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意外と楽しい京都のランニング。ちょっとした時間に走れる5コースを紹介

京都観光Naviぷらす

本屋さんの京都本コーナーで、“京都まち歩き”、“京都さんぽ”といった見出しをよくみかけますね。確かに観光するなら“歩く”が基本だと思いますが、京都は走っても楽しい町なんです。


その理由は主に3つ。


その1 急な坂が少ない


京都市は三方を山に囲まれた盆地ですから、特に中心部は比較的、地面が平ら。東山や北山などの山手を除けば、急な坂はほとんどありません。


その2 歴史あり、都会あり、自然あり!


世界遺産の寺社もあれば鴨川といった自然環境もある。ビジネス街や人々の暮らしなどもギュッと詰まっているのが京の町なので、そこを走れば歴史や文化、息づく風土までも感じとることができます。地形をダイレクトに感じられるのもおすすめする所以です。


その3 地図の出番が少ない、迷いにくい


京都市の中心部の道は“碁盤の目”のように、ほぼまっすぐに整備されているのが特徴。これは平安京をつくる時に中国の「条坊制」を用いたためで、方角さえ間違えなければ迷うことが少ないのが利点です。また、高い建物が少なく遠くが見渡せるため、大文字山(如意ヶ嶽)があるのが東、京都タワーがあるのが南、というふうに方角の目印が見えるのも旅人には嬉しい点です。


そんなわけで、京都は歩くのもいいけど、ランニングもおすすめ。



早朝ランニング終わりにモーニングを食べて帰ってくるのもよし、観光して帰ってくるのもよし。京都市内には昭和レトロな銭湯も多いので、帰りに立ち寄って疲労回復。サウナで汗を流すのも気持ちが良いものです。


今回は、観光のすきま時間でも気軽に走ることができる2km〜6kmのショートコースをピックアップ。好アクセスの駅をスタート地点とした5コースを紹介します。


コース1 約2.5km/約15分 やや上り坂


3つの世界遺産を駆け抜ける、きぬかけの路コース


(きぬかけの路)

最初におすすめするのは京都駅から北を向いて10時の方向、嵐電「御室仁和寺」駅を起点に世界遺産の仁和寺、龍安寺を経て金閣寺の門前に到達する「きぬかけの路(みち)」コースです。


「御室仁和寺」駅前から仁和寺門前を経て「きぬかけの路」に入れば、そこからは道なりに。大きなS字カーブを北東へ進むと左手に世界遺産・龍安寺の入り口が現れます。やがて右手に立命館大学、左手に堂本印象美術館が見えてきたらゴールの金閣寺はもうすぐです。


簡単なルートですが、緩やかな上り坂が続くので無理なくゆっくり走るのがおすすめ。また、「きぬかけの路」には歩道はありますが幅が狭く、観光シーズンともなると歩行者やバスを待つ人がいるので、車道にはみ出ないよう、安全に配慮してください。


このコースでちょっと注目いただきたいポイントは「きぬかけの路」です。


この道は、平安初期のある夏に「雪が見たい」という宇多天皇の願いを叶えるべく、山に白絹をかけて覆い、雪景色に見立てたという故事に因みます。絹がかけられた山を衣笠山といい、その前を通る道が「きぬかけの路」というわけです。


衣笠山は龍安寺と堂本印象美術館の間くらいにある標高201mの小さな山なのでぜひ探してみてください。


【コース1:世界遺産・きぬかけの路コース】
御室仁和寺駅〜仁和寺〜龍安寺〜京都府立堂本印象美術館〜金閣寺
約2.5km(1km6分の場合、約15分)
Googleマップ https://maps.app.goo.gl/gNTePfi7fQ5S1KJU6


コース2 約2.7km/約17分


近代的なビル群から京都最大級の名刹へ。京都駅コース


(烏丸通のゆがみ)

2番目におすすめするのは京都の玄関口、京都駅エリア。京都駅ビル前から東本願寺、西本願寺の門前を走り、再び京都駅へと戻る約2.7kmです。


京都駅かいわいはビジネスビルや大型商業施設が多い地域ですが、走り出せばすぐに東本願寺の荘厳な御影堂門が見えてきます。東本願寺の門前は、近年広場として整備され、歩道も拡幅。きれいなトイレも設けられました。


そこから新花屋町通を西へ向かい、堀川通へ出ると今度は眼前に西本願寺が。世界文化遺産の古刹です。


このコースの注目ポイントは“道のゆがみ”です。


京都の道は「碁盤の目」、つまり道がまっすぐのびていることが特徴であると前記しましたが、この東本願寺門前を通る烏丸通、そして西本願寺門前の堀川通をよく見ると、やや東へ曲がっています。


これは明治期、路面電車を通行させるために行われた拡幅工事の際、各お寺を避けて道が整備されたためなのだとか。地図上ではわかりにくいですが実際に赴くと、その急な角度が体感できると思います。


【コース2:京都駅コース】
京都駅〜東本願寺〜西本願寺〜京都駅
約2.7km(1km6分の場合、約17分の走行時間です)
★近くに銭湯あり!
Googleマップ https://maps.app.goo.gl/Ah3fpxLKd5xEjULW8


コース3 4.5km/約27分


上賀茂の社家町から賀茂川を走る。北山・なからぎの道コース


(穏やかに社家町を流れる明神川)

3番目におすすめするのは都会の喧騒を離れた北山エリア。京都駅から地下鉄で約15分の「北山」駅1番出口を起点に、上賀茂神社の門前、賀茂川沿いを走り、最後は地下鉄「北大路」駅へ辿り着く約4.5km。北大路橋のほど近くにはトイレもあります。


コース前半は閑静な住宅街を走るので、道幅が狭い箇所では車に注意が必要ですが、杜若の名所として知られる大田神社前を通り過ぎたあたりから道が広くなり、やがて昔の街道筋のような風趣ただよう家並みが見えてきます。上賀茂神社の神官たちが屋敷を構えていた“社家の町”です。


手入れの行き届いた明神川はもちろん、小橋や門の趣も美しく、ベンチもあるので休憩スポットとしてもおすすめです。


そこから世界遺産・上賀茂神社の前を通り、賀茂川の河川敷または側道の鴨西通を南へ走ります。さらに北山通からは枝垂れ桜が美しい「なからぎの道」へ。こちらは道幅がやや狭いので、川沿いの遊歩道などをうまく利用して走ることをおすすめします。


ちなみに「なからぎの道」の西側には100周年を迎えた京都府立植物園があります。京都マラソンの走行コースですが、通常は園内をジョギングなどで走ることはできません。試走もご遠慮ください。


【コース3:北山・なからぎの道コース】
北山駅〜上賀茂伝統保存地区(社家町)〜上賀茂神社門前〜賀茂川〜北大路駅
4.5km(1km6分の場合、約27分の走行時間です)
Googleマップ https://maps.app.goo.gl/Ah3fpxLKd5xEjULW8

コース4 約5.8km/約35分 やや上り坂あり


走って哲学!  東山の名所をはしごする哲学の道コース


(春夏秋冬の景色が楽しめる哲学の道)

徐々に距離を伸ばしていきましょう。4番目におすすめするのは南禅寺や永観堂、哲学の道など、洛東の名所を巡るコースです。


京都駅から北を向いて2時の方向にある地下鉄「東山」駅1番出口をスタートし、神宮道から疏水沿いを東へ。南禅寺、永観堂を目指します。


東山のふもとを走るので南禅寺門前を過ぎたあたりからやや上り坂になりますが、哲学の道からは平坦な道が続きます。その後は今出川通を西へ向かい、京阪「出町柳」駅でゴール。晴天なら五山送り火の1つ「大文字」もよく見えるコースです。


注目ポイントは、哲学の道。


哲学者の西田幾多郎などが思索にふけりながらよく散策していたことにちなんで名付けられた道で、つつじや山吹といった草花や、鯉や野鳥たちの伸び伸びとした姿が長閑な風景をつくっています。


川沿いには京都市電の軌道用石を再利用した遊歩道もありますが、そぞろ歩きを楽しむ外国人観光客も多いので側道も利用しながら走ると安全です。


ちなみに、川沿いに植えられた桜の一部は日本画家・橋本関雪が寄贈したもので、「関雪桜」の名で知られています。春は桜が見事ですが、人が多いので走るなら早朝がおすすめです。


【コース4 :哲学の道コース】
東山駅〜南禅寺門前〜哲学の道〜百万遍交差点〜出町柳駅
約5.8km(1km6分の場合、約35分の走行時間です)
★近くに銭湯あり
Googleマップ https://maps.app.goo.gl/jBfUdnpctRyhXczt8


コース5 約5.9km/約35分


二条城をぐるっとまわろう! 二条城・堀川遊歩道コース


(車の心配をせずに走れる堀川遊歩道)

最後は幕末に大政奉還が行われた世界遺産・二条城かいわいを駆け抜けるコース。出発地点は京都駅から北を向いて11時あたりの方向にある地下鉄「二条城前」駅、1番出口です。


まずは二条城の外堀をぐるりと1周、2km程度を走って体をならします。歩道の幅も広く信号もないので、地元ランナーにも人気のランニングコースですが、東大手門前は入城者が往来しているので注意してください。


城壁の、まぶしいほどの白と整然と積まれた石垣。そして常緑の松のコントラストも美しい開放的な道なので、体力や時間に余裕のある方は数周しても良いかもしれません。外堀の南側にはトイレもあります。


その後は堀川通からスロープを降りて、堀川が流れる堀川遊歩道へ。


堀川は、平安京造営時につくられた運河で、長らく材木の運搬や友禅染づくりなどで活用されていましたが昭和期、浸水対策のため途絶えていました。平成21年、その水流が復活し、遊歩道が整備され今に至ります。


コース中の注目ポイントは、遊歩道の上にかかる7本の橋。京都市指定文化財の石橋や貴重なアーチ橋など、ちょっとマニアックですが興味深い史跡です。また、コース折り返し地点となる一条戻橋は“あの世とこの世をつなぐ橋”といわれ、鬼女などの怪談でも有名です。


【コース5:二条城・堀川遊歩道コース】
二条城前駅〜二条城〜堀川遊歩道〜二条城前駅
約5.9km(1km6分の場合、約35分の走行時間です)
★近くに銭湯あり
Googleマップ https://maps.app.goo.gl/gvEWvnde5V1LwuQu9



以上5コース、駆け抜けて紹介しました。
京都は、日本で初めて行われた駅伝のスタート地点だったことから「駅伝発祥の地」とも言われています。
また、2012年からは毎年2月に「京都マラソン」が開催され、16,000人ほどのランナーが都大路を走り、年々盛り上がりを見せています。つまり、京都は“走る”ことがとても身近な町なのです。
ランニングは短時間で広範囲を巡ることができるので、観光と組み合わせやすいおすすめのアクティビティ。普段の観光では見えなかった京都の魅力、側面を見つけに走ってみませんか。


走行の注意


・車両や歩行者等と接触、衝突などが起こることがないよう、十分に注意してください。
・道路や歩道を利用するすべての方が気持ちよく快適に通行できるようマナーアップにご協力ください。


京都マラソン(ランナー募集は毎年7月〜9月)


京都マラソンのランナー募集は毎年7月に予定しているので、力試しに走ってみたい!という方はぜひご応募ください。京都マラソンを走るのは厳しいけど、ボランティア参加なら…という方も大歓迎! ボランティア募集は毎年9〜10月の予定です。


令和8年(2026年)2月15日(日)
8:55 車いす競技スタート
9:00 マラソン・ペア駅伝スタート
15:00 マラソン・ペア駅伝終了


京都マラソン公式サイト
https://kyoto-marathon.com/


京都でランニングをする方向けの参考サイト


京都市 きょう,走ろう!~京都のランナーズ情報
https://www.city.kyoto.lg.jp/bunshi/page/0000149824.html


記事【京都一周トレイル®公式】入門編! トレイルランニングの始め方
https://plus.kyoto.travel/entry/trailrunning

記事を書いた人:五島 望
東京都生まれ、京都在住のライター・企画編集者。
京都精華大学人文学部卒業後、東京の出版社に漫画編集者等で勤務。29歳で再び京都へ戻り、編集プロダクション勤務を経てフリーランスに。紙媒体、Web、アプリ、SNS運用など幅広く手掛ける。

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