【横浜市戸塚区】戸塚駅・東戸塚駅 タクシー利便性確保へ 「入構阻害」に是正指導強化
(一財)神奈川タクシーセンターはこのほど、戸塚駅東口と東戸塚駅西口のタクシー乗り場について、空車不足解消を目的に「入構阻害行為」の是正指導を強化する。同センターの担当者は「乗り場が適正に運用されることで、駅でのタクシー利用が円滑にできれば」と期待を込める。
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神奈川タクシーセンターは横浜地域(横浜・川崎・横須賀・三浦)のタクシーの適正化事業について国土交通省の指定を受けている団体。タクシーは道路運送法などの法規制を受けるが、これに加え「客待ち待機中の喫煙」などを違反とする自主ルールを規定し、タクシー業務の適正化と利用者の利便確保を図る。
今回、戸塚駅東口と東戸塚駅西口の規制を強化したが、この規制は横浜地域では初という。
申告制度も新たに
神奈川タクシーセンターの担当者によると、2つのタクシー乗り場は空車不足が大きな課題になっているという。
近年、配車アプリの普及などによって駅前の乗り場以外からの乗車が増加しており「それに加え、両駅では『入構阻害行為』が長年常態化していることも空車不足の要因となっているとみられる」と担当者は明かす。
入構阻害行為とは、組織的・継続的に顔見知りの運転者以外のタクシーが駅前の乗り場に入構することを妨げるもの。ただ「あからさまに『出ていけ』などの文句を言うという態様はないのが難しさ」という。
両駅には20年以上前からそういった状態があり、同センターではイメージが運転手らに定着してしまっていること自体を問題視している。
違反すると運転者ごとに違反点数が記録され、2日間の研修が義務付けられるほか、事業者の優良評価にも影響する。
ドラレコも活用
同センターは規制の実効性を確保するため、9月から新制度を導入。従来のルールでは違反行為に対して指導員の「現認」が是正指導の要件だったが、ドライブレコーダーなどを活用した「申告」による場合も、含まれることになった。
従来は「言った・言わない」の域を出ないことも多く、入構阻害行為の現認は困難だったが、ドラレコの普及で規制が可能になったという。担当者は「アプリが苦手なシニアなど、駅前需要は依然としてある。それに応えられるようでありたい」としている。