況だったので、世代が近かったことも、すごくいい方向に作用していたんじゃないかなと思いますね。
小笠原:清水くんは、それこそ今放送されている4話くらいまで、常にアンテナを張り巡らせて、「次はどうするんだっけ?」と考えながら収録に臨んでいる姿が印象的でした。その初々しさと真剣な眼差しが、かっこいいなと思う瞬間もあって、良い体験だったなと思います。
──話が少し戻ってしまうのですが、小笠原さんがソロンを演じる際に、意識されていることをお伺いできればと思います。
小笠原:この作品のオーディションを受けさせていただいた時は、キャラクターの多い作品ということもあって、複数のキャラクターで受けさせていただいたんですけど、結果的にソロンに決まって。その時に自分の中で一番「なるほど」と思ったのは、キャラや声を変えずに、自分のパーソナルのど真ん中で勝負しようとしたのがソロンだったなという点でした。
そのままソロンに決まったので、「ああ、なるほど。であれば、自分の地続きにあるナチュラル寄りの部分を求めてくださっているのかな」と思ったんですよね。ただ、それはあくまでオーディション時点での話で、実際に他のキャストさんを知って、現場に行って、皆さんのお芝居やキャラクター同士の掛け合いが始まった時に、自分のお芝居的な立ち位置やキャラクターとしての立ち位置、そういったものが全部マリアージュされたときに、役割が明確に生まれてくるんだろうな、という感覚がありました。
実際にアフレコ本番をやってみたら、ソロンというキャラクターのフィルターを通して、自分が心のままにリアクションしていけば、このわちゃわちゃした空気感の中で、いいお芝居体験、掛け合い体験が組み上がっていきそうだなと思えて。だから個人的には、本当にのびのびとやらせていただけたな、という実感があります。
ただ、さっき土岐さんもおっしゃっていたように、ファンタジー作品ではあるので、たとえばバトルシーンだったり、日常とはかけ離れたマインドになる瞬間もあるんですよね。そういうナチュラルではないアプローチが必要になった時に、ファンタジーの世界観には寄り添いながらも、日常の延長線上として演じていたり。
ソロンたちヴァンパイアのみんなは、自分たちの宿命と向き合い、悩みながらも、それがもう当たり前になっていて、そのファンタジーの側面すらも、彼らにとっては日常なんですよね。だから、日常パートとファンタジーパートを意識してセパレートしないように、どれだけナチュラルさを残しながら全編を通して演じられるかというところにチャレンジしていたなと記憶しています。
クリスが何者なのかこれから明かされていく
──第4話までが放送されていますが、人狼のキャラクターが登場したり、クリスが現れたりと、さまざまな展開がありました。特に印象に残っているシーンを教えてください。
小笠原:4話までで言うと、やっぱり「クリス、誰?」って、最初みんな普通になりましたよね(笑)。
明らかに毛色が違うキャラクターだったので、後々、原作を追わせていただいて、「なるほど、そういうことか」と分かるんですけど、とはいえここでいきなり登場して、ヒロインに一番距離が近そうな、どこの馬の骨とも知れないやつが突然出てきて、「邪魔するな!」って正直思いました(笑)。
でも、どうやらしっかり物語に関わってきそうだぞ、とワクワクしたのを覚えています。
土岐:4話までだと、ここからどんどん物語が加速していく予感があって、クリスが何者なのかというところから、さらに話が膨らんでいきます。
特定のシーンというより、この作品をやらせていただいて、僕はすごく「懐かしさ」を感じました。懐かしさと同時に新鮮さもあって、その新鮮さというのは、会話の進み方だったり、男性と女性がどういう会話をするのか、といった部分ですね。そういった細かいところ全てにグローバルな雰囲気がずっとあります。
さっき、おがじんも言ってましたけど、12年制の学校って日本ではなかなか想像できないですよね。卒業があるからこそ、新しい出会いがあって、逆に少し疎遠になる関係もあったりする。でもこの作品では、一度友達になって、親友になったら、より家族に近い存在になっていくような雰囲気が、彼らヴァンパイアチームたちから出ているし、もはや他人ではなく、ほぼ家族のような距離感で描かれていて、日本にはあまりない文化だなと感じました。
一方で、やっていること自体はすごく壮大な王道ファンタジーなんですよね。
ラブロマンスもあって、ヴァンパイアと人狼の対立があって、でも本当の敵は別にいるんじゃないか、という気配もある。なので、観ている皆さんもその新鮮かつ懐かしい王道ファンタジーを感じてくださるのではと思います。
──ありがとうございます! 最後に第5話を楽しみにされている皆様へメッセージをお願いします。
小笠原:ご覧いただいている皆さん、ありがとうございます。『DARK MOON』が放映開始されて、もう4話まで来たということで、「あっという間だったな」と感じている方も多いんじゃないかなと思います。
毎話毎話、「え、ここでこういうキャラクターが出てくるんだ」とか、「このキャラクターたちってこういう一面があったんだ」とか、いろんな驚きがあったと思うんですけど、正直に言うと、あと3倍はあると思ってください(笑)。
胸を張ってそう言えるくらい、話が進むごとに魅力的なキャラクターはどんどん増えていきますし、謎もどんどん深まっていきます。そして、それをしっかりと、絶大なエネルギーで回収していく作品になっていると思っていますので、ぜひ第5話以降も楽しみにしていただけたら嬉しいです。
土岐:さっき小笠原くんが言っていた通り、「クリスって誰やねん?」みたいな驚きが、ここからちょっとずつ解き明かされていきます。それと同時に、ストーリーもどんどんシリアスになっていくんですよね。
原作自体がかなり壮大な物語なので、この1クールの中で、どうやって物語を進めて、どう完結させていくのかというのが、ここから一気に加速していきます。よりシリアスに気持ちよく物語が大きくなっていくので、その加速度と広がりに、ぜひついてきていただきたいですし、正直、しっかり食い入るように観ていないと、置いていかれてしまうかもしれないというくらい密度の濃いストーリーになっています。なので、この数か月はぜひ『DARK MOON』のダークな世界にどっぷり浸かっていただけたらなと思います。
●小笠原仁
ヘアメイク:齊藤沙織
スタイリスト:村留利弘
●土岐隼一
ヘアメイク:櫻井陽介
スタイリスト:村留利弘
[取材・文/笹本千尋 撮影/MoA]