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マテ貝狙い潮干狩りのコツ4選 道具は100均アイテムでもOK

TSURINEWS

マテガイ(提供:TSURINEWS編集部)

マテ貝の潮干狩りは他の貝と違って独特。塩分濃度に敏感な貝のため、巣穴に塩を入れて塩分濃度を上げ、マテ貝が飛び出してきたところを取ります。今回はそんなマテ貝掘りの道具・場所・時期といった基礎知識と、マテ貝の取り方のコツ、持ち帰り方までまるごと紹介します。

マテ貝の生態

マテ貝は二枚貝網マテガイ科の細長い貝です。大きくても太さは人差し指程度で長さは10cmほど。九州には指2本程度のサイズもいるようです。二枚貝ですが殻がしっかり閉じずにだらしない感じなのも特徴のひとつ。また、その殻は柔らかく、強く握るとすぐに潰れてしまいます。

普段、強力な脚で結構深い縦穴を掘って生活しています。海水が高い時は砂地から頭を出していますが、潮が引くと砂の中に引っ込んでしまいます。水中のマテ貝を船から櫛状の道具を使って捕獲する漁師さんもいますが、干潮時に水平に砂を掘ってマテ貝の巣穴を探し、巣穴に塩を入れて取るのが一般的です。

マテ貝はおいしい

味が濃く、アサリより旨味が強いため色々な料理に向いていますが、殻が弱いので市場には出回りにくい貝です。内湾の小石が交じらない砂地に生育しており、特に河口付近に多いようです。産卵期は5~7月ぐらいで、味がいいのは3月ごろと言われています。

マテ貝掘りに挑戦してみよう(提供:TSURINEWSライター弓削和夫)

マテ貝の潮干狩り

マテ貝掘りは家族やカップルにお勧め!初めての人は驚いて見ているだけになったり、すぐに引っ込んでしまう貝にツッコミをいれたりとワイワイ間違いなし。また、マテガイを砂の上に置いておくと潜ろうと立ってたり、砂を落とそうと海水溜まりに入れておくとロケットのように泳ぎます。見ているだけでも面白いんです。

そして、貝料理もおすすめです。食べても癖のない濃い味で、焼いても炒めても煮てもおいしいです。そして、アサリと違い砂抜きが必要ないところも嬉しいポイントとなります。

みんなで楽しめるのが魅力(提供:TSURINEWSライター弓削和夫)

マテ貝掘りに向く潮回り

潮は干潮時が狙い目なので、特に大潮時の干潮前後1時間半の合計3時間が狙い目となります。捕獲が楽なのは潮の上げ始めです。このタイミングだと貝が上の方に上がってくるので、出が早くなります。

マテ貝掘りの時期

マテ貝は一年中取ることができる貝ですが、旬の季節で潮が日中に大きく引く春が一般的にはハイシーズンとされています。

マテ貝掘りに必要な道具

必要な道具は、スコップか園芸用移植ゴテ、塩1~2㎏、塩を入れる容器、バケツ、長靴(サンダルでも可)だけです。ほとんど100円均一でも揃う道具なので気軽に始められます。

さらに楽しみたい方は、ジョレンや左官用の鍬(くわ)、乾煎り(からいり)した塩、ウエダーか長靴、マテ貝が洗いやすい網付きバケツを用意することをおすすめします。

塩にも一手間

塩分濃度に敏感なマテ貝堀りには塩が必需品です。普通の塩でもいいのですが、フライパンで乾煎りしたサラサラ塩は、穴入れが楽になります。ただ、乾煎りし過ぎると結晶が荒くなり穴が詰まる原因になるので注意。軽く煎って広げて冷ますといったん塊になりますが、これをほぐせばOK。

塩を入れる容器は、100均やホームセンターで売っているようなフリー容器の500ccを私は使っています。先端の穴径を5mm程度に広げれば素直に出てくれます。砂の上に置けるうえ、穴に連続で入れるのに活躍します。またオイル差しの方が胴が軟らかいので簡単に噴き出すことができおすすめです。

塩は容器に入れると使いやすい(提供:TSURINEWSライター弓削和夫)

穴を掘る道具

鋤簾(じょれん)は、鋤(すき)や鍬(くわ)に近く、土よせとも呼ばれる道具です。これは砂の表面をかくのに使います。スコップやシャベルよりも砂を水平に掘りやすく、マテ貝の穴を探しやすいので、効率的にマテ貝を取ることができます。

また、ステンレス製もあり、海水で使用するマテ貝堀では手入れも楽です。刃を少し研いで砂を切れるようにしておくとマテ貝の穴をしっかりと露出させることができます。

鋤簾は少し大げさだという人には、鋤簾より小型な左官用の鍬などもマテ貝の穴を掘りやすく、おすすめの道具です。

ジョレンなら効率よく探せる(提供:TSURINEWSライター弓削和夫)

ウェーダーが便利

表層の砂をかくと、下は湿っており、海水が湧く時もあります。この時、夢中になっているとお尻が砂に着いて濡れる場合があります。ウェーダーを履いておくとはいずりまわることもでき、最後に海に立ち込みマテ貝の砂落としもできるので、とても便利です。他に雨具のズボンと長靴の人もいます。

マテ貝の取り方とコツ

続いてマテ貝の取り方とコツを解説していきます。

マテ貝が取れる場所

まずはマテ貝が取れる場所の見つけ方について。マテ貝は波が穏やかな内湾の砂泥域を好み、干潟や河口域の浜などに生息します。

ネットなどから取れる場所の情報を得られるのが確実ですが、生息環境が似ているアサリが採れる場所や、独特なマテ貝の殻がポイントに存在するかどうか、実際に掘ってみて巣穴が見つかるかなども生息場所の目安になります。

穴を見つける

マテ貝の生息場所を見つけたら、マテ貝掘りの流れを紹介します。まずは着がえて用意をし、潮が五分以上引いて沖のブレイクライン(かけ下がり)が出たら開始です。

浜に下りてブレイクラインに立ち、沖に向かって軽くジョレンで表面を5cmほどかいて5mm程度の楕円の穴(カニや他の貝の場合もあり)を探します。

目的が数取りなので、1個や2個ではなく数個の穴を見つけましょう。見つかったら、その付近を広く探っていきます。

楕円形のマテ貝の巣穴を水平に砂を掘って探す(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

塩を投入

ある程度穴が出たら、今まで表面から5cm程度かいていた砂を、そこからもう5cm深く掘ってみましょう。こうすることで穴がしっかりします。

ここで塩の投入です。掘り手から遠い場所から順番に少し多め(ちょっと盛る程度)に入れます。飛び出し方はいきなり飛び出す貝、水管しか出さない貝、飛び出し過ぎて横になる貝、いったん出て引っ込む貝といろいろです。

塩を投入してマテ貝が出てくるのを待つ(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

引き潮時は穴の奥に入っているためか出てくるのに時間がかかるので、貝が出てくるまでの間に、今度は海岸線に沿って横移動で砂をかいて穴を探していき、塩を投入しておきます。そうしてから最初に塩を入れた場所で抜きにかかると効率よく探せます。

効率よく穴を探して塩を入れていこう(提供:TSURINEWSライター弓削和夫)

マテ貝の抜き方

スポッと簡単に抜けず、引っ掛っていると感じるときは、足を膨らまして我慢していることが多いです。こんなときに貝を一気に抜くと足が切れて食べるところがなくなるので、無理は禁物です。この時は手を離さず軽く引っ張っておいて足が縮むのを待つか、少し押し込んで足が縮むのを待つか、軽くひねってみてください。

塩分濃度の変化によってマテ貝が飛び出す(提供:TSURINEWSライター弓削和夫)

水管(ツクシのハカマのようなもの)が出ているだけのものは指3本で砂ごとつかみ抜いてみましょう。この時も足が膨らんでいる場合が多く、時間が掛かります。釣りと同じで大物を取り込んだような達成感が感じられるはずです。慣れてくると一度に2本つかみや両手抜きも楽しめます。

足が切れないように慎重に引っ張り出そう(提供:TSURINEWSライター・尾崎大祐)

潮が干潮から満潮に近くなると貝も上に上がってきて、砂を深く掘ると貝に当たる時があります。その場合は浅く砂をかくようにしていき、当たる回数が増えてきたら終了の合図です。中洲のような場所なら上げ潮は一気に潮が上がるので注意が必要です。

道具なしで取る方法も?

満潮時のマテ貝は水中に水管を伸ばため、浅場に出てきていることが多いです。そのため、ジョレンや塩がなくても砂を掘ることで採取可能になります。

水に浸かりながら取る必要があるので、溺れないよう水深10cm程度の浅瀬を狙うようにしましょう。また、アサリなどのように熊手を使って砂を掘ると、マテ貝の薄い殻を貫通してしまうので、手で砂を10cm~15cmぐらい掘り進めてマテ貝を探します。見つけたら掴んで、足が切れないように慎重に引っ張り出します。

取った後の処理

帰る前に砂を落とすため、マテ貝が入ったバケツに海水を入れて洗います。網付きのバケツなら口をしめて逆さまにし、砂を落とせるので便利です。砂抜きは必要ない貝ですが、貝殻についた砂を落としきれないと料理に混入してしまうので丁寧に行いましょう。

また、海水を入れたときに浮いている物は食べる部分の足が切れている物なので捨てていきます。持ち帰り方はバケツがそのまま入るクーラーがあるなら、海水をひたひた程度に張り、バケツごと持ち帰りましょう。あまり海水の温度が上がりすぎて弱らないないように、クーラーには保冷剤も入れておくとベストです。

マテ貝の食べ方

調理が簡単なのは、そのままの網焼きです。開いた殻の片方をスプーンがわりにすれば野性味も楽しめます。フライパンで焼いてバター醤油もおいしいし、麺つゆをかけてもまた違った味が楽しめます。ほかに、クリームチャウダー、小さいのは味噌汁の具材にしても美味しいです。

最後に

お父さんが砂をかき、お母さんが塩を入れ、お子さんが抜くというチームワークで掘れば、効率よく楽しめると思います。穴の周りで騒いでも、触らない限り引っ込むことはないので安心です。そして貝を抜くと穴が崩れるのが不思議で面白いですよ。

ただ、場所により貝類採集禁止の場所もあるので事前に確認してください。

コツを掴めばたくさん取れる(提供:TSURINEWSライター弓削和夫)

<TSURINEWSライター弓削和夫/TSURINEWS編>

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