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津久井やまゆり園 地元企業と着火剤を開発 つながり意識醸成に期待

タウンニュース

さがみはら津久井産材を間伐する際に出るおが屑、市内の葬儀場や寺院で廃棄されるろうそくでできたアップサイクルの着火剤

障害者施設の津久井やまゆり園(千木良)と自然素材を使った環境にやさしい商品の製造、販売をする株式会社ネットフィールド相模原事業所(根小屋)がタッグを組んで開発した商品「着火剤オガチャッカ」が完成し、10月下旬から販売を開始した。今後は販売場所を増やしていく意向で、同園では「利用者の活動の一つとして、社会とのつながりを意識できる活動になれば」と期待を寄せる。

ネットフィールドは区内の就労支援施設に商品づくりの一部を委託しており、「当園でもつくれないか」とやまゆり園が今年の春に連絡したのがはじまり。同社の網野通社長は就労支援施設に仕事を依頼する中で、「もっと支払いを増やしたいが採算を考えると単価も上げらない」と悩むことがあり、「材料を卸して施設で製造、販売ができないか」と今回の共同開発を提案。同社で使っているさがみはら津久井産材のおが屑と使用済みろうそくで着火剤の開発を考えていたところでもあり、「それなら一緒に」とプロジェクトが動き出した。商品を製造、販売するのはやまゆり園で、ネットフィールドは提携という形で材料の調達や販売先の開拓などを行う。

実際の商品開発は9月頃からスタートし、試作を重ねて10月上旬に完成した。材料のおが屑はさがみはら津久井産材を間伐する際に出るもの、ろうそくは市内の葬儀場や寺院で廃棄する使用済みを提供してもらった。

商品づくりは同園で行っており、ろうそくを炊飯器で溶かし、そこにおが屑を混ぜ合わせてかたどる。製造を体験した利用者は「作業は楽しい」と笑顔を見せる。商品は1袋3〜4個入りで税込100円。着火から約20分程度燃え続ける。ラベルは同園の職員がデザインした。すでに10月下旬に川崎市で開催された全国都市緑化フェア、海老名市でのかながわ商工会まつりなどのイベントで販売しており、12月からは津久井観光センターで販売を開始した。

同園の担当者は「自分たちが携わったものが商品になって、売れてお金になるということで社会的な役割を意識できたら。形をつくる人、販売する人、納品する人など、分業して利用者みんなが関われるものになれば」と思い描く。

網野社長は「両者はさがみはらSDGsパートナーで、まさにSDGsの8番にある『働きがい』の取り組みだと思う。障害者もアップサイクルのモノづくりができる。全ての人がSDGsの達成に関われることを示す好例になった」と話す。

なお、現在同園では使用済みろうそくの寄付を呼び掛けている。詳細は同園【電話】042・682・0312。

着火剤をつくる利用者とそれを見つめる網野社長

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