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スペインの美食の代名詞、カバとハモンセラーノが日本向けのキャンペーンを3年にわたって展開

料理王国

スペインの美食の代名詞、カバとハモンセラーノが日本向けのキャンペーンを3年にわたって展開

「カバ原産地呼称統制委員会」と「スペインハモンセラーノ協会」が日本向けの合同キャンペーンをスタート。オープニング・セレモニーのひとつとして、食のプロフェッショナルを対象としたディナーパーティーが開催された。当日の様子をレポートする。

2024年6月12日(水)、「カバ原産地呼称統制委員会(Consejo Regulador de la Denominación de Origen CAVA)」と「スペインハモンセラーノ協会(Consorcio del Jamon Serrano Espanol)」による、食のプロフェッショナルを対象としたディナーパーティーが、日比谷パレス(東京)を会場に開催された。
カバとハモンセラーノという、スペインの2大美食の合同キャンペーンは、欧州連合(EU)が発信する高品質な農産物のプロモーション“ENJOY IT’S FROM EUROPE”の一環で、今後3年間にわたり実施される。

ディナーパーティー当日、開場は18時。受付けが終わったら、アペリティフとしてカバとハモンセラーノがふるまわれた。
この日は梅雨入り前の晴天に恵まれた東京。心地よい泡の清涼感、うまみのある生ハムに、心も解きほぐされるよう。
しばらくして、賑やかになってきたところで、「カバ原産地呼称統制委員会」のジュディット・マネロ氏と、「スペインハモンセラーノ協会」アルバロ・ディアス氏による挨拶、そしてキャンペーンについて紹介された。

また、今キャンペーンのアンバサダーとして、東京・西麻布のスペイン料理店「フェルミンチョ」オーナーシェフ作元慎哉氏、エキスパートに東京・市ケ谷のスペイン料理店「レストランティンガナ」シェフソムリエ・菊池貴行氏、スペインハモンセラーノ協会認定カット職人・作元典子氏が任命。この日は、作元慎哉氏が司会進行を務め、菊池貴行氏と作元典子氏が要所要所で説明をされ、飲みながら食べながら、その一方で話を聞き、理解を深める一助となった。

19時になったら2階に移動し、着席ディナー。カバとハモンセラーノをペアリングで味わった。
カバはスパークリングワインゆえの、アペリティフというイメージがあるが、長い熟成を経たうまみがしっかりあるものは、料理にも難なく合わせられる。
カバの爽快感は、素材本来の力を打ち出した和食などとも相性の良さを思わせる、ポテンシャルの高さを感じさせた。

アミューズ:ハモンセラーノ2種

前菜: アスパラガス ハモンセラーノの菜園

魚料理: 佐渡島から届いた鮮魚 あられのお茶漬け ジュリエンヌ

肉料理: イベリコ豚の温燻 ミョウガとシブレットのルーロー

Cava de Guarda Superior Reserva Rosé 2022

Cava de Guarda Superior Gran Reserva 2016

20時。ルーフトップテラスに移動してデザート。日が沈み、外の風も心地よく、チョコレートなど甘いものをつまみながら、談笑。さらに盛り上がり、余韻を惜しみつつの、閉会となった。

冒頭で記したように、この日のディナーパーティーは、「カバ原産地呼称統制委員会」と「スペインハモンセラーノ協会」による日本向け合同キャンペーンの、オープニング・セレモニーのひとつ。
前日の6月11日(火)にはプレス発表会が、翌週、6月20日(木)・21日(金)は、カバ、ハモンセラーノのセミナーが開催された。
今後は、随時イベントが予定されており、一般消費者向けのポップアップも企画されるという。

カバとハモンセラーノは言わずと知れた、スペインの美食の象徴である。共通点として、“時間” “熟成” “伝統”があげられる。さらに、近年は“産地” “サステナブル”も大事なポイントだ。
「地元の原料を使い、時間をかけて職人が作り出す高品質の商品」が、カバとハモンセラーノと言えるだろう。
カバを飲めばちょっとつまみたくなる、ハモンセラーノを食べれば喉も潤したくなる。
相乗効果という意味でも、カバとハモンセラーノの共同キャンペーンは功を奏すのではないだろうか。

カバ
シャンパーニュ、プロセッコに並んで世界三大スパークリングワインに数えられるカバ。カバはワインを熟成させるための場所“洞窟”を意味するカタルーニャの言葉を語源とする。
今回、単にカバ、でなく、D.O.カバとなっている点に意味があり、D.O.(Denominación de Origen)は原産地呼称のことで、特定の地域で収穫、認可されたブドウを使い、醸造するなど、厳しい基準が設けられている。新しいカテゴリーも導入され、より厳しい分類が追加された。
カバは瓶内二次発酵で造られ、熟成は最低9か月。品質管理に加え、環境への配慮も求められているのが、近年の大きな特徴である。
2021年には、コロナ禍にもかかわらず、史上最高の販売量を達成。オーガニックとして生産されているカバは、2020年と比較して約65%の大きな伸びを見せている。
主要な生産地はペネデス地方のコンタッツ・デ・バルセロナ地域で、実に95%を占める。他に、バルセロナ近郊、エブロ渓谷、アルメンドラレッホ、レバンテ地方などでも造られる。

ハモンセラーノ
スペインを代表する生ハムのひとつ。直訳すると“山のハム”で、その名のとおり、かつては主に山岳地帯で作られていた。ハモンセラーノで使われるのは、セルタ系統の白豚。赤身が多く、脂肪が少なめで、しっかりとした歯応えと旨みにつながる。長期にわたって熟成させ(一般のハモンセラーノで30週間以上。スペインハモンセラーノ協会は52週間以上のものに対して品質保証マークを付与している)、1本1本手作業で丁寧に検品・選別が行われる。
このハモンセラーノを、本物のスペインハモンセラーノの品質を世界に広めるために設立された組織が「スペインハモンセラーノ協会」で、スペインの生ハム業界で最も重要な24社が集まって作られた。厳しい品質基準を満たすハモンセラーノには「ConsorcioSerrano」を示す品質保証マークがつけられている。

有限会社ニューワールドトレーディング
03-5684-0521

text photo:羽根則子

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