甘い囁きや笑い声は、 どの方向から聞くと一番効果的になるでしょう!?
ゲストは、医療ジャーナリストで医師の森田豊さんです!
「人間関係に関するクイズ」
①夏休みや夏季休暇で新たな人との出会いも多く、ワクワク・ドキドキするお付き合いもあるかと思います。
Q:甘い囁きを相手に伝えるのに効果的なのは、どれでしょう!?
A:右側から伝える B:左側から伝える C:真正面から伝える
正解は・・・B
スイス・ローザンヌ大学の研究チームが、学術誌であるFrontiers in Neuroscienceに発表した研究結果です。甘い囁き声や笑い声といったポジティブな音は、聞く人の「左側」から聞こえてきた時の方が、脳に強い反応を引き起こし、感情を高めることになるとのことです。研究チームはMRIを用いて、13人の脳の活動を観察して、右・左・正面から聞こえてくる、様々な音にどれほど強く脳が反応するのかを調査しました。「左側から人間のポジティブな声を聞いた時」に、聴覚に関わる脳全体が最も活性化したと報告されました。正面または右から聞こえた場合には、脳はあまり活性化しなかったとのことです。励ましや応援、ハッピーな言葉は聞き手の左側から語りかけるのが、より効果が高まりそうです。
②Q:スキンシップは、状況によって体と心に良い影響を与えると考えられていますが、毛布に抱きついた場合の効果はどれくらいあるでしょう!?
A:効果は変わらない B:効果は少ないがある C:効果は認められない
正解は・・・B
ドイツのルール大学の研究です。およそ1万人以上が参加した合計212件の研究について分析を行い、スキンシップが人々の健康にもたらす影響について調べました。スキンシップは人々の痛み、うつの症状、不安を軽減することが確認されました。特に、子供の場合には、親に触れられるとプラスの影響が著しく大きくなるようです。研究チームが注目に値すると指摘しているのが、「スキンシップの相手が人間ではなく、毛布や抱き枕、ロボットなどの無生物であっても、ある程度のメリットが得られた」という点です。これらの無生物との接触は、健康にもたらす影響は人間との接触よりも少なかったものの、身体的な健康にもたらす影響は人間と同程度でした。ちなみに、触れる場所は頭や顔が最も効果的であるようです。
③Q:ブラックジョークによって楽しい会話に繋がることがありますよね。ただ、ブラックジョークを言う人は、ある病気になりやすいと考えられています。それはどんな病気でしょうか?
自由回答です。
正解は、認知症
イースト・フィンランド大学が、東フィンランドに住む平均71歳の男女およそ1500人を対象に、考え方が皮肉っぽい人と、認知症の発症率を調査しました。およそ8年間の追跡調査を行ったところ、考え方が皮肉っぽい人はそうでない人たちに比べて、3倍も認知症が発症しやすかったとのことです。毒舌やブラックジョークをよくする人は、自分はそんなに笑いながらしゃべっているわけではないので、脳の一部だけを酷使しており脳全体を使っていないので、認知症になりやすいのではないかと思います。
④毎日、暑い日が続いていますが、友達や家族と一緒にかき氷を食べて涼をとることは良好な人間関係につながると思います。
Q:医学的見地に基づいた、かき氷の食べ方と熱中症の予防効果に関して正しいものは、次のうちどれでしょう?
A:出来立てのかき氷を、上の方からスプーンでサクサク食べていくと、より熱中症予防になる。
B:かき氷がドロッと溶けてから食べると、より熱中症予防になる
C:かき氷の食べ方によっての変化はない
正解は、B
細かい氷と水が混ざった状態だと、口の中で溶かさずに飲み込めるので、効率よく全身をクールダウンすることができます。体の中を通るときに、熱をゆっくりじんわり奪ってくれるんですね。これを「アイススラリー」と呼んでいて、スラリーというのは「ドロッとした」という意味。液体と細かい氷の粒が混ざった状態のことです。とろみがついていることで、気道に入ってむせたりするリスクも少なくなるので、年配の方には特におすすめです。ただ食べ過ぎると、体を冷やしすぎたり、お腹を壊したりするので注意しましょう。
⑤「喧嘩するほど仲がいい」とよく言われますが、本当に喧嘩する方が仲がいいのでしょうか?
A:仲がいい B:仲は良くない
正解は、諸説あるがA
アメリカ・テキサス大学の研究によると、結婚してから半年以内のカップル61組を対象に、喧嘩の頻度を調査しました。2年半にわたり追加調査を行ったところ、結婚から半年以内に喧嘩をしているカップルほど、その後は円満に関係を続けていることがわかったのです。逆にあまり喧嘩をしなかったカップルほど、早々に離婚していたという報告があります。気を遣いすぎたり、言いたいことも言えない関係を築いてしまうと、どこかでそのしわ寄せがくるのかもしれません。無理をせずに適度に言い合い、腹を割って話すことで、お互いに対する心理的な免疫が生まれるように思います。心理学では“免疫効果”とも呼ばれています。夫婦という関係だけではなく、友達との関係でも意識したらよいかと思いますが、適度に言い合うことが大事です。過度に攻撃しないように、表現などには十分に注意してほしいです。
⑥Q:人間関係において、相手に怒りを感じてしまうこともあるかと思います。そんな時に「怒りを抑制するのに良いのではないか」という方法を、今年4月に名古屋大学が報告しました。メモ用紙を使って何かをするのですが、どんなことをするでしょうか?
正解は、メモ用紙に怒りの内容を書き出して、丸めてゴミ箱に捨てる!
名古屋大学の研究では、参加者が書いた論文に対して、「低い評価だ!」などの侮辱的なコメントを与えることで、参加者に怒りを生じさせました。怒りを感じたときの状況を客観的にメモ用紙に書いてもらったんですが、そのメモ用紙を丸めてゴミ箱に捨てる場合と、捨てずにとっておいた場合とで、怒りがどのように変化するかを比較したんですね。メモ用紙を丸めてゴミ箱に捨てた参加者では、侮辱される前と同じぐらいまで、怒りの程度が減り、怒りが鎮まりましたが、メモ用紙を捨てずにとっておいた参加者の怒りはあまり変わらなかったとのことです。また、丸めてゴミ箱に捨てる代わりにシュレッダーで裁断しても怒りは鎮まりました。しかし、透明の箱に入れただけでは怒りは減らなかったということです。