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素敵なカップで、ゆったりコーヒーを楽しめる「カフェ フルール」。

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素敵なカップで、ゆったりコーヒーを楽しめる「カフェ フルール」。

三条市の一ノ木戸商店街にある「カフェ フルール」。お店の雰囲気を何よりも大切にするため、ほとんどメディアの取材を受けず、宣伝もしてこなかったという老舗のカフェです。ゆったりした時間が流れている店内で、オーナーの永峰さんにお話を聞いてきました。

カフェ フルール

永峰 和美 Kazumi Nagamine

1956年三条市生まれ。東京の短大で英語を学び、都内の結婚式場で営業を経験。結婚を機に地元の三条市へ戻り、専業主婦を経て1990年頃から母親の経営する「カフェ フルール」を手伝いはじめる。現在は母親からお店を受け継ぎ、2代目オーナーとして切り盛りしている。趣味はテニスやピアノ、フラワーアレンジメント、旅行など多彩。これからは乗馬にもチャレンジしたいと思っている。

老舗カフェで出会える、ヴィンテージカップの数々。

——「カフェ フルール」はいつから続いているお店なんですか?

永峰さん:昨年40周年を迎えて、常連のお客様からお祝いしていただいたばかりなんです。

——ずいぶん長く続いてきたお店なんですね。ずっとこの場所で営業しているんでしょうか?

永峰さん:はい、ここの2階が自宅になっていて、以前は1階をオーディオショップに貸していたんです。その会社が移転して1階のスペースが空いたので、母がカフェをはじめることになったんですよ。

——お母さんはコーヒーがお好きだったんですか?

永峰さん:コーヒーは好きでしたけど、そんなにこだわって飲んでいたわけじゃないんですよ。どちらかといえば煎茶をよく飲んでいたような気がします(笑)。ただ器を集めるのが趣味だったので、毎月のように東京へ行っては珍しいヴィンテージものを買ってきていました。そのカップを使いたいこともあってカフェをはじめたんじゃないでしょうか。

——カフェをはじめたのはコーヒーじゃなくて、カップがきっかけだったんですね。そんなに珍しいカップがあるんですか?

永峰さん:古いものでは江戸末期のカップがあります。知り合いから金沢の骨董屋さんにあることを聞いた母が、その翌日に飛んで行って2客買ってきたんです(笑)

——すごい行動力(笑)。幕末のコーヒーカップってかなり珍しいですね。

永峰さん:あとドイツのマイセンで作られた、インド文様のカップもなかなかのヴィンテージものです。それから、こちらは「大倉陶園(おおくらとうえん)」でオーダーメイドしたカップなんですよ。10万円以上するカップも多いですね。

——じゅ、10万円以上もするんですか! 取り扱いにはめちゃくちゃ気を使いそうですね。

永峰さん:そうなんですよ(笑)。使った後はすぐに洗うようにしていますし、洗うときもゴシゴシと力を入れすぎないよう気をつけています。他人に任せることもできないから、ひとりで営業するしかないんですよ。

——でもカップ好きのマニアにとっては、たまらないでしょうね。

永峰さん:カップを目当てにご来店くださるお客様も多いですね。喜んでいただけると、こちらも嬉しいです。

——それにしても、40年前にオープンしたお店のわりに古さを感じさせませんね。

永峰さん:ありがとうございます。実家は建設業をやっているので、兄が店舗デザインを監修してくれたんです。東京でカフェ巡りをして見つけた、お洒落なカフェをいろいろと参考にしているんですよ。一枚板を使っているカウンターが自慢で、あえて低めに作ってあることでゆっくりと寛いでいただけるようになっているんです。

——居心地が良すぎて長居するお客さんも多そうですね。

永峰さん:商売としてはお客様の回転を上げた方がいいんでしょうけど、「ゆっくりとコーヒーを楽しんでほしい」という母の思いを受け継いで営業していきたいですね。

守りたいのは、ゆったりとコーヒーを楽しむ空間。

——コーヒーについてのこだわりを教えてください。

永峰さん:いろいろな種類のコーヒーを試してみたんですけど、結局は今使っているブレンドに落ち着いて、そのままその味でずっと続けてきました。オープン当時からコーヒー1杯500円で提供していたんですよ。

——40年前でその値段ですか!

永峰さん:そうなんです。初めて来た人はメニューに載っているコーヒーの値段を見て驚いたんじゃないでしょうか。でも、最初から値上げせずにそのままの値段で続けてきたので、ようやく世の中の相場と足並みが揃ってきましたね(笑)

——時代が追いついたわけですね(笑)

永峰さん:そこまで言うとおこがましいですけどね(笑)。あとサイフォンでコーヒーを淹れているんですけど、強火でグラグラ沸かさないようにアルコールランプを使っていることもこだわりかな。ガスと違ってアルコールランプは火が柔らかいんですよ。「それでどのくらい変わるのか」って言われるとわからないんですけど、当店のこだわりではあります。

——アルコールランプの火って、見た目にも優しくて落ち着きますね。メニューを見ると、フードメニューはトーストだけなんですね。

永峰さん:コーヒーの香りがするお店でありたいという母の強いこだわりがあって、香りが混ざるのを避けるために、カレーやナポリタンのようなフードをお出ししていないんです。だから営業時間もランチタイムを外しています。その代わり週末限定で提供しているケーキには力を入れているんです。シンプルなんだけど、素材や味にはこだわって作っています。

——とことんお店の雰囲気にこだわっているのが伝わりますね。でもランチ営業をしないのは、かなりもったいない気もしますね。

永峰さん:友人にもよく言われています。せっかくいいお店を持っているんだから、メニューを増やして営業時間を長くしたり、どんどん宣伝したりしてもっと商売っ気を出せばいいのにって(笑)。でも母のこだわりを守って、お客様がのんびりとコーヒーや時間、それからカップを楽しめるお店であり続けたいんです。

——それはとっても素敵なこだわりですね。

永峰さん:母は90代半ばになりますけど、今でも日曜には店へ来てカウンターに座っているんです。私も母のようにいつまでも元気で、お店を続けていけたらいいなって思っています。

カフェ フルール

三条市林町1-2-8

0256-35-7005

13:00-18:00

月火曜休

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