喫茶 アリンチョ
JR二宮駅から5分ほど歩いた場所に、あたたかな雰囲気をまとった「喫茶 アリンチョ」があります。
44年以上続く二宮の名店だった「軽食喫茶 山小屋」を引き継ぎ、2026年2月にオープンしたばかりと聞き、さっそく足を運んできました。
2人の要素が込められた「喫茶 アリンチョ」
「店の名前が注目されがちなんですが、実は2人の要素を組み合わせて名付けました」と話してくれたのは、マスターの蒼太さんと奥様の杏莉さんです。
店名の「アリンチョ」は、杏莉さんのニックネームが由来。お互いの名前や好きなものを取り入れた店名にしようと話し合う中で生まれました。
そして実は、店名だけでなくロゴやテーマカラーにも2人の要素が込められているとのこと。ご主人の「蒼太」さんにちなんで“青”を基調としたカラーが採用されており、店内の随所にも青が散りばめられているのが印象的です。
はじまりはキッチンカーの喫茶店
画像出典:喫茶 アリンチョ
2人は大学時代の先輩・後輩という関係で、社会人になってからの再会をきっかけに交際がスタートしました。
当時、蒼太さんは独立の夢を胸に、マレーシア料理のキッチンカーで働いていたそう。会社員だった杏莉さんと将来について話し合いを重ねる中で、キッチンカーでの独立を決意しました。
どんなお店にするかを考える中で浮かんだのが、2人の共通の趣味である「喫茶店巡り」。多いときには1日に3軒はしごするほど喫茶店で過ごすのが好きなんだとか。そんな中でふと「喫茶店のキッチンカーは見たことがないよね」という話に。
「自分たちが出かけるのではなく、喫茶店のほうから近くに来てくれたらいいのに」という発想から、喫茶店をテーマにしたキッチンカーを始めることになりました。その着眼点はとてもユニークで、思わず「素敵だな」と感じさせられます。
そんなキッチンカー時代から人気を集めていたのは、「クリームソーダ」(700円・税込)。お店のこだわりがオリジナルのグラスにぎゅっと詰まった一杯です。
中でも水色の「アリンチョ」は、アイスクリームをのせるだけでなく、中にホイップクリームを忍ばせ、まるで雲のような見た目に仕上げているのが特徴。懐かしさを感じるクラシックな一杯に、現代的なアレンジを加えたといいます。
さらに、シロップ選びから徹底的にこだわり、透明感のある美しい色合いを追求。かわいらしいストローを合わせるなど、手に取った瞬間にときめくようなビジュアルも魅力のひとつです。
そして、「チーズハヤシ」(1300円・税込)もキッチンカー時代からの看板メニュー。根強いリピーターが多く、毎週のように注文する人もいる人気ぶりです。キッチンカーでは仕上げにパルミジャーノ・レッジャーノを目の前で削りかけて提供するスタイルで、ライブ感もたっぷりとか。
立ちのぼるチーズの香りも相まって、特に女性からの支持を集めています。続けて注文が入ることも多いという、まさに定番の一皿です。
喫茶店巡りから生まれたメニューの数々
喫茶 アリンチョのメニューには、これまでの喫茶店巡りの中で得たインスピレーションが随所に活かされています。さまざまな喫茶店を巡る中で生まれたアイデアを形にしている点も、お店ならではの強みといえます。
「ナポバーグ」(1500円・税込)は、喫茶店を2人で巡る中で着想を得た一品。昔ながらのナポリタンに、神奈川県産の「やまゆりポーク」を100%使用したハンバーグを合わせたメニュー。食いしん坊にはたまらない組み合わせが最高に嬉しいですね。
喫茶 アリンチョは、デザートも見逃せません。 クラシックな佇まいが魅力の「焦がしプリン」(400円・税込)は、スプーンを入れるとカラメルが「ザクッ」と音を立て、ひと口頬張れば香ばしくやさしい甘さが広がり、プリンを口に運ぶ手が止まらなくなります。
二宮産の黒糖落花生を使用してつくられた「二宮コーヒーゼリー」(550円・税込)は、別添えの黒糖シロップをかけていただきます。コーヒーの上品な苦味に黒糖のコク深い甘さ、さらに落花生の香ばしさが重なり合い、まるで口の中でハーモニーを奏でるかのような味わいです。
2人の未来を変えた「軽食喫茶 山小屋」との出会いと決断
44年以上にわたり世代を超えて親しまれ、長い歴史に幕を下ろした「軽食喫茶 山小屋」。引き継ぐことになった経緯を伺うと、このお店は2人の気持ちが変わった思い出の場所だったといいます。
当時は杏莉さんの中で「店舗は持たず、キッチンカーだけでやっていきたい」という思いが強く、店舗を持ちたいと考える蒼太さんと将来の方向性について意見がぶつかることもあったそうです。
そんな中で訪れた「軽食喫茶 山小屋」で、オーナーご夫妻が営む姿を目にしたことが大きな転機に。「このくらいのお店の規模感で、2人でずっとお店に立てるなら、店舗を持つのもいいかもしれない」と、杏莉さんの気持ちに変化が生まれました。
それからおよそ1ヶ月後、思いがけず「この場所でやってみないか」と知人を介して声をかけられます。「運命だと思って震えました」と振り返る2人。いてもたってもいられず、その日の夜に再びお店を訪れ、これからのことに胸を躍らせながら食事を楽しんだといいます。
後日、「軽食喫茶 山小屋」のオーナーご夫妻を交えて話し合いの場が設けられ、驚くほどスムーズに話が進行。お互いの相性の良さも感じられる中で、わずか1週間ほどで引き継ぎが決まりました。引き継ぐにあたり、サイフォンコーヒーの淹れ方をはじめ、お店を続けていく上での心構えなど、たくさんのアドバイスを授けてくださったそうです。
実は、前オーナーのご夫妻は時折こっそり喫茶 アリンチョに来店されることがあり、そのたびに店内が少しざわつくのだとか。日頃から電話で相談したり、直接会う機会も多くあったりと、2人にとって大きな支えになっている存在です。
「軽食喫茶 山小屋」のメニューについては「何も引き継がなくていい。自分たちの好きなものをやりなさい」と前オーナーご夫妻から背中を押されたとのこと。その中で唯一「山小屋ブレンド」(600円・税込)だけでも残したいとお願いし、引き継がせてもらったのだと教えていただきました。
行列の先に届けたい「羽を休める場所」のこだわり
オープンから1ヶ月。取材の申し込みも多く、SNSやニュースをきっかけに足を運ぶお客さんも増え、順調なスタートを切ることができたといいます。土日は満席が続き、行列ができることも多い人気ぶり。
一方で、お店として大切にしているのはコンセプトにもある「羽を休められる場所」であること。本を読んだり、落ち着いてのんびり過ごしたりできる時間を提供したい思いがあるため、混雑時にゆったりとした空間を十分に届けきれていないことが、今後の課題だと打ち明けられました。
「それでも、足を運び、待ってくれるお客さんの存在には感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔で語ります。
行列ができると焦りが生まれがちですが、「お店に入った瞬間に、その慌ただしさを感じさせないこと」を徹底。スタッフ同士で大きな声を出さない、急いでいる様子を見せないなど、空間の心地よさを守る工夫を大切にしています。
そっと羽を休め、前へ進むための場所であり続けたい
今後について伺うと、「喫茶 アリンチョで休んで、また元気に羽ばたいていってほしい」と話します。店内を見渡すと、そっと羽を休める鳥のモチーフが散りばめられており、コンセプトに込めた想いが空間全体にやさしく息づいているのを感じました。
2人はお店に訪れたお客さんが元気になれるよう、そっと後押しができる存在でありたいと考えています。
「サイフォンで丁寧に淹れるコーヒーを片手に、思い思いの時間を過ごしてほしい」というのも願いのひとつ。コーヒーだけの利用はもちろん、本を読みに訪れる人がいることも嬉しく感じているといいます。
特にゆっくり過ごしたい場合は、夕方4時以降の来店がおすすめとのことです。
今後は、季節ごとに楽しめるクリームソーダの展開も予定されています。2026年3月から、春限定の「桜のクリームソーダ」(700円・税込)が登場。
パステルカラーの桜がアイスの甘さを引き立て、ひと口で春の訪れを感じられる味わいに仕上がっています。訪れるたびに新しい魅力と出会えるのが嬉しいポイントですね。
おわりに
2人の「喫茶店に対する大きな愛と歴史」に包まれる喫茶 アリンチョ。あなたも背中の羽を休めに、ぜひ一度訪れてみてくださいね。
最寄り駅
JR東海道本線, 二宮駅
住所
〒259-0123 神奈川県中郡二宮町二宮222
駅徒歩
JR東海道線二宮駅南口から徒歩2分
営業日
月曜日, 木曜日, 金曜日, 土曜日, 日曜日
営業時間
11:00~19:00
営業時間詳細
L.O:18:30
定休日
火曜日, 水曜日
予約
予約不可
受付開始
登録なし
受付終了
登録なし
予算(下限)
500
予算(上限)
3000
支払い方法
現金, QRコード決済
支払い方法詳細
対応QRコード決済:auPay, PayPay
席数
23席
席の種類
テーブル席, カウンター席
個室
無し
貸切
不明(店舗にお問い合わせください)
喫煙可否
全席禁煙
駐車場
無し
設備・サービス
オシャレな空間, 落ち着いた空間
コース内容
無し
ドリンクメニュー
ソフトドリンク
利用シーン
ランチ, ディナー, デート, 家族, 友人, お一人様, 女子会
アクセス
サービス
お子様連れ
可能
公式サイト
https://www.instagram.com/idokissaarincho/
開業年月日
2026-2-19