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被災3県で「子ども復興五輪」 岩手はW杯聖地うのスタでラグビー交流

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復興が進んだまち並みを臨むスタジアムで行われた「子どもラグビー復興五輪」=10日

 「復興五輪」を掲げる東京五輪の開幕を前に10日、東日本大震災の被災地・釜石市で、ラグビー交流や震災学習で地域への理解を深めるイベント「子ども復興五輪」が開かれた。これまで受けた支援に感謝し、被災地の姿を国内外に発信する同五輪の意義を感じてもらおうと復興庁が企画。釜石、宮古両市でラグビーに親しむ小学生20人が、実技指導や交流試合を楽しんだほか、語り部の講話から防災意識の重要性を学んだ。

 会場は、2019年にラグビーワールドカップ(W杯)会場となった釜石鵜住居復興スタジアム。釜石シーウェイブス(SW)ジュニアから11人、宮古ラグビースクールから9人が参加した。開会式でSWジュニアキャプテンの佐々木璃音さん(甲子小6年)が、「五輪に負けないぐらい、精いっぱいみんなで頑張る」と選手宣誓した。

選手宣誓をする釜石SWジュニアの佐々木璃音さん

 ラグビー教室では釜石SWRFCの小野航大主将、中野裕太選手、須田康夫ヘッドコーチが子どもたちを指導。ボールキャッチやパスの基本を、数種の練習メニューを用いて教えた。指導後、釜石と宮古の交流試合も行われた。あいにくの雨模様の中、両チームは全力プレーを見せ、W杯聖地で思い出を刻んだ。

 釜石の山﨑陽介君(小佐野小6年)は「試合が楽しかった。これからも練習を続け、今よりもっとうまくなりたい。プレーの判断が早くできるようになるのが目標」と刺激を受けた様子。この日は小野、中野両選手から体づくりやレベルアップのためのアドバイスもあり、子どもたちは多くの学びを得た。

釜石SWの選手らが指導したラグビー教室。確実なボールキャッチの技術などを学んだ

釜石SWジュニアと宮古ラグビースクールの交流試合

ゴール前の攻防。選手たちの全力プレーにスタンドの関係者から盛んな拍手が送られた

 被災地産食材を使った弁当昼食の後は、震災や復興の学習。鵜住居町の「いのちをつなぐ未来館」で語り部活動を行う川崎杏樹さん(25)が自身の体験などを話した。川崎さんは震災時、同スタジアムの場所にあった釜石東中の2年生。隣接する鵜住居小の児童の手を取り高台まで避難し津波から逃れたこと、迅速に行動できた背景には日ごろから学校で行われていた防災教育があったことを明かした。ラグビーW杯の開催決定が釜石の復興加速につながったことも伝えた。

いのちをつなぐ未来館の川崎杏樹さんから当時の避難行動やまちの復興過程を聞いた学習

 宮古の山田楓さん(磯鶏小5年)は「自宅は海の近く。川崎さんの話を聞き、これから起きるかもしれない災害にちゃんと備えておきたいと思った。いざという時、すぐに逃げられるように」と気を引き締めた。間もなく開幕する五輪では「岩手県出身の選手が出場する競技とか見てみたい」と期待を込めた。

 この日は、亀岡偉民復興副大臣が来釜。子どもたちの様子を熱心に見守った。「コロナ禍で、子どもたちも日ごろの頑張りを披露する場が失われている。今日は生き生きとした姿が見られ、(イベントを)やって良かったと思う」。復興五輪について「厳しい状況に耐えながらもアスリートが日本に来てくれて、力を発揮する姿を子どもたちに見てほしい。スポーツの感動を味わい、目標にして頑張れる子が出てくるといい」と願った。

子どもたちの今後の活躍に期待し、熱いエールを送る亀岡偉民復興副大臣

「子ども復興五輪」は岩手、宮城、福島の被災3県で実施。五輪の競技会場となっている宮城、福島では、それぞれ開催競技であるサッカー、野球による交流が行われている。

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