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「企業主導型保育施設」、選択肢としてアリ?一体どこが違うの?

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街中で見かけることも多くなってきた「企業主導型保育施設」。保育施設は認可保育園や認可外保育園、企業型保育園など種類が多く、よく分からないという人もいるのではないでしょうか。今回は、待機児童解消や仕事と子育ての円滑な両立を目的として国が助成を行っている企業主導型保育施設について解説します。

企業主導型保育施設とは?

そもそも保育施設とは保育が必要な子供を預かるために設置された施設です。種類はいくつかありますが、認可保育施設と認可外保育施設の二つに大きく分かれます。

認可保育施設

国が定めた基準を満たし、都道県知事が認可した保育施設。入所に際しては自治体に申し込みが必要。審査が行われ入所できないこともある。

認可外保育施設(無認可保育施設)

国の認可基準は満たしていないが、各都道府県の定めた基準は満たしている保育施設。保育料や保育サービスを自由に設定できることが大きな特徴。英語教育に力をいれる、早朝や深夜でも預かるなど各保育施設独自の運営方針が見られる。

企業主導型保育施設は、企業が従業員のために設置する、地域の企業で共同設置・利用する保育施設で、国が平成28年度に開始した「企業主導型保育事業」により、設立や運営のための助成を受けている保育施設です。児童福祉法上は認可外保育施設に該当します。

企業主導型保育施設では、当企業で働く従業員の子供が優先して受け入れられますが、従業員専用というわけではなく、「地域枠」として、一定の範囲で地域の子供たちの受け入れも行っています。

待機児童の推移

よく待機児童ゼロを目指すという言葉を聞きますが、待機児童とはどのような状態を指すかご存じですか?待機児童とは、0~5歳を対象とした認可保育施設に、定員超過で入所できなかった児童のうち、地方自治体が設定した保育施設にも入所できていない子供を指します。

3歳以上の子供を預かる幼稚園と違い、保育施設は0歳時から預けることができるので、出産・育休を取得して仕事に復帰する場合には保育施設を利用するケースが多くなりますが、預け先がなくて困っている=待機児童の問題で困っているご家庭も目立っていました。この待機児童を減らすための手段の一つとして企業主導型保育施設は導入されました。 

厚労省のデータより筆者作成

ちなみに厚生労働省の調査によると平成24年の待機児童数は2万4825人でしたが、令和2年には1万2439人に減少しています。ずいぶん少なくなったとはいえ、まだまだ待機児童の数は多いと思います。待機児童が目立つのは需要と供給の関係で都心部や地方の新しい住宅が増えている地区と言われています。ちなみに1000人以上の待機児童がいるのは東京都・埼玉県・兵庫県・福岡県・沖縄県でした。お住まいの地域はいかがでしょうか?

企業主導型保育施設の対象となる児童

小学校に入学する前の小さな子供を預かってもらえる施設として保育施設の他に幼稚園があります。似ていて異なる部分も多いので比較してみましょう。

幼稚園と保育施設(企業主導型保育施設を含む)の一番大きな違いは0歳からの保育が可能か否かです。育児休業を終えて仕事に復帰する際、預かってもらえる保育施設を探す必要がありますが、乳幼児を預かってくれる保育施設がなかなか見つからないケースもあります。そのため近年は子供を保育施設に入園させるための活動を妊娠中~出産直後からスタートする「保活」を行うカップルも多いようです。

企業主導型保育施設はどんな企業が導入しているの?

公益財団法人児童育成協会の発表によると、令和2年3月末で3768施設、全施設の合計定員数は8万6695人になっています。いわゆる大企業はもちろん、国から子育て支援事業として助成金が出されることもあり、従業員の働きやすさを大切に考えている地方の中小企業で導入されています。

企業主導型保育施設リスト(令和3年4月時点)
https://www.kigyounaihoiku.jp/info/20210901-01

企業主導型保育施設の特徴

【画像出典元】「stock.adobe.com/buritora」

さて企業主導型保育施設の特徴として挙げられる代表的なポイントを見ていきましょう。

入園申し込みの結果がすぐに分かる

企業主導型保育施設は、入園の申し込みを直接園に行うことがほとんどです。そのため、選考があり申請後結果が出るまで時間がかかることの多い認可保育園に比べると、入園の可否が短期間で分かることは大きなメリットといえるでしょう。

パートタイマーでも利用ができる

認可保育施設の場合、どうしてもフルタイムで勤務している家庭が優先されます。それに対して企業主導型保育施設は定員に余裕があればパートタイム勤務の方でも大丈夫です。

認可外保育施設であるが保育料の上限が設定されている

企業主導型保育施設は認可外保育施設に区分されますが、保育料に関しては認可保育施設と同等に扱うように国から決められています。

日曜・祝日の保育を行っている施設もある

企業主導型保育施設は多様な働き方に応じた保育の提供を目的に作られています。そのため日曜日や祝日など認可保育施設では受け入れていない曜日や、延長保育など柔軟に設定されている施設もあります。

病児保育・一時預かりなど対応が柔軟な施設もある

企業主導型保育施設の中には、子供が熱を出した場合など通常では預かってもらえないケースでも一時預かりしてくれる施設もあります。ただし一時預かりをしている施設でも事前登録が必要なことが多いので注意してください。

企業主導型保育施設の保育料は他と比べてどうなの?

【画像出典元】「stock.adobe.com/Playroom」

認可保育施設と認可外保育施設で比較すると認可外保育施設の方が保育料は高くなります。認可保育施設は運営費の大部分が国または自治体からの補助金などの公費でまかなわれており、保育料は比較的低く、保護者が支払う保育料は世帯年収や生活保護の有無などによって決定されるからです。一方、認可外保育施設は国や自治体から補助金がないため全般的に保育料が高い傾向にあります。

企業主導型保育施設は認可外保育施設に区分されますが、保育料の位置付け的には認可保育施設に近いといえます。前述したように保育料の基準が設けられており、その基準よりも高くならないように定められているからです。こうしてみると、保育料は比較的リーズナブルといえそうです。

令和3年度の保育料の上限は下記の通りです。

また2019年10月から始まった保育料の無償化では、企業主導型保育事業の保育施設も対象です。保育認定を受けられれば3歳児から保育料は無償になります。

企業主導型保育施設の選択はアリです

いろいろな選択肢がありそうで実は選択肢が少ない子供の預け先ですが、その選択肢の中に企業主導型保育施設を入れることはアリだと思います。

入園申し込みの結果がすぐに分かるパートタイマーでも利用ができる認可外保育施設であるが保育料の上限が設定されている日曜・祝日の保育を行っている施設もある利用定員の最大50%以内で地域枠が設けられており、運営企業以外に勤務している人も利用できる(*国の方針もあり、場合によっては50%を超えて受け入れるケースもある)

お住まいの地域に企業主導型保育施設があるかは下記のサイトで調べることができます。
企業主導型保育施設検索サイト:https://www.kigyounaihoiku.jp/

選択肢の一つとして考えてみるのはいかがでしょうか?

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